「米国テキサス州の小さな町。 シングルマザーのレスリー(アンドレア・...」To Leslie トゥ・レスリー りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
米国テキサス州の小さな町。 シングルマザーのレスリー(アンドレア・...
米国テキサス州の小さな町。
シングルマザーのレスリー(アンドレア・ライズボロー)は、ナンバーズ宝くじに高額賞金(19万ドル(2500万円ほど))当選して町の有名人となり、人生の再起を賭けたが、近隣住民へ振る舞い(特に酒として)、自身の飲んだくれによって、あっというまに賞金はおろか住むところまで失ってしまう。
6年経った現在では、安手のモーテルで寝泊まりしているが、それも宿泊代金が払えなくなって追い出されてしまう。
一旦は19歳の息子のシェアルームに身を寄せるが、シェア者の金を盗んで飲み代に変えたせいで、同居することができなくなる。
仕方なくたどり着いたのは、もとの町。
ほとんどホームレス状態だったのだが、たまたま野宿した安手のモーテルの駐車場で中年従業員のスウィーニー(マーク・マロン)と出逢い、彼がモーテルの共同経営者だったことから、レスリーは住み込み従業員としてモーテルで働き始めることになる。
とはいえ、順風満帆にはほど遠く、彼女のアルコール依存癖は止まず、また、彼女の過去を知る街の住人たちは、微妙に、時にあからさまに彼女を叱責・排除・笑いものにする。
が、彼女の過去を知らない、他所からの移住者スウィーニーは、可能な限り優しさをみせて、彼女と接する・・・
といった内容で、女性の生きづらさのドラマのようにみえて、その実、オーソドックスなアメリカ映画。
つまり、「生きてりゃ、そのうちいいことあるよ」。
そういうことを、かつてのアメリカ映画では繰り返し繰り返し描いてきた。
なので、個人的には、「あぁ、懐かしい類の映画だなぁ」と感じました。
ま、兎にも角にも、アンドレア・ライズボローのダメダメ人間演技が堂に入っているのに圧巻されるわけだけれど。
本作、彼女にとって、シルヴェスター・スタローンの『ロッキー』のような作品になるかもしれません。
『ロッキー』がアメリカンニューシネマ末期に登場した古きアメリカ映画の伝統という意味で、本作も超人ヒーロー映画全盛の米国映画界で登場した古きアメリカ映画の伝統という意味で。
なので、悪いひとは登場しません。
一見、悪く見えても、その実、優しい・いいひとなわけです。