ピストルライターの撃ち方のレビュー・感想・評価
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撃ち方よりも撃たれ方
原発事故の起きたどこかの田舎町で、ヤクザの下請け運転手をするチンピラと、刑務所帰りの友人と、男の作った借金を返す風俗嬢が一緒に暮らすことになる話。
除染作業をするタコ部屋に行く人たちを運ぶ運転手をする主人公が、刑務所帰りで行く宛の無い旧友に家に来いと声をかけ、そしてヤクザから風俗嬢の見張りを言い渡されて、と実家での同居が始まって行く。
タコ部屋の労働者を含め、必死に生きている感じがないので悲壮感が全然無くて、しかもダレも所謂スジを通す様な素振りも無し。
なるべくしてなったスードラ人生の、スードラ同士のマウンティングとでも言う感じですかね。
一応最後は登場人物のほぼ全員に動きもあったし、哀しさもあったけれど、もっと振り切って欲しかったかな。
そういえば、そのライターを持ち歩く人は見たことないです。
肩で切る風の冷たさが伝わってくる映像
タツヤは地元の同級生、仕事の上役、仕事の送迎対象など、様々な相手を見て「自分はあいつらとは違う」と言う。最初は粋がって使われていたその物言いが、後半別の意味に転化していく様が悲しい。
彼が「あいつらとは違う」のは外の世界を知らないからなのか、彼の非情になりきれない心根の優しさなのか、それとも変わることを恐れる臆病さ故なのか。
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