「淡々とした語り口」法廷遊戯 U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
淡々とした語り口
故に眠気を誘う。
冒頭で盛大につまづいたせいもあるのだけど。
脚本は面白いと思うのだけど…。
登場人物が軒並みローテンションで…物語に起伏があるものの、芝居に全く起伏を感じない。
結城の目的はなんとなく分かる。
自身の事件を持ってして、当事者と検察への復讐だろうか。「正しくはない」父の冤罪を勝ち取りたかったのであろう。
ふと思うのだけれども、本件に9年前の事件の遺恨があったとして…つまりは結城の計画であるならば、計画的傷害事件を起こしたキッカケが「父の冤罪」に起因するとしたかったのだろうか?彼はどんな結末を思い描いていたのだろう。
父の冤罪を勝ち得たとして、結城は被告(偽証罪?愉快犯?)となり、美玲は共犯ってとこなのかな?で、9年前の事件に関しては美玲も久我も罪には問われなかったとしても社会的な制裁は免れないような気がする。
美玲にしてみたら、計画に乗っかったフリをして、結城を殺す思惑だったのだろう。
その後、裁判は結城の思惑通りに進み、美玲は事故として無罪となり、結城がいないから9年前の事件への追及も弱まるみたいな事かしら。
久我は…関係性を知らなかったから、体のいい傀儡なような事なのだけども、自身の罪と向き合う決意をしたらしい。で、まぁ、美玲は無罪なままで、後は彼女の良心に任すみたいな結末。
美玲が描いたシナリオにはなったみたいだけども、結局誰も幸せにはならなかったのだろうなぁ。
とまぁ、ストーリーテラーである主人公が傀儡なわけで、彼と一緒に物語の真相をって事なのだけど、彼が無機質みたいな状態で…自身の罪の輪郭がどんどん濃くなってく後半でさえそのままんまで始末が悪い。
んで、物語のキーも後出し状態が多くて…萎える。
無罪が確定した時の美玲も異常だよ。
結構、抑えた感じでやってたのに、高笑いって…なんかぶち壊しなような気がせんでもない。
1番異常だったのは、冒頭の無辜ゲームの原告だったけどね。こいつも法曹科の生徒なんだよねぇ、違うのかな?頭の悪さ120%のキャラだった。彼のオーバーアクションで、この作品への興味が8割失せたと言っても過言じゃない。
で、その後のビラ配りの無辜ゲーム。
そのトリックに気がついたとして、犯人が彼の根拠が分からない。そもそもクラス単位で仕掛けてるならあんな仕込みが必要なのだろうか?剥がせと号令をかけた人物か彼のプリントを剥がした人物はいるはずである。
そして何の根拠も示されぬまま冒頭のオーバーアクションの偏差値低そうな人が犯人になった。ここで更に1割興味を削がれた。
その後、残念ながら持ち直す事もなく…ひたすら眠気と戦ってたなぁ…。
また、機会が巡ってきたら見てみようと思う。
美玲じゃなくて美鈴だった…コレだから老眼は😓
▪️追記
9年前の事件だけれど…刑事って身分であっても、あんな風に被害者面する女性の言い分が通ってしまうのだろうか?
例えば、マスゴミが過剰な報道をして世論がヒートアップしたとして、あの父親には父親なりの信頼があったはずだ。会社つまりは警察内部での。
監視カメラとかもなくて、やってない事の証明が不可能だから、女性の証言が優先されるってシステムなのかな。+SNSでの拡散…。
だとしたら、女性は法に守られた示談という名の合法的な恐喝が可能って事になるよなぁ…。
私服の刑事で勤務中というか任務中みたいな事でも覆せないんだもの、一般人には到底無理だよね。
やってない事をやってないと言い続けたらどうなるんだろう。法廷とかにまで行くのかな。自白さえしなけりゃ「やった事の証明」も出来ないんじゃなかろうか。
たぶん関係者は言うよね。
争うよりも示談でお金払った方が、金銭的にも時間的にもダメージは少ないって。ホントにそうなのかな?
なんかお金よりも時間よりも大切な何かを失いそうな気がする。
…フィクションだよね。
こんなシステムはリアルには存在しないよね。
実にモヤッとする…。
humさん
おっしゃる事よく分かります。
ただ好みの問題とは思いますが、普通過ぎた。もう一捻りできたのではと思うのです。
BGで裁判官があんな状態の被告を放置して判決文を普通に読み上げるのも相まって、なんかお決まりのラストだなぁと残念に思ったのです(>_<)