「3者3様の正義」法廷遊戯 なこさんの映画レビュー(感想・評価)
3者3様の正義
原作は読んでたから展開は知ってたけど、
前すぎて忘れてた部分や人物像は映画を観たからこそ理解できた部分があり。
また読み返してみよう。
主要3人の演技が光り、内容はずしっと重い。
人によって変わる正義、
司法の不完全さ、人が人を裁く危うさ、
それぞれ問われているけど、
どうすれば良かったの?と3人のそれぞれの視点で自問し続けてしまう…
私にはすぐ答えが出せない…
永瀬廉くんの表情で表現する静かな演技が好き。
そしてやっぱり声が良い。
清義は美鈴を守るために罪を重ね、共依存していた。最後も、美鈴を守りつつ馨の想いを背負い罪を償う道へ歩み出す。結局それも歪んだ正義なんだけど…
北村匠海くんの圧倒的な存在感。
馨はすべて見透かしていて、用意周到で。
復讐のために近付いたんだろうけど、最後の学生2人のシーンは、知識を高めあえる親友そのもの。
だからこそ許せなかったんだろうな。
だからこそ信じて託したんだろうな…
杉咲花ちゃん、
接見室でのシーンは言わずもがな、
語彙力なさすぎですが、凄かった。
美鈴、自発性を感じず黙秘し続け、判りにくい人物像に苛立ちさえ感じるけれど、
天を仰ぎ幼少期の清義との時間を思い出してるシーンが、“私の全て”ということが伝わってきて痛く刺さった。
過去の境遇から歪んでしまった正義感、
知識を持って賢すぎる3人による、
謎解きというより人間ドラマ。
重たいけれど、何度も観て思考を重ねたくなる映画でした。
作品はめちゃくちゃ良かったけど…
予告で、ノンストップトライアングルミステリー!とか、
ポスターの金ピカな煌びやかさとかが、
本編と噛み合わなくて勿体ない気がする。
エンタメ要素満載!って期待を持たせて観に行ったら、中身は地味に重苦しい深い作品で。
コレジャナイ感が出てしまうから…
ポスターの3人の構図表情はめちゃくちゃ良いだけに、なんかもっと魅せ方あったのではと思ってしまう。
公開直前にリリースされた3人のリール予告が一番嵌ってて良かった。これだけで、3人の関係性や感情が表現されてて、作品に入り込みやすいなと感じた。
…素人がすみません。