「言葉で伝える感情、言葉で受け取る感情」almost people うぐいすさんの映画レビュー(感想・評価)
言葉で伝える感情、言葉で受け取る感情
4人兄妹がそれぞれの「欠けた感情」に困らされるエピソード4本からなる作品。
「感情が欠けている」というと極端な設定に聞こえるが、我々の感受性や共感力の強さにも個人差があり、相手の感情は可視化できず、言葉というワンクッションを置いてやりとりしている。皆そのややこしさが人間関係に良くも悪くも作用している日常を生きているわけで、4本の物語それぞれに共感できるポイントや想像を掻き立てられるポイントがあった。
4人が社会や他者との交わりを投げ出さないことや「感情が欠けている」ことを拒絶しない作り方が好印象だった。
極端になりそうな設定を日常の延長の物語に収めた工夫や、街を歩き回るシーンが共通している点、テイストの異なる4話をこの構成順にしたこと等、4話をオムニバスではなく1つの「almost people」の世界観に纏め上げようとする仕掛けが随所に感じられた。制作の裏話が気になる作品だった。
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