ウィ、シェフ!のレビュー・感想・評価
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鮮やかなどんでん返し
個人的な栄光よりも、教え子たちの未来をとったカティ。
そこに至るまでは、プレーヤーとしての大きな挫折もあったけれど、そもそも彼女には「人の心を動かす言葉」と、やる気に火をつけつつ個々の才能を伸ばす「学びをコーディネートする力」が備わっていた。
フランスの抱える移民問題を「排除」の論理ではなく、自分たちのできる範囲の中で少しでも解決しようとする人々を描く今作だが、はじめはバラバラだったその人々自身も、プロジェクトを通してだんだんチームとなっていく感じが心地よい。
再就職を試みるも、、思い通りにはいかない状況を、だんだんと引いていくカメラワークで示す演出など、映像的な遊び心も楽しかった。
面白い
はぐれものの主人公が仕事を通して人と関わり、ついには自身の社会的意義について考える面白い話。子供達を守るという視点から主人公と子供達を取り持つ学長?先生?が真っ当で本当に良い人。励まされた。
フュージョン料理
社会派映画
初フランス✨
移民問題…
シェフと大喧嘩して有名レストランを辞めたスーシェフが移民自立支援施設で出会った少年たちにより、自らの生き方、考え方を見つめ直し、再生していく爽やかな心温まるストーリー。それぞれ様々な事情を抱え、フランスにやってきた少年たち。ラストは国外退去させられてしまうのが現実的だけど、後半からの盛り上げ方が素晴らしかった。
想定外のラスト
素直に感動しました。あのようなラストになるとは夢にも思っていませんでしたが、よかったですね。サッカーが上手かった青年は結局国外退去になったのは仕方がないですかね〜
偏屈なシェフが、生き甲斐を見出すまで。
フランス人シェフと未成年の移民たち。
風変わりな組み合わせですが、着眼点が面白く
良い映画でした。
有名レストランのスーシェフのカティ・マリーは、料理の仕上げでの
意見の食い違いから、シェフと大喧嘩して店を辞めてしまいます。
再就職に苦労する日々。
宣伝コピーに惹かれて応募した先は、未成年の移民の自立支援をする
施設の寮母的な調理係りの仕事だった。
厨房は不衛生で食材といえばラビオリの缶詰めばかり。
目立つのは電子レンジばかりです。
初日の昼食は待ちくたびれた30人が食べられず、施設長に
大目玉を食らいます。
しかし頑固なカティ・マリーは、自説を曲げません。
きちんと一人一人の皿に分けた、手の込んだ料理を作ります。
生徒を調理助手にするには、まずは清潔な手洗いやスリッパ禁止。
そしてマリーは率先して床磨きから始めます。
料理に魅せられて行く少年たち。
シェフになりたい・・・
料理を学びたい・・・
そう何人も思うようになります。
そして施設長のロレンゾ(フランソワ・クリュゼ)は、
調理師養成学校を開設して、移民の少年たちに就学のチャンスを
与えるアイデアを思いつくのです。
未成年の内に就学できないと、強制送還されてしまうのです。
移民の少年たちは全員本物の移民で、オーディションで
選ばれたそうです。
(自然な演技で舌を巻きました)
テレビの料理番組「コック」にカティが応募して大胆な賭けをする演出。
これは事実ではないでしょうね。
ちょっと鼻に付く演出でしたが、見せ場は作らなきゃね‼️
カティ・マリーのモデルのシェフは実際に存在していて、
危険を冒して単身フランスにたどり着いた未成年の移民たちを、
調理師として養成してフランスで安定した暮らしを手に入れるように
奮闘する 実在のシェフ、カトリーヌ・グロージャンを
モデルにしているそうです。
施設長のロレンゾには「最強のふたり」のお金持ちの障がい者を
演じたフランソワ・クルゼが、カティ・マリーにはフランスを代表する
名優オドレイ・ミラーが演じています。
感動の押し売りが無いクールなカッコいい映画です。
何をやらかすんだろ
シェフは厄介な未知
「移民大国・フランス」ならではの実相も描いた一本なのか。
<映画のことば>
「ここにいる限り、あなたも同じだ。
子供たちを守る責任がある。」
フランスでも国内在留(永住?)の許可を得るためには、定職に就くことが必要不可欠なことなのでしょう。
それで、料理人の途を目指す移民は、途絶えることがないのだろうと思いました。
本作は、その国柄を(独特のコミカルさを交えて)描いた一本ということなのでしょう。
もちろん、本作での「ウィ、シェフ!」は、厨房の全責任者であるシェフの調理に関する指示・命令は絶対で、これに無条件で服従する意思の表示であり、その意味では軍人の上官に対する「イエス、サー」、船員の操船者(船長など)に対する「ヨーソロ」と同じ意味合いなのでしょうけれども。
しかし、移民である彼らには、生活(フランスでの在留の権利)を得るための雇い主に対する絶対的な服従としての意味での「ウィ、シェフ!」を感じ取ったのは、評論子、独りだけではなかったかと思います。
時にコミカルな描写も入り交じる本作ですけれども。
先の点も感じ取れる一本として、佳作であったと思います。評論子には。
<映画のことば>
「あらあら、下積みのない有名女優は?」
「誰もいないわ。ひとりも。」
「これが、ジュリア・ロバーツへの道よ。
荷物を積んで、降ろして。それが、あなたの人生を豊かに強くする。」
主人公の第一印象は無駄にプライドが高く、社会人としてまともにやって...
オドレイ・ラミーの笑顔がなんとも言えず素敵
予告編を見てなんとなく面白そう、と鑑賞。
結果、大満足。ああ、家に持って帰りたい!
片肘をはって彼女なりのプライドにこだわっていたカティ。
エシャロット剥きテストでは見本を見せず、相手を認めず行為だけで是非を判断した彼女が、ロレンゾの言葉で劇的に変わっていく。
畑のシーンではしっかりと手本をやってみせて、ともに喜び、相手を認める大人のスタンスに変わる。
やってみせ、言ってきかせてさせてみせ…という言葉を思い出した。
最初のチームプレイのメンバー発表シーンは胸が熱くなった。
踊りながら掃除をするシーン、ママドゥの電話のシーン、ロレンゾが優勝杯贈呈リハで怒るシーン…大好きなシーンをあげればキリがない。全部好き。そして泣いた。
一人一人を大切に、夢を尊重しあい、その子そのものを愛すこと。
誰かのために役立てるように、一生懸命学ぶこと。それを仕事と呼ぶこと。
カティは少年たちに料理という仕事を教えていく。
それは本来の料理人としての仕事とは少し違うけれど、今までプロとして努力してきた彼女だからこそ、彼らのためにできることだった。
キャラクターがみんなチャーミングで、勇敢で、そしてハッピーなだけじゃなくて、少ししょっぱくてほろ苦い。
きっとこれから何回も見返したくなる時がくると思う。
大好きな作品に出会えて嬉しい。
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