「教会とか更生施設とかには行かないのか」To Leslie トゥ・レスリー かばこさんの映画レビュー(感想・評価)
教会とか更生施設とかには行かないのか
アンドレア・ライズボローの演技が圧巻。
アメリカ社会ではアルコール依存症がポピュラーな社会問題で、対策や対応が一般の人にも浸透している側面があるようで、教会なども手助けしているようだ。
レスリーの救世主のスウィーニーも元奥さんが元アルコール依存症、どうりでレスリーの扱いが手慣れている。
一人息子ジェームスも、母を愛しており支援はするが依存されるのはお断り、自分と母の人生は別なので僕の人生を侵食するな、自立せよ、と宣言してその通りにする。家族に依存症患者がいる人の「正しい対応」だと思うが家族幻想が根強い日本ではなかなかこうはいかないだろう。日本でも家族の犠牲にならないことが許容され、普通の考えになればよいのにと思う。
あるいは、育ての親ナンシー夫妻がそう教育したのかも。
彼女たちがレスリーに置き去りにされたジェームスを愛情深くきちんと育ててくれたことは、ジェームスが働いて自らを養うことを誇りに思う真っ当な社会人で、常識的で歪んでいないのを見れば分かる。ふたりにとても懐いているし。
宝くじに高額当選したら絶対他人に言うな、とよく言われる。
他人に集られたり食い物にされたり、妬まれたりして人生誤りがちらしい。
19万ドルだと、2,300万円くらいなので40歳代くらいなら一生困らないほどでもない。老後の資金の足しにするくらい。それでも舞い上がってしまうシンママのレスリーは育ちも頭も良くないのが透けて見える。
実母はバプティストで石頭、夫のDVに耐えかねて離婚したようで恐らく人生不幸の連続でアルコールに逃げるしかなかったのだろう。でもって宝くじの高額当選で当面働かずに飲んだくれても大丈夫な環境ができ、あとは依存症一直線か、または当選前からすでに依存症で、それがエスカレートしたのかも。
依存症になると、飲酒問題を否認、自己中心的で悪いことは人のせいにする、また自責感が強くなるなどあるようで、レスリーもそういう傾向が顕著。手を差し伸べるスウィーニーは元妻がアルコール依存症だったことで理解が深く、シングルで子どもたちは独立、孫までいる。こんな都合良い救済者が現れてしまうのにちょっとしらけた。
彼女がスウィーニーに甘えてダイナーをオープンできたのは、レスリーが女として魅力的だったからではないでしょうか。
ナンシーと和解し、息子もやってきて一応のハッピーエンドだけけど、ダイナーがこれから存続できるかどうか分からない。失敗したらまた酒浸りになるかも。危うい。今後はレスリー次第なのだ。
ひょうひょうと生きているようなロイヤルはネイティブアメリカンで、恐らく子供の頃から嫌な目にあってきたのだろう、奇行(に見える)で気を紛らわせてきたのでは。
奇行は、体に優しい依存対象なのかも。
コメントありがとうございました。かばこさんのレビューのおっしゃることはごもっともです。でも、アタシあんまり気をつけていませんから〜 鋭いレビュー多いので、フォローさせていただきます。とりあえず、パスト·ライブス観てみます。