「【仏蘭西を代表するアニメーション監督ミッシェル・オスロが今作で描き出す絵の世界は、エキゾチックで美しい。その独特な人間性肯定の、品性ある世界観は唯一無二と言っても良いと思う。】」古の王子と3つの花 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【仏蘭西を代表するアニメーション監督ミッシェル・オスロが今作で描き出す絵の世界は、エキゾチックで美しい。その独特な人間性肯定の、品性ある世界観は唯一無二と言っても良いと思う。】
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ー 冒頭、労働者の前で一人のファッショナブルな男が3つの物語を紡ぎ出す。
どの物語も王子が主役である。
時代は、第1話「ファラオ」は古代エジプト
第2話「美しき野生児」は中世の仏蘭西
第3話「バラの王女と揚げ菓子の王子」は中世のイスタンブールである。
◆感想<Cautin!内容に触れています。>
・第1話「ファラオ」
クシュ王国(現スーダン)のタヌエカマニ王子がエジプトを統一し、黒人初のファラオになる話である。
絶世の美女と言われる摂政の娘と結婚するため、王子は戦わず、英知を持って国々を治めていく。
古代エジプトのフレスコ画の技法を使い、登場人物が横顔で描かれているのも特徴的である。
・第2話「美しき野生児」
冷酷な領主を父に持つ、心優しき少年(王子)が囚われていた男を解放し、彼自身も死刑を父から告げられながら、側近が彼を逃がし、美しき野生児と呼ばれる大人になった少年が圧政を繰り返す父を、囚われていた男(侯爵)と共に懲罰し、王子の娘と結ばれる話。
影絵の様な風合の絵が、好みである。
・第3話「バラの王女と揚げ菓子の王子」
国を放逐された王子が、ある街の揚げ菓子屋に弟子入りし、その街の城に住む姫と揚げ菓子を通して心を通わせ、結ばれる話。
<と書くと、身もふたもないが、これが、ミッシェル・オスロの手に掛かると、観ていても実に楽しい気品とエキゾチックな雰囲気が横溢する美しい作品になるのである。>
<2023年9月3日 刈谷日劇にて鑑賞>
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