「観たい度○鑑賞後の満足度△ ほぼ同世代の男が主人公の映画だが殆ど共感出来なかった。結婚してなくて子供がいないせいだろうか。ほぼ60年間生きてきていまだに人に好かれたいなんて。松重豊の好助演だけが救い。」逃げきれた夢 もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
観たい度○鑑賞後の満足度△ ほぼ同世代の男が主人公の映画だが殆ど共感出来なかった。結婚してなくて子供がいないせいだろうか。ほぼ60年間生きてきていまだに人に好かれたいなんて。松重豊の好助演だけが救い。
①光石研さんと私は同い年である。あちらの方が半年若いけれども、この歳になればそのくらいの差で若いの云々というものではないけど。
②最近はとんと聞かないけれども、昔は「三十にして立つ。
四十にして惑はず。(不惑)
五十にして天命を知る。
六十にして耳順(したが)ふ。
七十にして心の欲する所に従へども、矩(のり)を踰(こ)えず」という論語の孔子の言葉がよく引用されたもの。
現代は昔に比べ総体的に若くなっているから、8を掛けたくらいが昔の年齢に相当するとよく言われる。例えば60歳だとしたら、昔で言えば48歳くらいだとか。
まあそれでも不惑は越えているわけだけど、40で不惑というのは孔子くらいの人ならともかく凡人にはちと早いと思う。
私は40くらいの時には惑いまくっていたもの。
でも、さすがに60を越えると嫌でも死を意識せざるを得ないし、後は死ぬときに後悔しないというか、なかなか楽しい一生だったなァと思って死んで行きたい。
③本作の主人公もあと一年で定年というからまあ同世代。もうジタバタする歳でもないと思うけど。
⑤主人公は(恐らく)認知症になるかもしれないから、いままで適当にやり過ごしてきた(らしい)人間関係を修復してやり直したいと思い始めたという処だろうけれども、食べたことを忘れるならともかく、レジの前を通りすぎて払い忘れるなんて事があるだろうか(食い逃げならともかく)。また、払ってないのを指摘されて財布まで取り出したのに結局払わないのはどうして?お金が入ってなかったのかしら。でも教頭先生であれは外出する時に数千円のお金は財布に入れてるでしょう。
⑥主人公も言っていたけれど、私も子供の頃は勿論若い頃も60歳と云えば凄い年寄りで人生の酸いも甘いも噛み分けた先達みたいに思っていたけれど、自分がなってみれば“とんでもない”、確かにある程度人生経験は積んだので余程の事がないと慌てないし驚かないし「物事、なるようにしかならないわ」ということくらいはわかっているけど、肝心の中身は殆ど成長していないわ。良いことか悪いことかわからないけど。
⑦もうすぐ中洲で(ソープで?)働く平賀さんに“どうすればいいんですか?”と訊かれて主人公は答えられなかったけれど、私も同じ質問をされても答えられないだろう(綺麗事言いたくないし)。
僕らって結局こんな風にしか年取ってないのかしら。
きれいごと云々ではなくて「やめとけよ」と言いたいですね。やっぱり。
というか、普通、「やめといたがよかよ」って言うでしょ。
みんなの評価が意外によいのでびっくりでした。