劇場公開日 2023年5月19日

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ソフト/クワイエットのレビュー・感想・評価

全77件中、1~20件目を表示

5.0エコーチェンバーホラー

2023年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

これは恐ろしい。白人至上主義者の女性たちが集まり、みんなで話しているうちに妄想が膨らみ、自分たちは正しいという気持ちにとらわれ、殺しに発展する。ブラムハウスは『ゲット・アウト』などの傑作ホラーを放ったこともあるプロダクションだが、これも人種問題を描くホラーとして秀逸だ。
描く内容と手法がマッチしている。全編ハンドヘルドのカメラによるワンショットムービーなのだが、観客は白人至上主義者たちの会合に参加しているかのような感覚を覚える。そこでじっくり彼女たちの話をついつい聞いてしまうと、案外そっちの方向に引っ張られてしまうのだ。悪意の増幅装置としての情報のエコーチェンバー状態がいかに恐ろしいものかを追体験させてくれる手法になっている。
しかも、これがある種のシスターフッド映画として提示されているのが強烈だ。女性たちは連帯することで強くなっている。ただ、その強さがヤバい方向に向かってしまうのだ。現代を描写した作品として非常に優れた一本。

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杉本穂高

4.0マイノリティの米国人女性監督による長編デビュー作。その勇気と力量に感服

2023年5月25日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

怖い

興奮

中国系アメリカ人の母とブラジル出身の父の間に生まれたベス・デ・アラウージョ監督は、2014年頃から短編映画やテレビドラマを手がけ、本作で長編デビューを果たした。脚本執筆のきっかけは、2020年5月にNYのセントラルパークで野鳥観察をしていた黒人男性に対し、白人女性が「脅されている」と嘘の通報をした様子が撮影された動画をSNSで見たことだったという。デ・アラウージョ監督自身も、差別されたり偏見をもたれたりした体験を明かしている。多様性尊重の時流に乗ったとはいえ、いまだに差別される側である有色人種の側から、白人優位社会に物申す意図を込めたクライムスリラーを初の長編映画に選んだ勇気と、資金を調達し完成、公開までこぎつけた突破力にまず感服する。

幼稚園教師のエミリーが、有色人種に不満を持つ白人女性たちを集めてパーティーを主催し、「アーリア人団結をめざす娘たち」というグループを結成するのが序盤。アーリア人について少し補足しておくと、広義にはインド・ヨーロッパ語族の人々の総称だが、ヒトラー支配下のナチスドイツではユダヤ人を除いたコーカサス(白色)人種と定義された。エミリーが持参したパイにハーケンクロイツの切れ込みを入れていたり、メンバーの一人がふざけてナチス式敬礼を真似したりしていることからも、彼女たちがナチス流の白人至上主義に心を寄せていることがうかがわれる。

インテリを気取るエミリーが自分たちの思想を広めるやり方として「表面はソフトに/ひそかに(quietly)心に入り込む」と皆に説くのだが、映画の後半、実際に彼女たちがとる行動はラウドでハードで暴力的な方向に展開していくのだから、なかなかに皮肉の効いたタイトルだ。

全編ワンショット&リアルタイム進行の仕掛けでエスカレートしていく緊迫感により、観客もまるでその場に居合わせているかのような感覚に圧倒されていく。演者たちと撮影監督の貢献も含め、約90分の加速するスリルを生み出した力量にも驚嘆させられる。これは好みが分かれるところだろうが、不穏さをあおるBGMはかえって作り手の演出意図が浮かび上がってしまい、BGM無しのほうがこの先に何が起きるのかわからないまま間近で目撃しているような臨場感がより際立ったのではと思った。

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高森 郁哉

3.5タイトルなし(ネタバレ)

2025年2月23日
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鑑賞方法:DVD/BD
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太郎

4.0❇️『こんなコミニティーは嫌だ!👌⇦😨』

2025年2月3日
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鑑賞方法:VOD

怖い

ソフト/クワイエット

❇️『こんなコミニティーは嫌だ!👌⇦😨』
★彡視聴者も巻き込まれる感覚映画!

🇺🇸

◉89B点。
★彡自分が巻き込まれた感覚がすごくて、緊張感と心拍数が上がりすぎた。ワンカット風テイストが生きている❗️

★彡オススメして良いのか?人を選ぶ胸糞映画です。

🟢感想。
1️⃣⭕️『仕草や会話が自然に怖い』

2️⃣⭕️『時間の経過が日の暮れ方でも解る。』

3️⃣⭕️『思いが強い主人公がヤバい』
★彡かと思ったらみんなやばかった。

4️⃣⭕️『視聴者巻き込まれ型ワンカットの恐怖体験』
★彡緊張から逃げられなくて、休憩が必要でした。

😱🤯😨🫣🤐👌👩‍🦳👱🏻‍♀️👱🏻🧑🏻‍🦳👩🏼‍🏫🐕‍🦺🫓☕️🥂🎹🚗🛶⛪️🏞️🥕🍷🪪🥜🛒🆘💮

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シネマを喰らう

4.0臨場感ましまし

2025年1月28日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

マイルドヤンキーがリンチの延長で殺人、みたいな。
あぁ、あの事件でこんな感じなんだろうなと思ったし
理性のリミッターが外れていくさまがグロテスクで恐ろしかった。

ワンカット風の画づくりも臨場感ましましでお見事。

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mar

4.0全編ワンショットで魅せる狂気

2025年1月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

狂気。
観てるのが怖くなる。
でも、目が離せない。
そんな映画。

いじめや差別の教材にも使えそう。
一方にとってはただの悪ノリでも、もう一方にとっては恐怖でしかない。
しかも、その悪ノリが道を踏み外し、取り返しがつかない状況に。
集団心理の怖さも垣間見える。

なにより一番びっくりしたのが、この映画の撮影手法だ。
全編ワンショット。
92分、カメラを止めるな。
キャストもスタッフもどれほどの緊張感だったんだろう。
本当にすごい。
全編ワンショットだからこそのリアルさで、没入感が半端ない。

ラストも衝撃の展開で最後まで飽きさせない。
何気なく観た映画だったけど掘り出し物でした。

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JBはただの映画好き。

4.5感想メモ

2025年1月22日
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ヒラめ

3.5怖いしめっちゃ腹立つけど面白かった

2025年1月2日
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りう

4.0これは怖い。不幸な偶然が重なったら全然現実でもありそうな話。

2024年12月26日
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鑑賞方法:VOD

いわゆる新ジャンル人種差別ホラーもの。ワンショット&リアルタイムホラーということですが、手持ちカメラで登場人物たちにずっとついていくという感じで映画が進んでいく。そうすると見ている人が自分もその場にいるような効果がある。これが実に居心地が悪くてザワザワする。一見普通に見えるエミリーやレスリーは情緒不安定で興奮すると歯止めが効かなくなるし、マージョリーはちょっと信じられないくらい思慮が浅く、短絡的でバカなことばかりしてしまう。
そしてみんな少しずつ余計なことをしてしまってドツボにハマっていくという。かなりカリカチュア化されているとは思うものの白人至上主義者のメンタルがよくわかって興味深い。先にケンカを売ってるくせに反撃されると被害者意識丸出しで相手を攻撃するというちょっと見ていられない残念な感じになる。
後半のやり過ぎの暴力にのめり込んでいく様は、ひょっとして闇バイトの強盗の現場はこんな感じなんかなぁなんて思いました。
約90分で切れのいいおもしろい映画です。おすすめ。

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ねきろむ

4.0リアル感があった

2024年12月19日
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hachizen

3.5胸糞映画としての出来は良い。

Nさん
2024年12月17日
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鑑賞方法:VOD

胸糞映画としての出来は良い。

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N

4.0好き嫌い&損・得の価値観だけで生きる時代に向けて!!

2024年12月13日
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琥珀糖

2.0いまいち

2024年12月7日
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鑑賞方法:VOD

難しい

評価高いけど面白くなかった。
色々女性たちの感情やら行動が
エスカレートするのが面白いのかな?
最後はその後どうなるのかが楽しみで
見てたけど、え?ここで終わるの?
って感じでつまらなかった。

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midway88jp

5.0過敏な矛盾劇。冷静な男と狂気の女が1.5時間で昇華する

2024年12月7日
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アンドロイド爺さん♥️

2.5怖すぎ…

2024年12月1日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

怖い

ドキュメンタリーを見ているようだった。

アメリカよりは日本で人はわからないかもしれない、人種差別がどんどんエスカレートしていく内容。こういう人たちは思い込んだらハマりまくっていくんだろうな。

俯瞰で見れるこちら側(鑑賞側)からしたら何でそんなことを考える?ということを平気でやり始める。取り返しのつかないことになってようやく自分たちが何をしたか少しずつ理解するけどその時はもうパニック。唯一の男性である旦那があの時何をしてでも止めていれば…。

ホラー映画よりリアルな怖さのある映画。目が釘付けで鑑賞したが、後味があまりにも胸糞悪すぎて2.5点。

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アキラ

3.0へ、ヘイトスピーチ・・・

2024年11月16日
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鑑賞方法:VOD

まあ、こういう考えになるのも無理が無いぐらいに、色々な問題を抱えて不平不満が募る現代を現してるかの様な内容。
ラスト湖の辺りは暗くて良く見えない。
郷に入っては郷に従え。

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はまぐりの短い感想文

3.5【2024年の現在でも、世界の何処かで起こっているだろう恐怖を描いた作品。非常に不快だが、一気に没入させられるノンストップポリティカルホラー。救いは監督が有色人種の女性であるという事である。】

2024年10月1日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

難しい

■幼稚園に勤めるエミリーとレスリー(オリヴィア・ルッカルディ)、マージョリー、キム
、アン、リリーの5人の女性たちは他愛無い気持ちで、普段から抱えている有色人種に対する不満を持つ中、白人至上主義のグループを結成する。
 多様性を重んじる風潮、有色人種や移民を毛嫌いする彼女達は、日頃の不満や過激な思想を共有して盛り上がる。
 そして会場にした教会で、彼女達の会話を聞いた神父から”今すぐ出て行け。”と言われ、エミリーは仕方なく、皆を自宅に誘う。そして、彼女たちは立ち寄った食料品店でアジア系の姉妹と口論を始めてしまう。

◆感想

・非常に不快な映画である。だが、現代の抱える闇にスポットライトを当てたという点では、意義のある作品である。

・私は、この作品は、監督自身が有色人種の女性であるので、逆説的な意味合いで製作されたのだろうと思う。と言うか、思いたい。

<怖いのは、この作品で描かれていたようなことが、今現在、世界の何処かで起きていてもおかしくないという事実である。
 日本を含め、自国ファースト、保守的思想が世界に蔓延する中、この映画は一定の意味を持つのかも知れない。
 そして、純粋に映画として見れば、その尋常でない緊迫感と、レスリーが嗾ける勢いに乗って負のサイクルに呑み込まれて行く愚かしき白人女性達の姿が実に怖く描かれている点が、出来としては秀逸なのかもしれない。
 湖に放り込まれた有色人種の姉が息を吹き返すシーンは、その後の愚かしき行為をした白人女性6人の未来が閉ざされた事を示している。
 あのシーンこそが、この映画の有色人種の女性監督、ベス・デ・アラウージョが激しい怒りを持って訴えたかったことなのだろう、と思う作品である。>

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NOBU

3.0馬鹿な女達に呆れっぱなし、どんな教育受けてきたんだと本当に腹が立つ...

2024年6月23日
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馬鹿な女達に呆れっぱなし、どんな教育受けてきたんだと本当に腹が立つ内容。
にしても瞬間湯沸器の様にみんなキレるの早すぎでしょ、すぐ大声で怒鳴るし泣くし…。

最後まで馬鹿でおかげで一人は助かりましたね、ホッとしました。

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コチョ

3.5何もかも他人のせい

2024年6月10日
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soleil

3.0多ストレス社会が排他(白人至上)主義を加速させる

2024年5月17日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

悲しい

怖い

『ソフト/クワイエット』というタイトルは、
作中、女性同士の討論の中で語られたキーワードだ。

白人至上主義の主張を声高に叫ぶのではなく、
「柔らかく、静かに」大衆の中に浸透させようと、主人公は語る。
ストーリーは真逆に進んでしまうのだが。。。

まさに、時代が要請した映画と言える。

トランプ氏を支持する人々は、きっとこのような皆さんなのでしょうね。
社会全体を覆う ”もやもや” は、富の偏りや就労機会などの不公平感だけなのだろうか?

自称「先進国」の住民は、高度に複雑化した社会の中で精神的にも経済的にも、とてつもない負担を強いられている。
朝は、信号だらけの道路を小走りに駅に向かい、
昼は、地下鉄網を乗りこなして得意先まわり、
夜は、エアコンのきいた部屋でNetflixを見る。

当然、社会的なコストをみんなで負担している。
いや、意識しないところで、ちゃんとワリカン払いさせられている。
それを賄うための労働も、かなりハードだ。

◆睡眠時間が不足し、
◆心の安らぎが不足し、
◆家族の触れ合いが不足している。

本作の幕開けは、
主役の幼稚園教師エミリー(演:ステファニー・エステス)がトイレで妊娠検査薬を使用する場面から始まる。
「子供が欲しい!」、心の叫びが聴こえてくるようだ。

本作で女優たちが演じている「白人至上主義者」は、
思想的な底は浅く、というより、思想的な裏付けは皆無で、「ただの逆恨み」レベルだ。

◆実兄がアジア系女性をレイプし服役中
◆職場の後輩(移民系)が先に昇進
◆売上低迷は不法移民の万引きが原因(と思いたい)
◆本人自身、白人なのか疑問だが性格的に好戦的

全員が自己評価が高く、承認欲求が強い。
お互いにお世辞を言い合いつつも、マウントを取り合うような会話が実に面白い。

登場人物全員が、かなりのフラストレーションを抱えて生きている。
それをすべて、身近な有色人種の存在に結びつけようとする。

「黒人の子供には、自分の親が叱られているところを見せたほうが良いわ」

「そうね、そうしたほうが良いわね」

のシーンあたりは、出演者の自然な演技に感銘を受けた。

白人至上主義の本質は、
先進国であるがゆえのイライラなんだな(笑)。

あと、もうひとつ。
本作最大?のウリ、全編ワンショット。

どうなのかな…
全編ワンショットを貫く必要性はあったのかな?
それに拘ったために、後半の間延び〜幕切れにせざるを得なかったのなら、大変残念だ。

切り口◎、展開〜オチ✕
前半☆4.0
後半☆2.0

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共感した! 3件)
Haihai