劇場公開日 2023年4月7日

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「実話の天才、マット・デイモン×ベン・アフレック」AIR エア サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5実話の天才、マット・デイモン×ベン・アフレック

2023年5月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

興奮

マイケル・ジョーダンが泣いてるぞ。公開から1ヶ月という脅威の配信スピード。何か裏があるのではと思っていたけれど、配給はAmazon︎︎のようで納得。だが、このスタイル、海外では当たり前らしい。時代は変わってしまったな...。劇場鑑賞を諦め、配信開始日に家で見た自分は何も言えませんが。

内容はというと、それはもうよく出来た映画で。
幼なじみコンビ、マット・デイモン×ベン・アフレックは実話を映画にするのがめちゃくちゃ上手い。エピソードは割と少なめなんだけど、ソニーがNIKEをスニーカー界の王者へと導いた様子はもちろんのこと、当時のバスケ界、NIKEが立たされている状況、そしてソニーという人物の魅力がこれ以上なくしっかりと描かれているため、数日の出来事ですごく見応えがある。逆に、短い期間に焦点を当てたことが功を奏している。

「フォードvsフェラーリ」でもそうだったが、マット・デイモンは一見中年太りの小柄なおじさんなんだけど、心に火が付いた瞬間、その火が更に燃え上がる姿がすっごいカッコイイ。偉大な人物の伝記映画に相応しい演技を見せてくれる。NIKEを世界的な企業へと成長させるために、必死にもがき奮闘するシーンは、観客も同じように燃え上がる。天才を感じさせる俳優なんです。

バスケもシューズも無知と言っていいほど知らないんだけど、それでも全然楽しめる。なんなら、バスケもシューズにも関心が湧く。こんなにも胸が熱くなる過去があったのか!と。AIR JORDANは今やブランド化し、付加価値に惹かれて爆発的な売り上げを得ているようなイメージだけど、この映画を見ると一転。なんだかNIKEに限らず、全てのシューズに向ける目が変わります。バスケもソニーの分かりやすい解説があって、非常に面白い。

あっさりとした作りだけど、アメリカ映画の真骨頂って感じがした。こういう映画がもっと見たいんです。この時代にこの映画を作ったことはとても意味があるように思えた。今後のいい指標になると思う。マット・デイモン、ベン・アフレック、これから映画界の牽引、よろしくお願いします(重い)。

サプライズ