「現代の三方一両損は等しく絶望的」法廷遊戯 woinaryさんの映画レビュー(感想・評価)
現代の三方一両損は等しく絶望的
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いつもはネタバレにならないことしか書かないし、以下がネタバレかは微妙と言うか個人的にはセーフと思ってますが、一応、結末に関わることを書いてるのでネタバレありにしておきます。
無辜ゲームと呼ばれる「うさ晴らし」から始まる本作。投げかけられる冤罪と無罪の違いとは何かという問い。司法とは何か、正義とは、償われるべき罪と罰とは。「考えさせられる」というレビューが多いようですが、落とし所がない問題でもあるので難しい。
同害報復。野蛮と言われるハムラビ法典ですが、あれは過度な報復を抑えるものなんですよね。ただ、それが成り立たないのは歴史が証明するところ。某顔芸ドラマのセリフではないですが、人は受けた痛みをそれ以上にして返したいもの。世界中が憎悪の連鎖でがんじがらめ。そもそも複雑化した現代社会で何をもって同害とするのか。「無敵の人」問題を見ても解決できるわけがない問題なわけで、いつ冤罪に巻き込まれるかも分からない。たとえ冤罪でも疑われること自体が問題と叩かれる。
結局、彼は結末がわかっていて選択を委ねた。その結果が産んだのは絶望。関わった3人ともが絶望を抱えてしまったように感じる。ある意味、対価を得るには代償が必要なのか。
ただ、裁判員二号さんの下りはよく分かりませんでした。原作読めば分かるんですかね?
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humさんのコメント
2023年11月18日
その絶望のなかにみえる究極の本望、代償を厭わない対価の重み、深み。
ことの発端を思えばおもうほど
せつないほどの皮肉な運命を感じ、悲哀が胸の奥を潰しにきました😢