ウィ、シェフ!のレビュー・感想・評価
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骨年齢
樹も樹齢があるように骨にもその年輪が刻まれる それを科学的に証明されれば正体も明かされる その非情な線引きに拠り、可能性の賽は分断される その理不尽ながら整合性の保持という現実をテーマにした作品である ラスト前で、食堂へ通ずる通路に掲げられている肖像写真には現実を突きつけられる苦い戦果が刻まれる
圧倒的に敗戦の"旅団"なのだ 強制退去になった隊員は果して可能性を堅持できているのだろうか? 多分打ち拉がれている事であろう 本当の旅団ならば、敗戦=死であり、その後の人生を慮る事はない 現実はより一層過酷であり、しかしその若さが可能性を炭火の如く、燻してるかもという観客の淡い期待を想起させる 本当に今作は罪作りなプロットかも知れない(苦笑
主人公のクライマックスのアイデアは、意表を突く提示ではあり、それ自体作品としての転がりを大いに愉しませて貰ったが、そもそもあの施設内に滞在する若年移民に対する調理への感心度が明確ではない為、一般的にコック及び配膳、若しくは料理店経営を目指す割合の明示が織込まれていない為、恣意的なストーリーテリングになってしまったのが残念なところである 勿論、"物語"が前提なのだから、あの施設のみ突出しても構わないのだけど・・・
元々、実家は料理店だった しかし、その仕事内容の厳しさ故、内輪にいる自分としては、とてもじゃないけど継ぐなんて事を考えられなかったし、営んでいた家族でさえ、継がそうなど奨めはしなかった とんでも無い酷い洗剤での皿洗いは、あっという間に手指に痒みと荒れをもたらす 舌で味の判別等、興味がなければどれも味は一緒であり、細かい追求などどうでもよい "バカ舌"は神経ではなく、"意志"がそれを判明する手掛かりなのだ それ以上に大事なのは『手先の器用さ』 勿論、不器用でも興味の枯れない探求、そしてなにより"成功体験"を土台とした根拠無き"自信" この大いなる勘違いの自己暗示の末に、コックという職業を勝ち取るのであろう
偶々、暖簾を潜ったコーヒー専門店にて、店主に種類の見分け方を尋ねたが、結局味を覚えるという、努力規定の領域を諭され、完全に諦めた 味なんて覚えられるかってんだ(苦笑
その後、何が美味しい、不味いという概念そのものが一気に吹き飛んだ 自分の人生にとって"味"などなんの彩りをもたらさないという現実を教授できたのである
才能を見出すという意味での、今作のメッセージ、非常に素晴らしい そしてその他の、あのちょくちょく登場する無視する(聴覚障害なのか?)青年は、どうなったのか、そこが抜け落ちていることが惜しい次第である
カティ、少年たちとも良かった
一流レストランでスーシェフを務めてるカティは、シェフと味付けや盛り付けで意見が合わず、ケンカして店を辞めてしまった。次をいろいろ当たり、やっと見つけた職場は移民の少年たちが暮らす自立支援施設で、まともな食材も器材もなかった。不満を訴えるカティに対し、施設長のロレンゾは、少年たちを調理アシスタントに使ったらどうかと提案し、少年達も張り切って学んでいった。料理を介してカティと少年たちに芽生えた絆は人づきあいが苦手だったカティを変えていった。そして・・・てな話。
カティ役のオドレイ・ラミーが素晴らしかった。
何でも1人で完璧にやらないと気が済まなかったカティの変わっていく姿が見所。
少年たちとの交流の中で、彼らの良さを引き出そうとする姿に感動した。
面白かった。
オドレイ・ラミーが俳優の市村正親に見えてたのは内緒です。
料理好き、食べるのもっと好き
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この手の作品は自分のツボなんだと思います。
料理を作るのが好きだし、食べるのはもっと好き😍
正直、ありがちなストーリーではあるし
TVショーのひと幕に無理やり感はあったけど(笑)
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腕はいいのに人付き合いがうまくないため
店を辞める事になったシェフカティの殻を破るのは移民の青少年たち。
故郷に残した家族のために学び、稼ぐ事は難しい事だと
思い知らされた彼らに、更なる現実が重くのしかかります。
移民問題が大きな問題となっているフランス🇫🇷
故に彼らが本当に未成年であるかどうかを
骨年齢を調べる徹底ぶりですが、未成年は良くて
成人だったら国外追放とは何故なんだろ🤔
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「この国には全てが揃っていると思っていた」
プロサッカー選手を夢見ていたジブリルの言葉が期待と夢に満ちていた彼の絶望感を言い表しています。
きれい事だけではなく、学べる環境を整えても
退去させられた人数が少なくない事も描かれており
リアリティありますね。
ライトに観られる映画
食べることが、人を動かす!
我が道を行く、言いたいことは言う、周りを見るのはその後で。そして行動する
素敵な映画を有難う!拍手👏👏👏
有る出来事の為に仕事を失った自我の強い元一流シェフ。思うような転職先が見つからずやっと見つけた職場は自立支援を促す矯正施設。まともな食材もなくお腹が満たされればいいという環境で嫌々働く。他のシェフや建物で暮らす人々と主人公には大きなギャップがあり馴染もうとしない主人公。しかし喧嘩をしながらも徐々に距離が縮まり、友情や信頼や絆を培っていく。いつしか主人公とそこに暮らす人々が家族(ファミリー)となっていった。
建物にいた子供たちを演じていたのは実際に支援施設に住む強制送還一歩手前の少年たち。彼らの成長がリアルに嬉しい。
シェフが変化していくのも胸が熱くなった。素敵な映画を有難うと映画が終わって拍手したくなりました。
(原題) La Brigade
土から土へ
料理できるようになりたいッ!!
高級レストランで働くも、シェフと大喧嘩の末店を飛び出したカティ。働き口を探す彼女が、半分騙されたような形で移民自立施設に辿り着き…といった物語。
なんやかんやで移民少年達を料理人として指導することに。始めは嫌がるカティだったが、段々とチームがまとまっていき…。
移民問題も絡めたコメディ作品ですね。
少年達との多少のいざこざはあるものの…わりとすんなりと料理教室は進んでいく。もうちょっと何かあっても良いのでは??
と、思った所で新たな問題。
もはや少年達の母親代わりとも言えるカティ。サッカー少年のプライドも守ってやりたいが。。でも、送還だけはさせたくないロレンゾの気持ちもわかるなぁ…。
このあたりは観ていて苦しくなりますね。
後半からは移民問題がよりクローズアップ。考えさせられはするがちょい急展開すぎん⁉
終わりに向けては、笑い所も沢山だし痛快だしで良い感じだが、如何せん置いてけぼりにされるレベルでガラッと来たように感じてしまったので、そこだけがちょっとなぁ、といった感想。
尺も100分弱でサッと観れるし、話自体はとても良かったが、変に不意打ちを食らった感じでちょっと惜しかった。
それにしても、ラムの料理美味しそうだったなぁ…。羊肉って独特のくさみがあって好み分かれるけど、栄養価もあって良いですよねぇ。
もうちょっと身近な料理になって欲しいものですね。
思ったよりも社会派な映画
才能はあるのに周りと拗らせたシェフが、自身の希望とは程遠い職位に就き、問題児だらけの少年移民者に料理を教える。
ちょっとした事件をきっかけに、バラバラだったチームが一丸となり、とある大会に出場し見事勝ち切りハッピーエンド!
「フラ・ガール」みたいw
見ている私たちはそんなカタルシスを得る…
そんなことを勝手にイメージしてました。
しかし、思ったよりも社会派な映画です。
特に、ラストの生中継の料理番組の演出は上手だと思いました。
あの店内にカティの姿はなく、移民少年たちだけでお店を回してるんですよね。
自立した組織として、各々が役割を担い、社会に貢献しているさまを描いていました。
「やったー!優勝だー!」みたいなスカッとするエンディングではありませんでしたが、考えさせられるテーマを置いていったエンディングでした。
腕は一流なのに周囲との協調性に難がある女性シェフ。移民少年たちの保護施設の料理人になってしまう。少年たちとの衝突や交流を重ねていく内に、彼女の心も次第に和らいでいきます。
最初はノーマークだったのですが、イエロー基調の
ポスターを見ている内に気になり始め、作品紹介を
読んでみたら面白そう。という訳で鑑賞です。
一流レストランで働いていたスーシェフのカティ・マリー。
料理に対する自負が強く、シェフの要求を無視して
料理を出したことからクビになってしまう。
次の仕事を探していたところ目についたのが
「夢のある施設の料理人募集」 …?
友人の運転で出向いてみるが、そこにあったのは
レストランに見えない建物。 …?
それもそのはず。そこは移民少年を保護する施設だった。
”募集に書いてあった事と違う”
”話が違う。騙された”
腹を立てて立ち去ろうとするも、友に諭される。
「貴方失業中でしょ?」
「ここで半年も働けば、自分の店も出せるわよ」
うーん…。
悩んだ末に、ここで再出発することに。
任されたのは施設に居る数10名分(!)の食事造り。
孤軍奮闘で、フランス料理を調理。
あくまでも一皿ごとの盛り付け(!)にこだわるカティ。
だが…とにかく手が足りない。
施設長に相談。
入所している少年たちを手伝いに使うことに。
「何人くらい必要?」
「3名位」
ところがフタを開けてみれば、10名も集まってきた。
しかもその10名、料理に関して「ど素人」。
彼らにあるのは 「好奇心」。
足りないのは… 「知識と経験」。
”基本から教えなければ”
こうして、否応も無く料理指導が始まる。
階を重ねていく内、カティにも次第に分かってくる。
# みんな料理に対して素直な感受性を持っていること
# 成人までに無職だと元の国に強制送還されること
実は自分も施設の出身だったカティ。
次第に指導にも熱が入り始める。
そんな中
施設長が職業訓練の一環で「調理師コース」を開設する話を
まとめようとしていた。
その動きを支援しようと、カティと少年達か行動する。
はたして彼らはしようとしているのは何…?
というお話です。はい。
◇
一匹狼の女シェフと世界各地の移民たち。
フランスは移民大国らしいのですが、それゆえの
様々な問題も少なくないようです。
その移民問題をお話のテーマにし、
現実問題を訴えつつ、未来への希望へも光をあてる。
そのような作品になっていました。
基本的にコメディタッチです。なので
余り深刻な展開にはなりません。
一部の子は料理人見習いとして仕事に就けフランスに残れた
ようなエンディングでしたが、本国に強制送還されてしまった
移民の子の方が多そうな感じでもありました。・_・;
やはり現実は、移民に厳しいのかもしれません。
◇最後に
実在のシェフがモデルになっていると後に知りました。
実在シェフを演じた役者さんの紹介を読んでいたら
「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」
にも出演していたとの事。
確認してみましたが、役名の記載はありませんでした。
何の役だったのかな。気になります。
(もう一度観てみようかな)
それと、タイトルになっている「ウィ・シェフ」
「ウィ」という言葉が優雅な響きで、なんかいいですね。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
時系列の移し方に感動。
考えさせられつつ前向きにさせてくれる映画
どんな作品が楽しみだったが、予想以上に良かった作品。考えさせられるテーマでもあり、きっかけを掴めば青少年たちも笑顔になる前向きになる作品。移民問題はヨーロッパではどうしても問題になる。現実も直視しつつ色々考えさせられた。また、一人の女性シェフが移民の青少年教育施設に来て料理の楽しさ・厳しさを教え青少年たちに希望を与える。これもいいなあとつくづく思った。終盤は全く思いつかなかったシーンで面白かった。フランス映画今年はいい作品が多い。ウィー、シェフもその一つ。
それっぽいけど雑過ぎ
120分作品の予定で編集してたら、締め切り間際に「あれっ?これ100分納品なんですけど……」って言われたりしたのかな、と思うほどの、後半怒涛のドタバタバタバタセカセカ展開。急激なスピードアップで、完全に事故ってる。ワイルドスピードですわ。
話の大筋や設定はいいと思うのだけど、人物の感情やストーリーの起伏の描き方がかなり端折り気味で勿体ない。もう少しことの経緯やきっかけを丁寧に描いてあげないと、わからんことはないけどグッとこない、という感じで。
製作陣に力がないとも思えないけど、撮影の安定感に誤魔化されているかなぁ。作品がストーリーを追うことに必死になっているのは、約100分という短い上映時間のせいだけではないと思います。
あとご飯映画なのだから、美味しそうな料理がたくさん見たかったなー。
最高でした
移民問題も提示してはいるものの、テンポの良さから終始重くなりすぎない脚本と演出がすばらしかった!
カティの過去と難民の少年が重なっていき、頑なだったカティがどんどん少年たちと絆を強め変わっていく姿に思わずうるっと…
クライマックスに向けての料理番組の流れはたたみかけてくるのでかなり声出して笑っちゃいましたが、いけすかない女の番組を利用し少年たちの居場所を作る踏み台にしたかったんだなと見終わって腑に落ちてまたちょっと泣きました。
ギュスギュスが~本当にかわいい~😭
子ども達の演技が素晴らしいと思ったら
オーディションで集められた本物の移民者で、演技は素人らしいです。モノローグで彼らの身の上が語られるシーンは、多分事実をそのまま語らせているんじゃないかと思います。子ども達は成人を迎えるまでにフランス語を習得して就学しなければ送還されてしまいます。彼らは現実でも崖っぷちにいるのです。それを踏まえて見るとだいぶ印象が変わります。主人公は生い立ち故、他人にも自分にも厳しいのです。だから子供たちとも一悶着あるのですが、子供たちの境遇を知るたびに徐々に心を開きあって行く様が心温まりました。
予告編では調理学校を立ち上げるために施設を挙げてテレビの料理コンテストに挑む…という印象を受けました。でも全然違いました。コンテストに出るのは主人公のカティだけですが、動機もねらいも予想の斜め上でした。カティにも番組オファーはあったのですが、彼女は当初「くだらない」と書類を破り捨てました。テレビの軽薄さは日本もフランスもあまり違いは無いようです。しかしそのいやらしさを逆手に取ってあの結末に持っていくとは。いやいや、一本取られました。「八方丸く収まり、みんな仲良くフランスで過ごしましたとさ」とはならないのですが、それがこの映画の深みだと思います。
ちなみに料理はそんなにたくさん映りません。でもカティの前菜は、透き通った飴かゼリーのように美しい。あれは全て野菜のはずですよね?ハイビスカスと蜂蜜が使ってある前菜、食べてみたいなあ。
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