「確かに意外な真相」法廷遊戯 Theo5さんの映画レビュー(感想・評価)
確かに意外な真相
自分の中では映画における裁判モノにはハズレなしという自論があるので、
まさになこの映画が気になったのと、
ほとんど類を見ない高評価の数字、
ジャニーズ映画と思って侮るなかれといったようなレビューに、
これは久々に本物の名作映画が来たのかもしれないと期待して劇場で鑑賞。
本題が起きるまでの、無辜ゲームのくだりもなかなかに雰囲気が良くて、
徐々に上がって来る期待感で本題が楽しみでした。
役者の演技もローの時は全く何も印象に残らないけれど、
感情昂らせるハイな部分は結構頑張ってるなって感じでした。
いざ、事件が起きると、
思っていたよりも単純な事件で「え、これだけ?」な感じはしたけれど、
あまりにも容疑者が少ない点と、
明らかにミスリードでおかれているヒロインの存在を鑑みて、
ははぁん解りましたよとすぐに犯人は特定出来ました。
実はこれは事件の犯人は探偵役の主人公であり、
彼は幼少時代に孤児院で過ごすという境遇から、
家族からネグレクトされていて、
その時の経験から多重人格症を発病させていて、
彼の別人格が犯行を行い、
そのことをずっと隠していたヒロインが罪を被っているのだと名推理を繰り広げました。
嫌がらせも実は彼の別人格の仕業であり、それに合わせてあげているヒロイン。
孤児院での殺傷事件もその事が絡んでいて、
主人公の知り得ない重大な事実をヒロインだけが握っていて、
映画のどんでん返し的なラストでそれが明かされるんだろうなと思ってニヤニヤ観てたんですけど、
全然違いました。
何というかこれらの妄想を繰り広げた所為か、
事の真相は思ったよりシンプルに思えてしまい、
エンドロールでは「え、もう終わり?」と思ってしまった。
盗聴していた占い師のおっさんと衝撃映像に耐えきれずに嘔吐してしまうおばちゃんの関係は一体何なのかというのが気になったし、
そもそも学生で司法試験に受かったような本当にどこにもいない天才が、
父親の汚名を返上したかったというのは解るのだけど、
それで長年かけてやった事の事件の詰めが甘いというか、
そんな自分の命を覚悟してまでやるべきだったのかなと。
そもそも痴漢冤罪の件も、
警察なんて内部の不祥事はもみ消す方向で動くだろうし、
ちゃんと引っ張って階段から突き落としてる所も目撃してるんだから、
監視カメラにも登場人物がしっかり映ってるだろうからそんな簡単に有罪にならなくないかと思ってしまう。
等、思う所はありますが、
最後まで結末が解らないストーリーと構成は良かったです。
ちょっとだけ期待が大きすぎました。