碁盤斬りのレビュー・感想・評価
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白石監督らしさは希薄
白石監督の過去作にあるようなヒリヒリした緊迫感や凄みはあまり感じられなかった。時代劇らしさを演出するのに精一杯で、彼の持ち味が活かされなかったようにも感じられる。それでいて時代劇らしい味わいはあるような、ないような、良くも悪くも中庸な印象。全てが赦されるラストも、もう少しロジック、または粋なセリフが欲しかった。
鑑賞動機:草なぎ剛4割、清原伽耶3割、白石監督2割、評判1割
國村さんと相対しても見劣りしない佇まいの草なぎ剛。何やっても本当に安心して見ていられる清原伽耶。國村さんは短い時間での心持ちの変わりようがとても説得力があって、自然に思えた。まああなたのせいでとんでもないことになったわけですけどね。
両国からだと3.5km位だから走っていけるか。
髭だけでなく月代もちゃんと伸ばしてあるのね。
ところで最後夫婦になるのだけれど、絶対尻に敷かれるだろうな。
囲碁はふんわりとしかわからないのだけれど、結局「肉を切らせて骨を断つ」的なことでいいのだよね?
❌凄くつまらない今まで最悪の🎥日本映画🎥映画館でも家でも観たら駄目と感じた‼️
日本映画は期待外れが多いので基本的に観ない事にしていたがコレは評価高く草薙つよしが出るので観に来た
序盤って言うか半分くらいずーっと碁を打つシーン
大した話も進まず凄く退屈
そして五十両紛失事件発生
そして疑いをかけられたのはつよししか居なかったからつよしになった
知らないと言うか國村に訳を聞くとかせずに腹を立ててあろうことか娘を吉原に売って五十両作って渡した
これでは自分が盗んで返したみたいになってる❓
少なくとも噂はそうなる感じだ
その後斉藤タクミを探しに行くけど序盤につまらない碁のシーン盛り込みすぎて時間の関係上すぐ見つかる(笑)
で❣️また碁を打ち始めるのでまたまた退屈になる🥱
そして斎藤タクミは負けそうになると刀を振り回す🥷もうめちゃくちゃ
その前に草薙のせいでいろいろな人が苦しい生活になり奥さんも辛くて自害した話の説明がこれまた序盤に碁を打ち過ぎ(爆)たお陰で無くてわからなかった
奥さんはなんで自害かハッキリしなかった
最後は本当に碁盤切ってた
淡々とつまらない話がダラダラと迫力も無く終わり本当につまらなかった
なんで評価高いのだろう❓
あくまでも個人的意見だから反対意見は勘弁してくださいヨー😛
前情報より落語通り。+αの落語ネタ
前情報では、落語「柳田格之進」の世界線で、眩惑にはないストーリー展開がある、という印象だったが、ちゃんと落語のストーリーをしっかり追っていて、そこに昔いた藩での濡れ衣とその復讐劇のエピソードが追加された感じ。
萬屋源兵衛と柳田の出会いや、柳田が源兵衛の商売や生き方に与えた影響なんかは映画オリジナルですね。
お絹ちゃんが遊郭に売られ、期限が来たら店に出すよ!というエピソードは、別の落語「文七元結」から拝借したくだりですね。
これはいいミックスだと思います。
やっぱり今の時代だと、お絹ちゃんの純潔が守られるストーリーの方が安心できますし。
タイトルにもなっている碁盤切りのシーンですが、柳田はただ碁盤を切って、無言で立ち去ってしまいました。
落語では「主従の情を目の当たりにして、刀の切っ先が鈍った…。双方、命は助けて遣わす…!」と許すシーンがあります。
映画でもそのセリフはちょっと欲しかったなぁ。
「落語」そのものにも言えるのですが、昔作られたストーリーなんかは今の時代から見ると「そうはならんやろ〜」だったり、登場人物の言動・決断が唐突に感じたり、どうしてもあります。
その感覚に似た、「ちょっと引っ掛かる登場人物の行動」みたいなものが本作にもチョロチョロあったりして、ある意味落語らしいかな、と(笑)
現代の落語家さん達も、少しずつ納得いく筋書きに微調整はされてたりして、日々進化しています。
落語でもまた柳田格之進、聴きたくなったなぁ!
囲碁以外に頭使って
全体の雰囲気もいいし、俳優たちの演技も良かった。
ストーリーがいくら江戸時代と言えど、納得できない変な展開でモヤモヤ。
囲碁には頭を使うのに、もっと自分の身の振り方や娘を助けることに頭使って欲しい。大きく3つ訳分からんのでもうどうしようもなく共感も感動も生まれない。
1、50両盗んでいないのに娘を身売りさせてお金を返すというのがもう意味がわかりません。
2、借金の期限の大晦日になって50両は結局、出てきたし濡れ衣とわかってまだ扉はしまったばかりなのに、なぜその扉を叩かない。
叩き壊したっていいくらいだ。
娘が身売りされるのになんで首を切ることを優先するのか行動が意味不明。
3、これまで不器用すぎる真面目さが売りだったのに最後は掛け軸をお殿様に返さず自分の懐に。売ったお金を分配するための旅に出たのだろうが、どうもキャラに一貫性がない。そんなに柔軟な性格ならこれまでもっと器用に渡ってこられただろうに。
1番理解出来たのが死んだ妻に対する復習を果たせたこと。よくある時代劇の仇討ちだ。
まあ、普通ならキョンキョン、簡単に許さないよ。翌朝来たって娘は200両でも300両でも見受けするって言う太客もいたんだから、店に出すよね。
スカッとしない展開だったけど、碁盤だけはスパッと切れ味よく切れてたのでまあいいか。
新しい時代劇
傑作です。
エンターティンメント性のある時代劇でありながら、リアルな人々の生活、美しさ、迫力もある、とても上質な空気感あふれる映画でした。
世界に誇れる日本の時代劇が誕生したと思いました。
舞台の江戸時代は、現代とは色々違うところもあるけれど、やはり今と同じ様に、悩み迷いながら人々は生きていたんだと、思いを馳せました。
清廉潔白に生きようとする主人公は、今にも折れそうな人でした。
だけど、そんな主人公を愛して、支えてくれる人たちがたくさんいたことは、素敵なことだと思いました。
正しく生きたいと願っても、誰も理想通りには生きられない世界で、わたしたちは情を大切に文化を紡いできたのだと思います。
これからの世の中、すごいスピードで考え方も変わっていくかもしれない。
それでも、誠実に実直に優しく、思いやりのある、その心根は忘れずにいたいと感じました。
彼の苦しみを分かち合い、少しでも良い空気を、わたしたちも伝えていけたらいいなと思いました。
想像の範疇を出なかった。
タイトル回収するシーンがそのまんますぎて何のカタルシスもなかったです。
あと萬屋の息子の行動の数々があまりにもアホすぎてイライラしました。
そのくせバカ息子に愛想を尽かしていたはずの娘さんが最後にはくっついていてなんだかなぁと思いました。
武士の生き様ってこうなんだなぁ、という事は伝わりましたがそれ以外は微妙だったかなあ。
これぞ武士道😤
TVドラマの時代劇が衰退して久しい
あんなに夢中になって見ていたのに
いつ頃からか全然面白くなくなった。
低迷する視聴率のためか、実力のない(ここ大切w)
人気若手俳優を起用したり
元来の時代劇には似つかわしくない演出や
奇をてらった構成が目立つようになり
時代劇ファンはがっかりして離れただろうし
新規客は見てもつまらなかったんだろうと思う。
そんな感じだから、役者陣も育たず
かつての名優たちを思わせるような演技ができる役者はもちろん、名バイプレイヤーもいない。
あぁ、嘆かわしや時代劇😭
ところが昨今の映画事情に変化が見えてきた。
本来の時代劇の良さが
(武士道、美しい日本の風景、人情、所作まだまだある)
たくさん詰まった作品がどんどん生まれている。
梅安や鬼平、今回の碁盤斬りもそれ🖐
もう決してアイドルとは言わせない草彅剛の
圧巻の演技力は本当に素晴らしかった。
清廉潔白であり続ける姿、実直さ、忠誠心、
復讐に燃え漲った目力、お見事👏
娘役の清原果耶も良かった。
敵役、斎藤工のクズっぷりも良かったけれど
顔が良すぎるのも難点だなと思ってしまった。
わかりやすい勧善懲悪に、腐っても武士であり続ける誇り。
気持ちのいい時代劇だった。多くの人に観て欲しい。
清廉潔白
囲碁が分からなくても楽しめる作品。
古典落語+オリジナル復讐劇を演出。
緊迫する中に落語の風情、情緒を実感
出来る演出と脚本。
江戸時代の人情味や吉原ならではの光
と影も上手に表現されていた。
武士ならではの娘の所作は綺麗。凛とした佇まいの清原果耶さんはまた観たい。お庚さんの人柄も
印象的。
何より柳田格之進の草彅剛さんは
清廉潔白で格好良かった。
刀で碁盤を斬るから、碁盤斬りなんだね。
また落語の柳田格之進が聴きたくなりました。
カッコイイ時代劇!
映像が綺麗でカッコよかった!その映像とともに流れる音楽も最初から最後まで良い!
白石和彌監督は死刑にいたる病でトラウマを植え付けられたのでかなりグロくてウッ…ってなるかと思いながら観ましたが、グロいシーンはあったけどそこまででもなかった印象でした。
序盤から多くある囲碁を打つシーン。
ただうってるだけなんだけど草彅剛の表情もよくめちゃくちゃカッコいい!
ストーリー的にも大満足!
退屈することなく観れました!
何らかの突き抜けた感と丁寧さ(納得感)が足りない
映画館で観るだけの何らかの突き抜けた感が不足していると感じました。
少々厳しいがTVで年末時代劇スペシャルのレベルに留まります。
あとは、もう少し丁寧な演出であってほしかった。
原作ありにて、主人公の行動は原作通りなのだと思うが、映画のなかでは何か納得感に欠けるように見えてしまった。ということで★は3つまで。
映像 ★★★ (可もなく不可もなく)
音 ★★★ (こちらも可もなく不可もなく)
物語 ★★★
役者 ★★★ (期待したほどには・・・)
・草薙の演技は各シーンで本当に素晴らしいが何か全体としては繋がらない
編集 ★★ (編集というか演出に納得感が得られない)
粗さ ★★★
総合 3.0
私の勝手な憶測での解釈(ネタバレ含むかな?)
1,首を切らず碁盤を斜めに切ったこと
・正方形のマス目をもつ碁盤 ⇔ 草薙の生真面目さ
・首を切らず碁盤を斜めに切る → 生真面目一遍からの脱却の象徴
2,殿様の絵を自ら詭弁を言って譲受けること
・生真面目一辺倒からの気持ちの上での完全な生まれ変わり
そう、この1と2の流れに私は納得感を得られなかった。
1では愛する碁の碁盤を切ることへの断腸の思いが感じられなかった。
単に首を切る代わりに、碁盤を切ったような演出となってしまった。
2では自ら絵の譲受を申し出るのではなく、もう一人の武士側からの提案を受け入れるほうが良かった。
まぁ、私の勝手な思いなんですけどね。
思ったよりも本格的な碁打ち時代劇、プロ棋士探しはウォーリーよりも簡単?
2024.5.22 T・JOY京都
2024年の日本映画
古典落語「柳田格之進」を時代劇風にアレンジした作品
濡れ衣を着せられた浪人が自身の過去と向き合う様子を描いた時代劇
監督は白石和彌
脚本は加藤正人
物語の舞台は江戸の吉原近辺
郊外の貧乏長屋に住んでいる格之進(草彅剛)は、かつて彦根藩の役人として働いていたが、ある事件によって藩を離れることになった
一人娘のお絹(清原果耶)と共に暮らし、印鑑を彫ってわずかな金を稼いでいるが、家賃も払えぬ状況に陥っていた
ある日、近くの碁会所に立ち寄った格之進は、そこで乱暴な碁を打つという萬屋源兵衛(國村隼)と対戦することになった
1両を賭けての賭け碁をすることになったのだが、格之進は勝利寸前で手を止め、「このような碁を打ちたくはありませんな」と言って、勝ちを萬屋に譲った
その後、心を入れ替えた源兵衛は、格之進に碁を学び、良き碁打ち友達となった
源兵衛は萬屋の亭主をしているが、引き取った弥吉(中川大志)を後継者にしようと考えていた
番頭の徳次郎(音尾琢真)も彼を支えるつもりでいたが、当の弥吉はちっとも成長する気配を見せないのである
物語は、中秋の名月の夜の夜会にて、碁を打っていた源兵衛のところに、男が金を返しにきたところから動き出す
碁打ちに夢中になっている源兵衛の代わりにお金を受け取った弥吉は、源兵衛にそれを渡しに部屋へと向かった
弥吉は源兵衛にお金を渡すものの、翌朝、そのお金が無くなっていることに気づく
あの部屋には源兵衛と格之進しかおらず、そこで格之進に盗難の嫌疑がかかってしまうのである
また、萬屋がお金の紛失で揺れている頃、格之進の元に彦根から左門(奥野瑛太)がやってきて、妻・志乃(中村優子)の死の真相を聞かされてしまう
格之進は仇である元彦根藩の浪人・柴田兵庫(斎藤工)を探し出して、復讐を果たそうと考える
その矢先に弥吉からあらぬ嫌疑をかけられ、格之進はお絹を半蔵松葉の大女将・お庚(小泉今日子)に預けることでお金を用立ててもらうことになった
格之進は大晦日までに「復讐を果たす」と誓い、弥吉に「もし、無くなった金が見つかったら切腹してもらう」と息巻くのである
映画は、後半に怒涛の展開になってしまうのだが、あまりにも畳みかけ過ぎていて、「復讐に行く、戻って切腹、娘に止められるの流れ」がテンポを削いでいる
復讐に消えた格之進が旅先で自分の嫌疑について知るという流れで、復讐の旅を続けるか、嫌疑を晴らすかを迷うという流れでも良かったように思う
10両紛失騒動は後半の「碁盤斬り」に必要なのだが、どの碁盤を斬るかと考えれば、兵庫の切腹の代わりに碁盤を切っても良かったと思う
切腹もできず、生き恥を晒すというのが兵庫にとっては最も過酷な仕打ちなので、そこまで鬼になっても良かったと思う
嫌疑をかけられたとして、弥吉の出まかせで源兵衛を巻き込むのも無茶な話で、そこは言い出しっぺの徳次郎が斬られれば丸く収まったのではないかと思った
いずれにせよ、時代劇っぽい勧善懲悪の流れで、英題が「Bushido(武士道)」というのも面白い
碁盤があんなにスパッと切れるとは思わないが、あの効果音だと刀が折れたように聞こえるので、なんだかなあと思ってしまった
かなり碁の話が出てくるので、最低限のルールを知らないと、定石を外して打つ兵庫であるとか、乱暴な碁を打つ源兵衛などの碁はわかりにくいかもしれない
プロの棋士が5人ほど登場していたが、このあたりは囲碁ファン向けのサプライズ演出なのかな、と感じた
個人的には、それっぽい映し方をしていたので「ひょっとして」とは思ったが、判別できるほど打ち込んでいたので勿体なかったかもしれません
碁にも殺陣にも吉原にもどこにも愛が感じられない
あまり悪口を言いたくはないが白石和彌監督が何故この古典落語が原作の凡庸な人情噺を撮ったのか分からない。松竹で京都太秦撮影所とその職人スタッフを使って時代劇をやってみたかったのだろうとは思うが過去に散々作られてきたテレビ時代劇をなぞっているだけにしか見えず物語への愛が感じられないのだ。いくら職人監督に徹したとしても対象への愛が無いのに映画を作るべきではないだろう。心底がっかりである。クライマックスをタイトルで盛大にネタばらしすることに何かメリットがあるだろうか?ストーリーもチャンバラをやりたいために盛り込んだ奥さんのリベンジドラマが中途半端でこれっぽっちもヒリヒリさせてくれないしお絹を吉原に売り飛ばした武士の馬鹿げたモラルを曖昧にしてしまっており不快。弥吉はお絹が吉原に売られたことを知った時点でなぜすぐに見受けしない?正月にお絹が家に帰るのを笑顔で見送る女郎たちにも違和感を覚えた。
石の下
白石監督が作る作品はエログロバイオレンスがメインで、今作のような時代劇は初めてで新鮮でした。
特典は小判ステッカーで洒落が効いていました。
古典落語がベースになっているみたいで、そのおかげもあって耳ざわりも良く、お話がスッと入ってきて見やすい時代劇になっていました。
訳ありそうな浪士の格之進の性格や暮らしが囲碁を通して描かれる前半と、娘を助けるために行う静かな復讐劇が後半と、1つの映画で複数の面白さが詰め込まれていて、表情だったり仕草だったりで伝わってくるものが多く、時代劇ならではの聞き取りづらさというのも全く無くて、それもまた良かったです。
囲碁自体は全く知識無くて、オセロの難解版かなーくらいの知識でしたが、スクリーンの中で淡々と進められる対決に釘付けになって、ルールが分からずとも勝負の進退が分かる作りがお見事でした。
大晦日の期限までに借金返済が間に合わなくて、これはやっちまったーとなったところで、女将さんがとぼけてくれてお絹を返してくれたところは思わず「女将さーん!」ってなってウルっとしました。
役者陣がこれまた本当に素晴らしく、草彅さんの優しい表情と濃い喜怒哀楽がたくさんあって、俳優・草彅剛をこれでもかと堪能できました。
清原果耶さんも「青春18×2」に続いて素晴らしく、立ち振る舞いが丁寧で見惚れていました。
中川大志さんの一歩踏み出せない感じの弥吉には観ている側も揺さぶられ、首を斬られそうになった時の首の血管や震えがとても印象的でした。
脇を固める國村隼さんの飄々とした感じ、キョンキョンの飴と鞭の使い分け、奥野さんの頼りになる部下の感じに斎藤工さんのダーティーな雰囲気とどのシーンを切り取っても隙のない演技合戦に斬られました。
映画全体を通して見るとインパクトには欠ける作りで、時代劇ならではのであえであえ!みたいなシーンはほぼ無いですが、無骨で真っ直ぐな切れ味抜群の面白いドラマが観れて楽しかったです。
格之進は何処へ、そんなラストも余韻たっぷりで良かったです。
鑑賞日 5/19
鑑賞時間 18:00〜20:20
座席 I-14
ヤナギの碁
清原果耶がまた男を虜にしておる。笑
それはともかく、全体的に自分は乗り切れなかった。
序盤はやけにゆったりしてる割に、源兵衛が打ち筋や経営方針を変えるほど格之進に心酔する理由が弱い。
やっとこ仇討ちに出ようとした矢先に嫌疑をかけられ、切腹未遂。
…だったら藩を追われた段階で腹を切るのでは?
何のドラマもなく、碁会を虱潰しただけで兵庫を発見するが、何故そこで頸を賭けて碁を打つ必要があるのか。
源兵衛との十両を巡る賭けも含め、毎回賭けをする理由が見当たらないんですよね。
腕を落とされた途端に潔くなる兵庫もよく分からない。
仇討ちが済むと、それまで娘を想う様子もなかったのに左門の進言でお絹のもとへ。
門が閉じ、弥吉から五十両が出てきたと知らされると、またも娘のことを忘れたように萬屋へ急行。
タイトルでネタバレしてるのに、散々引っ張り碁盤斬り。
最後は何事もなかったように和解し、弥吉とお絹が祝言をあげ、格之進は姿を消す。
旅に出る理由は分かるが、カッコよさ以外で黙って行く理由何かある?
画面の質感に統一感がなさすぎたり、あからさまにアテレコのシーンも違和感アリ。
大半のキャストが時代劇の台詞回しがハマッておらず、ツヨポンも棒読み迫力不足。
殺陣もまったく格好よくないし、障子に突っ込んだ際の3カメ演出には笑ってしまった。
五十両には何か謀があるかと思えばただのボケ老人だし、源兵衛は勝手に頸賭けられてるし、これ喜劇だろ。
上司の指示に従っただけで殺されかけた弥吉が不憫。(徳次郎はそれ以降気配を消すし)
硬派なタイトルの割に、中身は豆腐のようでした。
平均点以上だが、時代劇として疑問あり
落語が原案なので、時代考証的に正しいかどうかは、あまり期待していなかった。
とは言っても、「中国の碁の格言」というセリフを聞いたとき、江戸時代に「中国」と呼んでいたのか疑問に思った。また、吉原に身を売った絹が、いくら楼主のお康と一緒だったとはいえ、吉原の大門の外に出られただろうか?落語原案としても、こういった点はもう少し丁寧に考証してほしかった。
脚本については他にも納得できない点が多々ある。例えば、格之進の敵討ちの話。江戸時代でも、許可のない仇討ちは違法行為である。しかも、妻(卑属)の仇討ちは通常許可されない。しかも、この映画の場合、仇討ちの許可を誰にも(旧藩主に江戸の奉行所にも)得ていないのだから、格之進の行為は単なる殺人なのである。侠客の屋敷内のことということで済ませたつもりなのだろうが、それはあくまでも結果なのであって、格之進は他の場所でも柴田を斬っていただろう。というよりも、柴田とのエピソードは必要だっただろうか。絹が身売りする理由をもっともらしくするため、むりやり挿入したように思えてならない。原案である落語の「柳田格之進」では、武士の面目を保つためだけに娘を身売りさせるという描写なので、それでは現代では共感を得られないという判断なのだと思うが、無理矢理という感じが否めない。柴田が柳田を襲った理由も、映画の描写ではよく分からない。柳田の妻を手込めにしたなどというエピソードは入れずに、もっと柴田が柳田を嫌った理由をわかりやすく描くべきだったのではないか。エンディング近くで柴田が、柳田が実直すぎたという批判をしているが、この話をもっと前に持ってきて、丁寧に描いた方が良かったのではないか。
また、弥吉が格之進を疑っているというシーンも、その後の展開を考えると無理がある。落語の通り、格之進を疑っている番頭が格之進を訪ねて50両について訪ねるとした方がしっくりきたのではないか。
格之進が誰にも告げず、旅に出るラストシーンも意味不明である。いい役者が揃っているのに、脚本で勿体ないことになっていると感じる。
あと、長屋の店賃にも苦労していた格之進が、敵を求めて旅をするための旅費(路銀)をどうやって工面したのだろうか?娘を売った金から何両かくすねたとも思えない。そうしたところを丁寧に描写した方が面白かったと思う。
碁盤斬りの意味
武士として約束を違えず、真っ直ぐに向き合った碁に対して、碁盤を切ることでその生き方を少し変えて、柔軟に生きようとすることの表れですよね。
なので、両替商の2人を切る約束も反故にし、掛け軸もお金を工面するために不正に入手しようとした、と…
吉原の女将さんも約束を無かったことにしてくれて、この生き方もアリなんだと感じたんでしょうかね。
光と影の使い方が上手い
キョンキョン(小泉今日子さん)の横顔が、年齢を感じて嬉しくも寂しい。
とてもいい役で、はまってたんだけどあの甘くて少し高い声はNGかなぁと思います。
草薙くんの演技は、とても素晴らしいと思います。
でも、市村正親が出た場面で持ってかれました。
実力の差が映像に見えました。
清廉潔白が正しいのか、これからきっと探しに行くんですね。
落語の面白さを越えられていない
映像は綺麗。美術にもこだわっていて、セットも良い。草彅剛の存在感なども言うことは無い。
反面、登場人物の心の動きがいかにも雑。
心の動きの描写が良いだけに、そこが際立つ。
元々の柳田格之進を聞けば、番頭の描写など
もっと表現できるポイントはあったし、
吉原の人間の論理、武士の矜持など
どの登場人物にも芯が無いように見える。
前言を翻しすぎている様に感じた。
これは原作の問題なのかもしれない。
あと"中国"の一言はさすがに気になった。
そこは清でしょう。江戸時代に中国はありません。
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