「サバゲーに興じるカイロ・レン」65 シックスティ・ファイブ ハルクマールさんの映画レビュー(感想・評価)
サバゲーに興じるカイロ・レン
にしか見えませんでした、すみません。
惑星ソラリスに住む宇宙船パイロットのミルズが、重病を患う娘の治療費のため、2年間の宇宙探索の仕事を引き受ける。宇宙空間を移動中、宇宙船が自動運転中に小惑星群に巻き込まれ、ミルズが手動操縦に切り替えるも衝突は避けられず宇宙船は大破し、ある惑星に不時着してしまう。
その惑星とは6,500万年前、つまり白亜紀後期の地球だった。
大破した宇宙船から命からがら脱出したミルズだったが、移動中冷凍睡眠状態だった乗員は全員事故で死亡。かと思ったら一人だけ生命反応があり、冷凍ポッドに向かうとそのポッドでは娘と歳の変わらない少女が眠っていた。
果たして、二人はこの恐竜時代の地球から無事脱出できるのか?
正直に言います。惑星ソラリスがもう地球でしかなく、惑星の人たちの身なりも生活ぶりも何もかも、もうガッツリ地球です。普通に海辺にたたずむ家族の風景から始まるけど、これ地球じゃないんだよね?と受け入れるのに時間がかかる。治療費のためってのも宇宙人の言い草とはとても思えない。
不時着後の地球。なんならこっちの方が若干の異世界感がある。一応、惑星ソラリスは結構進んだテクノロジーが色々あるようで、ちょいちょい未来グッズみたいなのが出てくる。
でも、森の中をリュック背負って走り回っているミルズの姿は、なんとなくサバゲーに興じているようにしか見えず、またミルズもそのイケズっぷりも含めてカイロ・レンにしか見えてこず、冒頭の言葉となったわけです。
物語は宇宙船が墜落した現場から、宇宙船の他のかけらがある15km先までの森林が舞台。白亜紀なので当然恐竜くんたちも出てくるのですが、なんか小ぢんまり。ペットの犬猫サイズの恐竜から大きくても大型ワニサイズがメイン。たまにグワーってでかいのが出て来るけど、総じてこんな恐竜いたっけ?みたいなヤツ多し。
スケール感、そうこの映画に欠けているのはスケール感なんだと思う。
惑星ソラリスを思い切り宇宙要素盛り込んだ世界に造り込んだり、白亜紀末期の地球にいる恐竜たちも人間がちっぽけに見えるような壮大な草食恐竜たちも出してみたり。
まあ、1時間半ちょっとの尺に入れることを考えたら、このぐらいのスケールでもええやんって事なんだろうけね。
製作サム・ライミってあって、オヤ?っと感じた。この人この手の作品手がけるんだっけ?それとも、お得意の名前使っていいよーってヤツだったのかな…。
共感&コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり、地球を舞台としたのにそれが活かされないのが、本当にもったいないというか、意味がないというか、とにかく残念ですよね。せめて現代につながる何かがあるとよかったと、私も思いました。