劇場公開日 2023年9月1日

「アトラクション的なホラー・コメディー」ホーンテッドマンション bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0アトラクション的なホラー・コメディー

2023年9月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

怖い

ホーンテッド・マンションはディズニー・ランドに行く度に、これまで何十回と搭乗しているお気に入りのアトラクションの一つ。2004年にも、エディー・マーフィーが主演で、既に映画化されているが、本作の内容やストーリーは、それとは全く別物である。

本作の見所は、やはりマンションに住み着くゴースト達。伸びる部屋の不気味な絵・歌う彫刻、亡霊が奏でるパテプオルガン、墓地に集う亡霊、水晶玉のマダム・レオタ等、アトラクションでのシーンが、数多く散りばめせれていて、舞台となる館や亡霊達の姿は、前作より本作の方が、アトラクションに忠実に描かれていると感じた。

シングル・マザーのギャビーは、息子のトラヴィスと共に、ニューオリンズにある、古びた館に住むことになる。しかし、その館に一歩踏み入れた時から、不可思議な怪奇現象を目の当たりにする羽目に…。そこは999人のゴーストが住み着く、曰く付きの館だった。

そんな親子を救うために、元物理学者、胡散臭い神父に霊媒師、それに超常現象研究家が館に集い、ゴースト退治に乗り出す。彼らもまた、様々な怪奇幻視様に見舞われる中で、その館に隠された過去の真実に迫っていく。そこには1000人目を、ゴースト界に引き込もうとする悪霊のボスが…。

アトラクションのお馴染みのシーンが数多く描かれていて、それなりには楽しめる作品だ。しかし、ご都合主義の展開で、館からも出ることもできるし、病院にも駆け込める辺りは、閉ざされた館としてのホーンテッドマンションの恐怖を薄め、ディズニーらしく、お子様も対象にした内容となっていた。また、1000人目を亡霊が引き込む目的も、自分の観方も悪いのだろうがハッキリせず、鑑賞後に「?」が残り、クライマックスも今ひとつ迫力に欠け、物足りなさを感じた。

主演のベン役を務めたラキース・スタンフィールドは、アカデミー賞の助演男優賞にノミネートされたことはあるようだが、印象には無く、個人的にはお初の役者。他も、お初の役者さんが多い中、ダニー・デビートが超常現象研究家役を演じ、元気な姿で出演していたのは嬉しくもあり、懐かしさもあった。しかし、動作のキレには年齢を感じた。

bunmei21