劇場公開日 2023年5月19日

  • 予告編を見る

「スケープゴートとエスカレート」ソフト/クワイエット kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5スケープゴートとエスカレート

2023年5月31日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

白人至上主義の人間が周りにいないからイメージがつきづらい。映画とかで出てくるのもネオナチっぽい屈強な男たちやKKKの白マントを被っているイメージしかない。でも、彼らも普段はアメリカ社会で普通に生活しているんだよなと本作を観ると思い知らされてしまう。
教会の一室で開かれたのは白人至上主義の女性グループの会合。幼稚園の先生してたり、スーパー経営していたり、普通に勤めていたり、見た目だけでは主義主張なんてわからない。そんな「普通の」見た目の女性たちが語る差別発言の数々。少し笑ってしまうくらい極端な意見が飛び交っていた。後半よりもむしろ前半の会合シーンが怖い。
そんな彼女たちがどんどん暴走していくという流れ。バカみたいな選択の連続ででとんでもない方向に転げ落ちていく。胸糞悪いんだけど、どうなるんだ?と目が離せなかった。
満たされない人生にはスケープゴートを求めがち。誰かのせいにする方が簡単だから。そして暴力は単独ではなくグループになるとエスカレートするということだ。似たようなことが周りで起きる可能性が十分あるからこそ怖い話なんだよな。

kenshuchu