ウィ、シェフ!のレビュー・感想・評価
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思ったよりも社会派な映画
才能はあるのに周りと拗らせたシェフが、自身の希望とは程遠い職位に就き、問題児だらけの少年移民者に料理を教える。
ちょっとした事件をきっかけに、バラバラだったチームが一丸となり、とある大会に出場し見事勝ち切りハッピーエンド!
「フラ・ガール」みたいw
見ている私たちはそんなカタルシスを得る…
そんなことを勝手にイメージしてました。
しかし、思ったよりも社会派な映画です。
特に、ラストの生中継の料理番組の演出は上手だと思いました。
あの店内にカティの姿はなく、移民少年たちだけでお店を回してるんですよね。
自立した組織として、各々が役割を担い、社会に貢献しているさまを描いていました。
「やったー!優勝だー!」みたいなスカッとするエンディングではありませんでしたが、考えさせられるテーマを置いていったエンディングでした。
腕は一流なのに周囲との協調性に難がある女性シェフ。移民少年たちの保護施設の料理人になってしまう。少年たちとの衝突や交流を重ねていく内に、彼女の心も次第に和らいでいきます。
最初はノーマークだったのですが、イエロー基調の
ポスターを見ている内に気になり始め、作品紹介を
読んでみたら面白そう。という訳で鑑賞です。
一流レストランで働いていたスーシェフのカティ・マリー。
料理に対する自負が強く、シェフの要求を無視して
料理を出したことからクビになってしまう。
次の仕事を探していたところ目についたのが
「夢のある施設の料理人募集」 …?
友人の運転で出向いてみるが、そこにあったのは
レストランに見えない建物。 …?
それもそのはず。そこは移民少年を保護する施設だった。
”募集に書いてあった事と違う”
”話が違う。騙された”
腹を立てて立ち去ろうとするも、友に諭される。
「貴方失業中でしょ?」
「ここで半年も働けば、自分の店も出せるわよ」
うーん…。
悩んだ末に、ここで再出発することに。
任されたのは施設に居る数10名分(!)の食事造り。
孤軍奮闘で、フランス料理を調理。
あくまでも一皿ごとの盛り付け(!)にこだわるカティ。
だが…とにかく手が足りない。
施設長に相談。
入所している少年たちを手伝いに使うことに。
「何人くらい必要?」
「3名位」
ところがフタを開けてみれば、10名も集まってきた。
しかもその10名、料理に関して「ど素人」。
彼らにあるのは 「好奇心」。
足りないのは… 「知識と経験」。
”基本から教えなければ”
こうして、否応も無く料理指導が始まる。
階を重ねていく内、カティにも次第に分かってくる。
# みんな料理に対して素直な感受性を持っていること
# 成人までに無職だと元の国に強制送還されること
実は自分も施設の出身だったカティ。
次第に指導にも熱が入り始める。
そんな中
施設長が職業訓練の一環で「調理師コース」を開設する話を
まとめようとしていた。
その動きを支援しようと、カティと少年達か行動する。
はたして彼らはしようとしているのは何…?
というお話です。はい。
◇
一匹狼の女シェフと世界各地の移民たち。
フランスは移民大国らしいのですが、それゆえの
様々な問題も少なくないようです。
その移民問題をお話のテーマにし、
現実問題を訴えつつ、未来への希望へも光をあてる。
そのような作品になっていました。
基本的にコメディタッチです。なので
余り深刻な展開にはなりません。
一部の子は料理人見習いとして仕事に就けフランスに残れた
ようなエンディングでしたが、本国に強制送還されてしまった
移民の子の方が多そうな感じでもありました。・_・;
やはり現実は、移民に厳しいのかもしれません。
◇最後に
実在のシェフがモデルになっていると後に知りました。
実在シェフを演じた役者さんの紹介を読んでいたら
「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」
にも出演していたとの事。
確認してみましたが、役名の記載はありませんでした。
何の役だったのかな。気になります。
(もう一度観てみようかな)
それと、タイトルになっている「ウィ・シェフ」
「ウィ」という言葉が優雅な響きで、なんかいいですね。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
時系列の移し方に感動。
作中何度か時系列を巻き戻したり(何だったら最初が…)するのですが、それがとてもさり気なく気付いたときに思わず感動してしまう程でした。出てくる少年達がいわゆる非行少年でないことも話のポイントかと思います。心情の移り変わりなどエピソードがもうちょっとほしいと感じもしたのですが、そこは前後の文脈から好きに注ぎ足してあなたの料理として楽しんでほしいという制作側からの粋なメッセージなのかなとすら思ってしまえるくらいには良い作品です。
考えさせられつつ前向きにさせてくれる映画
どんな作品が楽しみだったが、予想以上に良かった作品。考えさせられるテーマでもあり、きっかけを掴めば青少年たちも笑顔になる前向きになる作品。移民問題はヨーロッパではどうしても問題になる。現実も直視しつつ色々考えさせられた。また、一人の女性シェフが移民の青少年教育施設に来て料理の楽しさ・厳しさを教え青少年たちに希望を与える。これもいいなあとつくづく思った。終盤は全く思いつかなかったシーンで面白かった。フランス映画今年はいい作品が多い。ウィー、シェフもその一つ。
それっぽいけど雑過ぎ
120分作品の予定で編集してたら、締め切り間際に「あれっ?これ100分納品なんですけど……」って言われたりしたのかな、と思うほどの、後半怒涛のドタバタバタバタセカセカ展開。急激なスピードアップで、完全に事故ってる。ワイルドスピードですわ。
話の大筋や設定はいいと思うのだけど、人物の感情やストーリーの起伏の描き方がかなり端折り気味で勿体ない。もう少しことの経緯やきっかけを丁寧に描いてあげないと、わからんことはないけどグッとこない、という感じで。
製作陣に力がないとも思えないけど、撮影の安定感に誤魔化されているかなぁ。作品がストーリーを追うことに必死になっているのは、約100分という短い上映時間のせいだけではないと思います。
あとご飯映画なのだから、美味しそうな料理がたくさん見たかったなー。
最高でした
移民問題も提示してはいるものの、テンポの良さから終始重くなりすぎない脚本と演出がすばらしかった!
カティの過去と難民の少年が重なっていき、頑なだったカティがどんどん少年たちと絆を強め変わっていく姿に思わずうるっと…
クライマックスに向けての料理番組の流れはたたみかけてくるのでかなり声出して笑っちゃいましたが、いけすかない女の番組を利用し少年たちの居場所を作る踏み台にしたかったんだなと見終わって腑に落ちてまたちょっと泣きました。
ギュスギュスが~本当にかわいい~😭
子ども達の演技が素晴らしいと思ったら
オーディションで集められた本物の移民者で、演技は素人らしいです。モノローグで彼らの身の上が語られるシーンは、多分事実をそのまま語らせているんじゃないかと思います。子ども達は成人を迎えるまでにフランス語を習得して就学しなければ送還されてしまいます。彼らは現実でも崖っぷちにいるのです。それを踏まえて見るとだいぶ印象が変わります。主人公は生い立ち故、他人にも自分にも厳しいのです。だから子供たちとも一悶着あるのですが、子供たちの境遇を知るたびに徐々に心を開きあって行く様が心温まりました。
予告編では調理学校を立ち上げるために施設を挙げてテレビの料理コンテストに挑む…という印象を受けました。でも全然違いました。コンテストに出るのは主人公のカティだけですが、動機もねらいも予想の斜め上でした。カティにも番組オファーはあったのですが、彼女は当初「くだらない」と書類を破り捨てました。テレビの軽薄さは日本もフランスもあまり違いは無いようです。しかしそのいやらしさを逆手に取ってあの結末に持っていくとは。いやいや、一本取られました。「八方丸く収まり、みんな仲良くフランスで過ごしましたとさ」とはならないのですが、それがこの映画の深みだと思います。
ちなみに料理はそんなにたくさん映りません。でもカティの前菜は、透き通った飴かゼリーのように美しい。あれは全て野菜のはずですよね?ハイビスカスと蜂蜜が使ってある前菜、食べてみたいなあ。
いつかきっと輝きながら⭐️
「どんなご馳走が拝めるかなぁ」と食い気満々での鑑賞!
が、強制送還ギリギリの移民少年達と人付き合いが苦手な腕利きシェフのカティ(オドレイ・ラミー)を軸に進むリアルな社会派ライトコメディでございました…わたくし反省💦
実際に施設で生活する少年達がオーディションを経て出演しているとの事
なるほど!
彼らのリアルそのものの演技にも納得した!
映画出演により俳優業を目指す者や本物の料理人になる者が出ればこんなに素晴らしい事はない!そんな輝きと希望を繋げた映画の力は伊達じゃない!
心が満腹になった希望と笑顔多き作品でした!
施設の代表役フランソワ・クリュゼは初日にアキレス腱を断裂しながらも撮影を続けたと後日耳にした
どれ程不自由でキツかっただろう…
そんな逆境の中、人間味溢れる館長を優しくユーモアたっぷりで演じた彼の役者魂に頭が下がりました
腹が減った
フランスらしい、知的な毒(エスプリ)を調味料に使った、面白コメディに仕上がってました。
孤児らの施設育ちの女性シェフが、強制送還の危機に瀕する移民の子たちが自立できるように、料理やレストランマナーなどを教えていく話なのだが……
シェフは自分のレストランを持って独立することを目指していたのに、移民の子たちに肩入れしていくきっかけ描写が薄いんで、その点はわかりにくい。
たぶん、自分の境遇と、社会で爪弾きにあう移民の子たちを重ねてしまったのだろうが、回想だけでなんのシンクロも見せないから、観客に「考えろ」「感じろ」と押し付けている形になっちゃっているのが、難読を招いたような。
まぁ、そこはすごくフランス映画らしいのですけれども。
ラストの展開は、ちょっと強引すぎでしたが、社会風刺的意味合いと、笑いに振ったところではアリかな?
ところで、畑からとった野菜をそのまま調理する描写が実に美味しそうな飯テロ映画でもあり、観ながら猛烈に腹が減りました。
みんなキャラが濃くて良い!
主人公のカティさん、尖ってそうで最初からけっこう優しい人でしたw
そして、子供達も以外と無邪気で素直。移民の子供の施設ということでもっと問題児が出てくるかと思いましたがそうでもなく、ほのぼの系です。
強制送還されてしまうのは悲しいけど、ほろりと泣ける程度かな。
ストーリーもシンプルだし、上映時間も90分ちょいなのでサクッと見れます。
最高!
GW明けの平日の昼間なのに満席です。もう主人公のカティマリー役のオドレイラミーが世渡り下手のやさぐれシェフ役で素晴らしい。また最強のふたりのフィリップ役のフランソワ・クリュゼも歳を重ねてさらに良い味を出してます。もう最高の作品でした。
料理の楽しさを知る
移民の問題が折り込まれていて
どちらかと言うとそちらが重要性が
大きな意味をもっている作品
シェフの仕事は移民の支援施設の
…賄い料理
レストランの出てくる用な料理が
一人ひとり皿に出されてくる
レストランで食べている気分です
何時しかシェフに
料理を一から習うことに。
シェフの行動で
彼らの人生が大きく変わる
とても感動を呼ぶ展開…
料理の内容が
ちょっと物足りなさも感じる…が
”ウィ.シェフ”と皆で言う
声の…響きが心地いい。
最高のチーム
「LA BRIGADE」という原題は直訳は「旅団」という意味らしい。
そこから分隊、チームや組という意味になるそうだ。
レストランは1人では出来ない。
料理を作ってもそれをさらに美味しく説明出来るホール担当が必要で、特にオーナーシェフともなれば親方さながら統率が取れなかったら成り立たない。
しかし、フランスの移民問題にはこのような部分があるんだな。
移民との融合の可能性をユーモアを交えて語る作品
親元を離れた未成年の移民に教育を受けさせ、フランスに定住させることを目的とした自立支援施設で働くになったオドレイ・ラミー演じる女性料理人・カティの奮闘を描いたお話でした。彼女の頑固で一徹で、そして愛すべき生き方もさることながら、社会としていかに移民と暮らしていくのかというテーマを主題としつつ、フランス映画らしいユーモアを交えた良作でした。
ストーリーはと言えば、一流レストランでスーシェフとして働いていたカティが、同じく女性シェフと喧嘩別れして辞めてしまうところから始まります。最初は同業他社に売り込むものの、中々再就職の口がなく、仕方なく自立支援施設の食堂で働くことに。はじめは単に食堂で料理を作って生徒たちに食べさせるという仕事でしたが、料理へのこだわりがあるカティは、レストランさながらに手を掛けて料理をします。そのためやたらと時間が掛かってしまい、ランチが出るのも2時過ぎ。それでは困るというので、有志の生徒に料理を手伝って貰うことになりますが、やがて彼らに料理を教えることに。さらには、料理の技を身に着けることが職業訓練にもなることから、本格的な料理教室へと変わっていくことになります。
中にはカティに従わない生徒もいましたが、徐々に距離を縮め、またカティが生徒の性格や技量を把握して適材適所で人員を配置していくことで、チームワークが高まっていく様子に、こちらの高揚感も高まって行きました。そしてこの様子こそが、この映画のテーマでもある移民との融合ということであり、それを象徴的に描いた展開だったのかと思います。
因みに邦題では「ウィ、シェフ!」となっていますが、フランス語の原題は「LA BRIGADE」、英語の題名は「KITCHEN BRIGADE」となっています。「BRIGADE」とは軍隊用語で「旅団」という意味だそうで、フランスのレストラン業界では、自分たちの業務を軍隊に準えて使われる言葉のようです。日本語に直訳すると、「キッチン旅団」とか「厨房旅団」ということになりますかね。邦題も「キッチン旅団」で良かったんじゃないかと思いもしましたが、軍隊でいうところの「Yes Sir!」をレストランの厨房に当てはめると「ウィ、シェフ!」になるので、中々考えられた題名だなと感じないでもありませんでした。
話は映画から離れて我が日本の現実社会に目を向けると、先ごろ入管法の改正案が衆議院を通過したという報道がありました。これは移民というよりも難民の話がメインのようでした。法案の詳細は他に譲りますが、そもそも日本の難民認定率は従来1%にも満たず、他のG7参加国が二桁台なのと比較すると、非常に低い数字です。しかも難民認定されるまでは不法入国者として長期間拘留されることも多いようで、しかもその扱いも酷く、2021年には入管施設に収容中のスリランカ人女性のウィシュマさんが死亡するという事件も発生しました。
本作のような移民との融合という姿勢がフランスの全てだとは思いませんが、こういう姿勢が少しでも日本政府にもあれば、ウィシュマさんのような悲劇は起こらなかったんじゃないかと思います。
まあ「日本は外国とは違うんだ」という意見もあり、それはそれで一理あるとは思いますが、普段は「民主主義、法の支配、基本的人権を尊重する」とか言ってるのに、やってることはどこかの全体主義国家と大差ないという矛盾した状態は解消されるべきではないでしょうかね。
話が随分とずれてしまいましたが、移民問題というどちらかと言えば重い話を主題にしつつも、明るさや軽妙さ、ユーモアを交えた作品になっていたのは非常に良かったと思います。
舌鼓を打つ
楽しげなポスターを観て気になったので鑑賞。
移民の子供たちが集まった施設に、前職のシェフを辞めて自分の店を建てるための開業資金を貯めるためにやってきたカティと子供たちの交流、葛藤を描く物語。
全体的にもっとポップな描き方なのかなと思っていましたが、移民問題をしっかりと取り上げますし、陽気な音楽はそこまで鳴らないので思っていたものとは違いましたが、なかなか良い作品でした。
最初は反発していたカティと子供達ですが、最初から懐いてくれる子もいれば、徐々にというか急激に距離を詰めたりして、料理の作法・手順を学んで、それを学習にも活かしていくという流れが素敵でした。
子供達もどんどん笑顔になっていきますし、料理する立ち位置をサッカーのポジションに例えてもらってからはウキウキで楽しそうでした。こういうの観たかったんだよなぁって感じの絵面でした。
移民問題の複雑さもしっかり描かれており、18歳を超えていたら強制送還、移民は冷遇されて職や進学も怪しいという、様々な問題を抱えた彼らにとっては辛い状況だろうなと思いました。
もう少し簡潔に描いてくれれば良かったんですが、途中途中入っては料理を作り…の流れが多かったので、移民の部分はしっかり一つ描き切って欲しかったなというのが本音です。
「THE COOK」という番組にカティが出て、他の料理人と戦ったりしますが、イマイチこの番組のルールやどう勝利するのかの基準が分からなかったので、この番組が展開されていた場面はピンとこないシーンが多かったです。
ディレクターサイドの声や、司会者が慌てまくるシーンも多く映されていましたし、子供たちがなぜか厨房に立っててカティは家で見てるという不思議な構図。中盤まで高まりが良かっただけに、このシーンは失速したなと思いました。子供達の進路が一気に開けていったのは良かったです。
カティ自身も施設で育っており、そこからシェフへの道を歩き出したので、子供達の境遇にとても寄り添いますし、子供達の育成に協力して子供達のための調理学校まで作り上げる(施設の責任者の手伝いもありつつ)と、ある種自分の店を持つ夢を叶えて終わる感じは、唐突かつ急ぎ過ぎな感じもしましたが、大団円なのでスッキリした終わり方でした。
もっと料理が美味しそうだったらなぁとは思いましたが、100分未満の尺でサクッと観れるので満足度は高めの一本です。
鑑賞日 5/11
鑑賞時間 12:40〜14:25
座席 E-12
洗い場はキーパー
カティも子供たちもそれぞれ事情があるだけで、コミュニケーションを取れば歩み寄れる。
変遷はやや性急だが、気持ちのいいキャラクターばかりです。
レシピが変わっていなかったところを見るに、元の店のシェフも悪い人ではないのかも。
サッカーに例えて指示を出すカティ、調理や食材に関わることわざを学ぶギュスギュス。
そういった、相手を理解し寄り添おうとする描写が非常にお見事。
明るくなっていくみんなの表情に、ノリノリの挿入歌で自然と笑顔になれます。
子供たちはもちろん、ロレンゾ、サビーヌ、ファトゥも魅力的で、もっと見たい。
夢を語るジブリルの瞳が印象的だっただけに、アッサリ送還の流れは哀しかった。
最後は賞金で店を出し、みんなを雇うのかと思ったら。。確かにそれだと数人しか救えないですもんね。
ご都合主義かつ番組構成が分かりづらかったが、結局送還されたメンバーも多く、苦味もあり。
指導者であり母のようにもなったカティは、人を笑顔に、幸せにする料理の原点に立ち返る。
子供たちを実際の移民から選んだところからも、この作品が軽いだけのコメディでないことは分かる。
しかし、重くならず爽やかに見せるバランスが絶妙な秀作でした。
移民の問題を扱いながらもほのぼのしてしまう
フランスでは移民がらみの映画が定期的に作られる。それだけ移民を受け入れていて社会問題にもなっているからだろう。本作は移民の若者たちを支援する施設で働くことになったシェフの話。
コミュニケーションにも苦労していたのが、厨房の手伝いをさせていくうちに親密になるという定番な流れ。チームの結束が強くなっていくこの手のフランス映画好きなんだよな。
料理対決のテレビ番組への流れとか、前の職場だったレストランに食事に行くシーンとかちょっと流れがわかりづらいのは残念なところ。短めの上映時間なんだからもう少し丁寧に描いてもよかった気がする。成人するまでにフランス国内で就業できなければ国外退去になるという制度があって、安易なハッピーエンドとならないのも少し驚いた。甘くない現実を反映してのものかもしれない。でも、最後のシーンが強引なのにそれはそれで悪い印象とはならなかった。
全59件中、21~40件目を表示