「地道な作業」ぼくたちの哲学教室 monoさんの映画レビュー(感想・評価)
地道な作業
学校での学びと、それを裏切るような社会環境、そして紛争を経験した親世代からの影響。自分の意見を持つこと、相手の意見を尊重すること、日本に比べたらまだ欧米諸国の方がそうした教育は進んでいるとは思うけど、そうは言っても、そんな簡単に身につくものじゃない。繰り返し繰り返し、同じ失敗もしながら、少しずつ身に付けていく。暴力が何を生むかはケヴィン校長も嫌というほど分かっている。だからこそそうではない方法を哲学を用いながら子どもたちと一緒に考えていく。一つの正しい答えがあるものではないからこそ、豊かに自由に考えられる、そして新たな視点も持つことができるのが哲学の醍醐味だ。
父親から「やられたらやり返せ」と言われてその通り実践した生徒に対して、「そろそろ自分の頭で考えろ」と諭し、「なぜ?」と問う重要性を伝えるシーンは良かった。親だからって正しい意見を言ってるとは限らない。疑って、問う、そして自分の意見を伝える。本当に地道で大変な作業の繰り返し。
校長先生も現実逃避したくなるよなぁ。エルビルプレスリー大好きがめちゃ伝わってきましたよ笑
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