法廷遊戯のレビュー・感想・評価
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高評価の意味は?
原作を先に読んでから映画を見ました。
原作を超える映画は無いと思うからです。
この判断は正しかった。何故このような高評価に
なっているのか全く分かりません。
主演の役者さんの人気票だとすると、このサイトの
点数は当てにならないなと。
とにかくつまらない。主役の男の人は終始能面の
ような演技。登場人物の誰にも感情移入出来ません。
あの出来の良い原作で映画がこれとは。佐沼の
キャラクター、主人公とヒロインの関係性。
無辜ゲームの行われる場所。全てが分からない。
あんな空き地では意味が無くなるのでは?
原作を読んで知っていると途中で見るのをやめようと
何度も思いました。
しっくりこない
ロースクールで同級生だった、清義、美鈴、馨。卒業後、馨に呼び出された清義は、死亡した馨と立ちつくす美鈴を目にする。容疑者となった美鈴は清義に弁護を依頼するものの、何も語ろうとしない。三人の過去が判明していく。
原作は読んでいません。設定がしっくりこなくて、復讐としては時間と手間をかけ過ぎてると思いました。本なら納得いくのか、映画化に無理があるんじゃないかな。
演技力
死んでしまった父親の冤罪を晴らそうとする馨。法律を熟知した彼の完璧な復讐劇。殺されるかもしれないことを承知での復讐劇。それにしても美鈴と清義が復讐の対象者と分かったうえで、友達として仲良くしていた馨、辛かっただろうな。美鈴をまもりたい清義と、助けてくれた清義を守りたい美鈴それぞれ辛い過去があり気の毒な若者たち。殺さないはずだったのに殺すことを選択した美鈴、女はやはり怖いなあ。
ストーリーもとても面白いが、この映画は杉咲花と北村匠海の演技力がさらに映画の価値を上げている。あまり期待していなかった永瀬廉もなかなかよかった。
オチに意外性があったからって、だからなんなん?
株の桐谷さんが面白いってコメントしてたのと、評価がまぁまぁ良かったので見ました。
推理モノかなぁ?と思ってたのですが、
別に推理とかもたいしてなかったですね。
オチにどんでん返しがあって
意外性が面白い!
って、感じなのでしょうけど。
私にとっては「意外性があったからって何なの?」って内容で、正直つまんなかったです。
ヒロインに人生狂わされた3人の男たち、ただただ不憫でしたね。
ヒロインの人生に同情の余地はありますが、だからといってヤバい子に仏心出して自滅はなぁ。。
「面白い!」って言ってたので期待したんですけど、私が思う「面白い」では無かったです。
内容つまんなかったし、
ヒロインのメンヘラ度合いと、オチが不快でした。
原作はどうだったのでしょうか?
司法修習生時代の同期同士の殺人事件の弁護を引き受けることになった主人公の苦悩を描く物語。
五十嵐 律人原作の推理小説を映画化。
主人公の永瀬はキンプリのメンバーなんですね・・・知りませんでした。男女問わず、アイドル映画は鑑賞対象にはしていないので(ももクロを除く)、その意味ではイレギュラーな鑑賞でした。
映画全体は、シリアス。主人公・被害者・加害者・・・各々の悲惨な過去と、そこから生まれる悲劇をしっかりと繋げています。
ただ、それでも、設定としては無理があり過ぎるのも事実です。
因縁の3人が司法修習生の同期になる・・・っていうのも偶然にしては出来すぎですし、被害者の結城馨が自分の命迄かけることにも戸惑いを感じてしまいます。その設定に持って行くには、エピソードが足りないように思いました。
何より、雑に置かれたビデオカメラでは、(被害者側にとっても、加害者側にとっても)都合良く撮影されているとは限りません。加害者側は、事前に映像を確認することは可能でしょうが、その描写はありませんでしたし・・・それをした場合には、カメラに彼女の指紋と血糊がべったりと付いてしまうわけで・・・そんなカメラを警察が回収したら、大切な証拠として裁判でも重要な論点になっているはず。そのICチップを弁護士隠していた・・・となったら、証拠として採用されるかどうか甚だ疑問に思えます。
カメラを隠すことも可能でしょうが、それが出来るのであれば、逃亡した方が早く確実でしょうし。
また、自殺したのか他殺なのか位は、現代の法医学なら刺し傷を見れば一目瞭然でしょうから、実際に自傷した場面が映っていない映像で自殺に切り替わるのも無理があるように思います。
なまじ、シリアスに寄せてしまった為に、粗が目立ち過ぎた作品のように感じました。
私的評価は厳しめです。
個々の演技は素晴らしい
杉咲花ちゃんが大好きで。迫力あったな。振れ幅が大きく色々な顔が観れた役だった。
みれいは、とっくに壊れてしまっていた。せいぎが全てで、彼以外はどうでも良かった。彼以外の全てを憎んでいたのだろう。勿論冤罪はあってはならないが、もし、痴漢にあわなければ、ネグレクトも虐待も乗り越えてせいぎと幸せになる未来もあったのかも知れないと思うと居たたまれない。
せいぎを失って彼女は自殺するのだろう。目には目を。自殺には自殺を。全てはゆうきのストーリーの中。
罪の問いと司法の在り方の為の無辜ゲーム
続けて永瀬廉主演映画を。
別にファンだからって訳じゃないからね。
Netflixで『余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。』見て、そのすぐ後たまたまTSUTAYAの宅配レンタルで本作が届いただけだからね。
法廷サスペンスは好きなジャンル。
しかし本作は杉咲花ら実力派を配しているものの、主演はアイドル・永瀬廉でキャストも比較的若く、ストーリーも法科大生がロースクールで行う模擬裁判とやらで、何かちょっとコレジャナイ感が…。よって劇場スルー。
しかし見てみると、司法への矛盾点や疑問に切り込んだ、思いの外骨太なリーガル・ミステリー。
いつもながら、先入観は良くない。
事の発端はロースクールで行われる模擬裁判、“無辜(むこ)ゲーム”。
聞き慣れぬ言葉の難読漢字だが、罪の無い事、またその人を指す意味だとか。
無辜ゲームの発起人であるエリート生の馨がナイフで刺され、息絶えて発見された。
その傍らには、血の付いたナイフと返り血を浴びた同級生の美鈴が。
彼女と幼馴染みで司法試験に受かったばかりの清義(きよよし=通称“セイギ”)が弁護を担当する事に。
無辜ゲームが本当の裁判へ。一見単純そうな事件に見えて、実はその裏には、3人の過去と目的と執念が複雑に絡んでいた…。
幼馴染みの清義と美鈴。同じ養護施設で育った。
守ってくれる筈の大人たちに守って貰えず。親からのDV、施設長の性的悪戯…。
まるで反発するかのように、大人たちをターゲットにする。
電車の中などで美鈴が痴漢に遭ったフリをする。二人でターゲットの大人を問い詰め、金で解決させようとする。
ある日のターゲットの男。思わぬ事が起きて美鈴と男は駅の階段から落下。
一命は取り留め、男はリハビリに励むも、世間からバッシング。男は自ら命を絶つ…。
清義と美鈴は知らなかったのだ。男が警察官であった事。馨の実の父だった事…。
清義と美鈴による冤罪。
馨は父の無実を証明したい。二人に復讐を。
ロースクールにばら蒔かれたチラシ。昔ある養護施設で施設長を殺したのは、清義…。
美鈴の家には盗聴が…。
いずれも馨。
しかし馨は死んだ。事故か、殺されたのか…?
その真意が、隠しカメラの“無辜ゲーム”に収められていた。
対する美鈴と馨。ここで馨は因縁と目的を打ち明け、驚きの案を…。
馨の目的は父の冤罪の再審請求。が、そんな事は無理。何故なら、一度立証された案件の間違いを国が認める事になるからだ。
そこで美鈴に自分を殺すよう仕向ける。美鈴に殺人容疑が掛けられ法廷に立ち、この件の重要案件として父の冤罪事件も再び公に出す。そこで父の無実を証明する。
隠しカメラの動画から馨の死は事故であり、美鈴の無実も証明された。
全ては馨が仕組んだ事。それはまんまと成功した。
が、ここで疑問が。再審請求は被告人の配偶者か直系の親族しか出来ない。
馨の父は離婚しており、馨が死ねば再審請求出来ない。本当に馨が死ぬ必要はなく、殺人未遂でも良かった。
当初の目的通り再び日の目に当てられる事になったものの、馨の死は不運な事故だった。
本当に事故だったのか…?
二転三転の“三転”。
馨の死は事故ではなかった。殺意を持って。
美鈴と馨の父はトラブルあって階段から落ちたとされていたが、そうではなかった。傍を通り過ぎた清義が馨の父を階段から転げ落とさせたのだ。
それを見ていた者がいた。駅に父を迎えに来ていた馨。
無辜ゲームや仕組んだ裁判は、“無辜”である清義の罪を問う為。
こここそが、馨の真の目的であった。
それを知った美鈴。清義に罪が及ばぬよう、提案を利用して馨を殺害。
全てを知った清義は罪を償おうとするが、美鈴はそれを留めようとする。
清義は私のヒーローなんだよ、と…。
公開時観るのを躊躇した若手キャストだが、熱演を見せる。
永瀬廉は『余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。』の等身大の好青年像とは違うシリアス演技。
それも悪くないが、やはり実力派の二人。
北村匠海はキーパーソンとして印象的に。
前半は控え目に。徐々に真意が明らかになり、豹変する様は、さすが杉咲花。
若手キャストの演技バトルをたっぷり堪能させて貰った。
劇中で問うた。
無罪と冤罪の違いは…?
言い放った。
無罪とは検察が立件に失敗したに過ぎない。
衝撃でもあるが、それを言い放った者だからこそ言える痛烈な皮肉。
だから冤罪が増える。
ならばどうやって、罪を問い、無罪を立証させ、冤罪を無くす…?
我々や司法に司る皆に問う。
今一度、司法の在り方を。
3人が、司法を信じていたあの頃のように。
杉咲花さんがぜんぶ持っていった作品
予告のようなハラハラ感はあまりなく、想像とは違い淡々とした人間ドラマのような内容でした。
特段捻りもなかったように感じます。
けっこう展開が分かりやすくて、考察好きな方には物足りない作品に思えるかもしれません。
ミステリーかと言われればミステリーなのかもしれないけど、重きが置かれた場所がそこではなかったのかも。
真っ直ぐに自分の罪と向き合うことを決意した主人公、自分を犠牲にして父の冤罪を証明する息子(友人)、そして自分を幼少期から守り続けてくれた主人公への執着が激しいヒロイン。簡潔にまとめると個人的にはこんな感じでした。
杉咲花さんのお芝居が良かったから中間的な評価にできた作品ですかね。
うーん。期待以下だった。
もっとどんでん返しがあるのかと思った。思った以上に大人向けの内容であったのは評価出来る。無辜ゲームをダラダラする内容かと思っていたが、そんなことはなかった。しかしモヤモヤする終り方だった。何でこんなに評価が高いのだろう?主人公のファンが評価しているのだろうか?
動機だらけ。白夜行。
ロースクールの同級生、清義と美鈴と馨。
でも卒業後無事に司法試験に合格し、
実際の裁判では、
清義は弁護人、美鈴は被告人、馨は被害者となっていた。
ロースクール在学中に司法試験に合格し、在学中は無辜ゲームを主宰していた馨が、卒業後2年して再び最後の無辜ゲームを開くとした日に、馨は殺されてそこには美鈴が返り血を浴びて立っていた。
第一発見者となった清義が、美鈴の弁護人となる。
黙秘を貫く美鈴を清義は、美鈴には動機がないと弁護する。
それどころか、本当は動機だらけやないか!
清義と美鈴は、同じ児童養護施設の出身。
美鈴は施設員から性被害に遭っていて、
清義が施設員を刺し、清義が暴行被害に遭っていた正当防衛という虚偽の主張で無罪となった過去がある。
美鈴は養護施設に来る前に、親不在で何日も放置されたネグレクトの被害に遭っていた。
高校時代には、電車で美玲の痴漢に気付いた清義が犯人を捕まえた際、お金で解決されて味をしめ、大人を痴漢に仕立て上げてお金を得たこともある。
そしてある時、後ろに立った大人を痴漢ということにしようとした時、その大人は警官でかえって捕まりそうになる。駅の階段で「大丈夫やり直せる」と声をかけられた美鈴は、動機を持って階段から警官と落ちようとした。その時同時に、離れて見ていた清義は警官が階段を踏み外すよう引っ張った。
警官はリハビリに励んだが、裁判でも誰も警官を信じなかった。現行の警官でありながら痴漢という社会的に失った信用の大きさはとてつもなく、のちに自死した。その警官こそ、母を亡くし父と2人で生きて来た馨の父親だったのだ。
ロースクール在学中もずっと、馨は父の無念と名誉を晴らすため、復讐計画を練っていた。
清義は美鈴を守るため、
美鈴は清義を守るため、
馨は亡き父を守るため、
司法に参加する。
でも結局、その本当の動機に気が付いたのは、本人達だけ。
ロースクールでも、無辜ゲームの主催者でありながら、清義や美鈴への嫌がらせを首謀していたのは馨だった。
司法を動かせる立場が腐ると、法で裁かれる物達の人生は崩れ去る。
それに人生そのものを左右されてきた者達だからこそ、一個人の人生と暮らしを守るためにこれから奔走できることが沢山あったはずなのに。
司法に携わる者の心構えを考えさせられるとともに、
大人のせいで、人生に影を落とすことになった子供達の苦悩に辛くなる。
北村匠海が出ているからきっと深いだろうと見た作品。あまり表情の大きな変化を見せずとも、悟っているかのような思考力が既に顔立ちに現れている俳優さん。
永瀬廉は何に出ていても、目は憂いを帯びるが、演技は口先が喋っている淡々とした感じ。同世代より不器用が目立つがなかなかに態度は大きく、でももてはやされる不思議な印象。
本作での高校時代はもろに坂道くん。
杉咲花はいつも、ただの理不尽な生い立ち役ではない。
まっすぐ見つめる強く澄んだ瞳を持ちながら、
頭では先回りして考えている役がよく似合う。
馨の父は家族と別のお墓に入れられ、
馨の遺族は、会いに来た清義に馨の父のことを悪く言う。
その時の清義の描写から、あぁ馨は真相を知っていたんだと気がつく。
そこから、清義が罪に苛まれる様子もなく、弁護人として疲弊しているようにしか見えないのは、永瀬廉の演技の問題?一方で、清義が罪悪感に苦しみながらも美鈴を守るために弁護を続ける事を選択する心情がもっと描かれていたとしたら、馨がどこまでも損をする被害者で、清義と美鈴は凶悪な印象になるだろう。
そうはならず「揺れ動く若者」として見られるのは、
永瀬廉と杉咲花の若さと爽やかさがあるから。
白夜行のような展開。
本当は全然違う明るい未来もあったはずの若者3人の失われた未来を思うと、馨のいう、赦すための同罪報復は成立しないと結論が出る。
なら理不尽にはどう戦えば?それが法であって欲しいからこそ、法に怠惰や傲慢や黒い力が影響しないで欲しいのに。
そして、大人が見抜けなかったり誤魔化して、子供に犯罪の成功体験の味を占めさせてしまうことも、子供達の人生を狂わせるから、現行犯で裁かれる重要性がよくわかる。
2023年の邦画で個人的には1番面白かったです!
(完全ネタバレですので、必ず映画鑑賞後にお読み下さい)
※本来の長いレビューは時間的に不可能なので短く。
この映画『法廷遊戯』は、個人的には見た範囲の2023年の邦画の中で1番面白かったです。
この作品が優れているのはまず、
・父の名誉を回復しようと生きる結城馨(北村匠海さん)
・社会や人々に対する絶望と復讐心を持ちながら清義だけは信じている織本美鈴(杉咲花さん)
・美鈴を救いそして社会や人々を救おうとしている久我清義(永瀬廉さん)
の3人の登場人物の一貫性です。
そして3人それぞれが自身の目的(父の名誉の回復、社会や人々への復讐、美鈴と社会や人々の救済)のために法律を利用し駆使します。
私はまずこの映画の最後まで貫かれた3人(あるいは他の登場人物も含めて)の一貫性に感嘆しました。
さらにこの映画は展開がスピーディーで二転三転し、日本映画にありがちな冗長さが全くない作品でした。
エンターテインメントとしても大変優れた作品だと思われました。
そして映画の描写はディティールの点で大変リアリティある描写になっていたと思われます。
例えば途中に出てくる検事や傍聴席の記者といったちょっとした役の人にもリアリティがあり、法廷での審理も私が知る限り全く違和感なく最後まで見ることが出来ました。
かつ最後には、表層や党派的にしか見ない社会の人々や識者に対して、ナイフを突き立てる映画にもなっていました。
これは今現在も進行中の、物事を多角的に検証し見ようとしない日本の社会や識者に対する問題の現状を正確に指さしていて、現在性や社会性ある作品にも仕上がっていると思われました。
この登場人物のそれぞれの一貫性、展開のスピード感と二転三転、いま日本で起こっている問題の本質に到達している内容、などから、個人的には文句なしの鑑賞した中では2023年のNO.1の邦画だったなと思われています。
永瀬廉さん、北村匠海さんの演技も素晴らしく、杉咲花さんに至っては圧巻の演技だったと思われています。
大変面白かったです。ありがとうございました。
面白く無い
原作は割と出版されて直ぐの頃に読んだ。正直、映画向きの内容では無いと思ったので映画化と聞いて「はぁ?」と。まぁ、そのまま何時上映されたのかも気にせず、配信に来たので鑑賞。
「えっ、上映時間90分?そこそこページ数の有る本だったし、過去の話を途中で挟んだりするから90分じゃ無理だろ」と思った。まぁ、当然に色々とカットはしてるんだが、結果余計に分かり憎いし、何も伝わらない。しかも、冒頭の無辜ゲームの演出、なんかカルトの集会?みたいな描写。いっそのこと、このゲーム全部カットで良いんじゃね?って程。この序盤で、作者が伝えたい事は他のシーンにセリフで入れれば済む程度だし。
結局、演出だけ妙に凝って、中身を削ってるからミステリーとしても中途半端。(まぁ、ドクター・デスとそらのレストランの監督だしなぁ)。杉咲花は上手いんだけど、ここで、この演技させたら浮くでしょって感じ。
興行成績の割に初期のレビューが沢山、そして高評価、そしてその人らの殆どがこの作品だけしかレビューしてないと言う、如何にもアイドル主演の作品らしいレビュー。ファンの気持ちは分かるけど、けっして演者の為にはならないよ。
星1.5位でも良いんだけど、帳尻合わせの為に0.5にしておきます。
話題性重視のつくりが鼻につく
孤児院で育った久我清義(永瀬廉)と織本美鈴(杉咲花)が余程の秀才なのか、頑張ったのか司法試験に合格、ともに弁護士の道へ、同級生の結城馨(北村匠海)の父親の痴漢冤罪事件を巡って3人の葛藤が延々語られる。キンプリとコメディ向きの杉咲花がシリアスな役を演じるのは無理があるが若者向けに仕上げるためのマーケティングなのでしょう。
つくり方によっては大人の鑑賞に耐えうる法廷ミステリーにできたかもしれませんが、人物設定と脚本が余りにも稚拙なので予測可能、たいしたミステリーにはなりませんでした、しかも、この後味の悪さは何なのでしょう、司法の限界に迫る社会派ミステリーにもなっていません。度を越した感情表現の多い演出、キャスティングからも話題性重視としか思えぬB級映画でした。
疑問が残る
一緒に階段から落ちたのに警察官が批判される?
救急車を呼んでいないし、ビデオだけで急に無罪になるのか?
最後に傷害罪できちんと自首したのだろうか?
いろいろと疑問が生じて楽しめなかった。
孤児院で育った子供が施設長から性的虐待を受けて、子供が助け合って犯罪まがいのことを繰り返して生きていく、というステレオタイプの設定は見飽きたし、見ていてしんどい。
役者の演技は良かったけど。
異色のリーガルサスペンス
《無罪とは検察が立件に失敗した結果に過ぎない》
法律の不備、そして盲点を平易に説明した映画でした。
とても考えさせられ、面白かったです。
日本の裁判の有罪率は99.9%。
そして証人の何%が信頼おける正しい証言をしているのでしょうか?
美鈴のついた嘘が薫の父親・佐久間悟(筒井道隆)を死に追いやる。
そう考えると怖くなり事件に巻き込まれずにいられる事を
願わずにはいられません。
《ストーリー》
ロースクール(法科大学)を舞台に無辜(むこ)ゲームという
模擬裁判を通して、
親の冤罪を命懸けで晴らそうとすると馨(北村匠海)と、
その死を誘発した犯罪に深く絡んだ美鈴(杉咲花)と幼なじみの
清義(セイギ=永瀬廉)の3人を描いたリーガルサスペンス。
原作者の五十嵐律人は34歳の弁護士で作家。
弁護士になる以前には、裁判所の書記官や事務官を経験した。
弱い者のチカラになりたいと法曹界に入り直して
弁護士になった異色の経歴の持ち主だ。
法の盲点や不備を突いた面白い作品だと思うのは、(9年前)
美鈴と清義は2人で組んで痴漢した男性を脅して
生活費や高校などの学費を稼いでいた。
美鈴は母親の自殺により養護施設に預けられて、清義と友達になる。
清義の施設長への殺人未遂は美鈴にセクハラをしてた施設長への恨み
と思われるが97分の短い映画なので端折ったものと思われます。
薫の父親・悟は警察官で、美鈴が「痴漢です!!次の駅で降りてください」
と声を上げた時
悟はすぐに警察手帳を突きつけて、
「初めてではないね!!」と、念を押す。
美鈴を電車から降ろして一緒に階段を昇る。
連行される美鈴を近くで見ていた清義は悟のリュックを掴み引っ張って、
悟と美鈴は階段を落下する。
この時美鈴は悟に傷害罪を負わせるためにわざと反動をつけて
突き落とす。
その際、薫の父親・悟は大怪我をした上に痴漢として、
起訴され有罪になり、もちろん警官を失職する。
真面目な父親はだれにも冤罪を信じて貰えずに絶望して自殺する。
そこで薫が父親の仇を討つために、無辜ゲームを口実に美鈴を呼び出して、
自分の命の引き換えに美玲を殺人犯として起訴されるように仕組む。
そして美玲の過去の父親への冤罪事件にも再審の道を開き、美鈴と清義が
裁かれるように画策する。
ここで、奇想天外なのは、美鈴の弁護をする弁護士が清義だとの点だ。
(実は美鈴と清義は、自分たちが自殺に追い込んだ悟が、
結城馨の父親だと、姓が違うため最近まで知らなかったのだ)
この映画に一つだけ大きな問題点があるとしたら、
結城馨(北村匠海)が、父親を階段から突き落とす清義(永瀬廉)を
目撃していたのに、なぜ直ぐに警官や駅員に告げなかという点です。
ここには非常に疑問を感じました。
あと杉咲花のように小柄で非力な女性が、いくら隙をついたとはいえ、
逞しい薫を死ぬ程強く刺し殺せるのか?
(でも馨は自らの死をもってしても、美鈴を罰したから、
自分で深く刺したのかも?)
杉咲花の狂ったような高笑い!!
得体の知れないクルクル変わる表情。
「市子」にしても「52ヘルツのクジラたち」にしても、
若手の実力派として目を離せない存在感ですね。
新鮮な切り口の問題作にして快作(怪作)だと思いました。
短い映画なので、端折ったストーリーもあるようです。
前半のスリリングな胃の痛くなる緊張感に較べて、
後半は駆け足で雰囲気も軽くなったのは
少し残念です。
予想以上でした
レビューなどで少し気になっていた作品でした。
有罪か?無罪か?
真実を知るのは、加害者か被害者だけ。
人を裁くのは、人ではなく法でしかない。
冒頭の学校で行う法律を使った模擬裁判が陳腐に感じたけど、それが後半の伏線になっているのかと気付かされた。
後半につれて魅了されていきました!
この作品は、原作の良さもある事ながら俳優さん達の演技にどんどん引き込まれていきました。
特に杉崎花さんの静かな部分と激しい部分の対比が見事でした。
どの役者さんも演技が素晴らしく良かったです!
原作改変と証人尋問の共通項
2023年12月6日映画館にて鑑賞。
レビューを書こうと思いつつ、3ヶ月半が経過してしまった。
馨の目的は
「無辜の父を救済する事」だ。
同害報復を大前提として、どうすれば父は救済されるのか?
父が死んだからにはミレイにも死を与えるべきか?
そうではない。それでは
「眼には眼を」ではなく「眼には眼と耳と鼻と口を」になってしまう。
ミレイの罪は殺人ではないのだから。
でもここが馨の凄いところだろう。
多くの人間は「きっかけを作った者」も「引き金を引いた者」も共に死に値する、と考えてしまうと思う。
ここで、ミレイとセイギを殺すことが復讐にはならない、と考えるところにカオルという人物の凄さを見ることが出来る。
さて、きっかけを作ったのがミレイならば引き金を引いた者は?
そう「司法」だ。
日本の刑事裁判の有罪率は99.9%。検察は面子にかけて起訴された被告人を有罪に導く。
一度確定した判決は覆らない。明らかな冤罪だとしても。
ミレイが警察に「虚偽の供述だった」と告白したくらいでは再審の扉は開かない。日本の司法機関は基本的に自らの誤りを認める事などないのだ。
再審は「開かずの門」と呼ばれているそうだ。
馨がミレイに下した罰は「再審請求の決定打となる形での罪の告白」だった。(その鍵がSDカードに収められた馨が斃れる現場映像)
と、ここまでのストーリーは比較的容易に推測可能だ。
(ただね。二転三転して面白かったーと言う声も、予測通りの展開でつまらなかったという声も、大ドンデン返しってほどじゃないじゃんという声も、大抵ここまでの話を指しているみたいなのよねぇ。)
しかし「馨を殺さなくても殺人未遂で充分目的は達成出来るではないか?」という点が疑問だった。
そう。これこそが真の大ドンデン返し。本来の馨のシナリオでは馨は死なない。SDカードの映像はあくまでも馨とミレイが打ち合わせ済みの演技だ。
馨は再審請求者の地位を手に入れるために、父親が自ら命を絶つまで無辜ゲームの開始を待ち続けていたのだから。
馨が暴こうとした2人の罪はそれぞれ「虚偽告訴」と「傷害」
虚偽告訴の時効は7年だが傷害は10年だ。そして犯行は9年前。
ミレイはセイギを守るために新たな罪を犯した。
更に凄いのは、馨は1年以上も前から「ミレイが最後にこういう行動に出るかもしれない」と予期していた事だ。だからセイギにUSBを託したのだ。
セイギが真実よりミレイの無罪を優先する事も知っていながら・・・。
沈黙を貫けば、何事も無かったように幸せに生きていける。しかしセイギはその道を選ばなかった。馨の想いを受け取ってしまったから。
2人で幸せに生きていきたい、というミレイの切実な願いを痛いほど知りながら、セイギは彼女と袂を分かち罪を償う道を選ぶ。
同害報復は制裁ではなく寛容の論理・・・。
映画制作における原作改変も、裁判の冒頭陳述や証人尋問も似たようなものだな、、、と思った。
要は裁判員(鑑賞者)への心証形成だ。
原作とまるで違う過剰な演出も(無辜ゲーム会場がおかしな秘密結社の儀式みたいな洞窟だとか(苦笑)賢ニや沼田の過剰過ぎる演技とかもすべては「心証形成」の仕掛け。
(ってか沼田って誰だよ?佐沼と権田をくっつけたの?それくらいなら権田要らないから佐沼のまんまで出してよね。この点は不満!)
描かれたピースから観客が勝手に完成させたパズルが、映画に描かれているストーリーや主題とはかなり違ったものであっても、観客が各自のパズルを星5、星4或いは星2だと思ったのならばきっとそれで良いんだよね(苦笑)
(裁判員・陪審員裁判はそれじゃ困るんだけどな!)
まぁ、でもねぇ。この高評価はちょーっとモヤるのよねぇ。(低評価もモヤるwストーリー正しく把握出来てる?って)
でも本作に関しては「是非、原作を読んで」とは言うつもりはない。
この秀逸な法学テキスト小説(笑)を、この短尺で万人ウケするエンターテイメントによく仕上げたものだ。その点は高く評価されるべきであろう。
隠された事件による殺人
乾いた感じのする映画だった。
ほぼ内面を出さない登場人物だらけ。
友人の殺人事件により裁判が開かれ、3人のそれぞれの過去が掘り下げられるのだけど、幼少期の起因となるものがこの殺人事件と絡み合う。
その中で彼が選択する答えが私には響かなかった。
誰を守りたかったのか?自分に対する代償は?
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