「ノミネートに関する「すったもんだ」」To Leslie トゥ・レスリー TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)
ノミネートに関する「すったもんだ」
このところ、少々忙しかったせいか「あ、忘れてた」ということ2、3つ。。いけません。その一つがこの作品、気づけば2週前に上映が始まっていて、スケジュールの都合から平日のサービスデイを諦め、本日土曜日に角川シネマ有楽町で鑑賞です。(それでも会員価格)
本作を知ったのは第95回アカデミー賞のノミネーション発表時、アンドレア・ライズボローが主演女優賞候補になったことがきっかけです。そもそも、アンドレアのことは認識していたものの、正直、名前までは憶えていなかったのですが、その後に彼女のノミネートのことでの「すったもんだ」が話題(雑音)になったこともあり、余計にその「主演女優賞候補の演技」を楽しみにしていました。で、鑑賞後の感想ですが、確かに凄まじい演技でノミネートされたことを納得できました。
酒に溺れ、人生を狂わせるレスリー(アンドレア)。誰かに手を差し伸べられても、ついつい酒に戻ってしまい、結局また相手を裏切ることを繰り返して追い出されます。「バカは死ななきゃ治らない」なんて言葉もありますが、観ているこっちは、いつ死んでもおかしくなさそうなレスリーをハラハラ、イライラ観るしかなく、もどかしかったり幻滅したり。さらには、自身の自業自得の言動によって狭い地元に「居場所」がなく、しらふでいてもカラまれることでまた悪循環。
いや、もう正直非常に疲れる展開ですが、そんな過酷な脚本に対するアンドレアの演技や彼女の体つきそのものが「レスリー」という人物像に説得力を感じさせてくれるからこそ、これだけの感情移入なのだと気づかされます。
と言うことで、観終わればノミネートに関するすったもんだ(省略しますが、知らないけど気になる方はググってね)についての「問題提起」の意味について少しは理解できた気がしました。ただ、日本での宣伝や上映規模など扱いは(それでも)小さいことからも解るように、私の文化にみる「現代的な価値観」は海外作品から知ることが殆どです。と言うことで、作品の内容とも相まって、深く考えさせられる作品でした。
さぁ、私も今日くらいは休肝日にしようかな。(出来るかな?)