碁盤斬りのレビュー・感想・評価
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脚本ミス?
柳田格之進、何処へ
しっかりした時代劇
久しぶりにいい映画を観ました
映画館で観るのは1年以上ぶりでしたが、よい作品に当たってよかったです。
草彅さん主演ということと、白石監督ということ、そして時代劇というのが観てみたいと思った理由です。一つ一つの場面が丁寧に描かれていて、幼い頃に観ていた古き良き時代劇を思い出してノスタルジックになりました。清原果耶さんという女優さんも着物がよく似合って、控えめだけれど芯の強い役柄がとても合っていました。國村隼さんという役者さんもベテランの方なので、流石、悪役かと思いきや善人になっていくその過程を見事に演じられていました(スクルージのようでした)。草彅さんの表情でのお芝居がとても好きなのですが、今回も眼光だけで怒りが伝わってきて、「これがミッドナイトスワンの凪沙と同じ人なのか」と思ってしまいました。物語も上手に伏線が回収され、「走れメロス」のようにハラハラする場面もあり、名作のいいとこどりのような展開でしたが、観覧後はとてもよい気持ちで家路に着くことができました。とてもいい日となった休日でした。ありがとうございます。
「囲碁」侍でテレビドラマ化したら?
またも後半失速するお決まり感
やっぱり後半弱い白石和彌映画の特徴をすべて兼ね備えていた。前半はほんといい滑り出し。囲碁の対局で清廉潔白なある意味変人と出会い、それに感化されて、國村隼演じるケチな金貸しが評判を上げていくあたりまではほんといい。そこから後半に転じる、一番重要な例の50両の件がかなりすっ飛ばすために、カタルシスがまったくなく、かつスピード感もない。時代劇の黄金期にはこんなモタモタした映画はなかったろう。そして誰が誰に惚れるとか、50両を握った、とか説明カットが多過ぎなのももたつく原因。そんなのバカでもわかるって。なくていいって。逆に番頭のいい加減さ、國村隼に何の情報がいってるのかいないのかがわからないのでドラマチックにもならない。丁寧にしなきゃいけないのはそこ、って感じ。起承転結の転の部分ですべてを背負って草彅剛が出ていかなきゃいけなくなるところが本当に背負わせきれてないのでドラマチックにならない。草彅剛だけがいい顔してるがドラマの説明が追いついてない。
しかし白石和彌の映画は毎回毎回こうも後半ダメになるのはなんなのか。不思議。つーか、もったいない。
草彅剛は絵になるし、若い二人も絵になってた。
しかしやっぱり山田洋次のたそがれ清兵衛というのはワンランク上だったのだな、とか思う
本格時代劇
ただの仇討ち話に終わらない。新たな形の時代劇!
大筋の仇討ちストーリーだけではなく、
大小様々な謎、色々な人間関係、時代劇だからこその江戸文化要素、囲碁勝負の中身の伏線・・・
それぞれがしっかり絡み合っていて最初から最後までわくわくしながら楽しめました。
前情報なしで見ると「碁盤斬り」というタイトルから想像できるものがほぼないため、どういう話になるかわからず、より面白いかも・・・。
(私があまり時代劇を知らないのもありますが、)
特にあの時代だからこその要素は結構面白かったかも。
・ああいうことで自刃したくなるのか、あるいは斬ってもよいのか。法の咎めは?
・柴田が碁の最中に水を求めた理由って、
食事の際に両手を見せて食べるマナーに通じるんだろうか
・柴田(斎藤工)が大男で通じるのは、あの時代の平均身長から
・好いた二人でも武家と商人がくっつくのは容易じゃないのか?
出自(身分)の設定を敢えて用意する必要がそこにあるのか
・あんなにあちこちに碁会があったり、祭りの最中にみんな碁をうってたり
実際あの時代はあんなに碁が流行ってたのだろうか・・・
などなど、、、。興味がそそられる部分はいろいろありましたが、それらが全て話にしっかり
関わってくるのが見てて楽しかった。
あとはとにかく草薙剛のキャラづくりが圧巻でした。予告の時点から、あの髭を伸ばした野生のような武骨なキャラ立ちに「この映画面白そうかも・・」と思えたし、その期待を裏切られず正解でした。斎藤工も良かった!
期待ほどでは
丁寧な映画
珍しい!草彅と斎藤の髭があったり無かったり。
草彅剛演じる柳田は、冤罪により彦根藩を去り、江戸の貧乏長屋で娘と暮らしていた。ん?判子職人やってんのかな?ま、仕事の話はでてこなかったけどね。それから囲碁で出会った國村隼演じる萬屋源兵衛。とてもいい感じの人で囲碁友達みたいな関係になる。そこで事件が発生し、柳田が犯人じゃないかと疑われる。そりゃ疑われても仕方ないよ。でも、やってないのに、何で証明しようとしないんだろう。もし、やり手の岡っ引きでも絡んでたら、すぐ無罪になっただろうな。
カチンカチンと大きな音の囲碁の対局シーンが結構多くて楽しいんだけど、自分は囲碁のルールが分かってないのでゲームの流れがよく分からなかった。そこ、ちょっと惜しかった。
とにかく柳田は真面目すぎる性格で、周りと争いたくないせいか、何かあると居なくなってしまう。コミケ能力無さすぎじゃないかな。
斎藤工演じる彦根藩の柴田兵庫、最初チョロっと出てから、ずっと出てこなかったので、もう死んでんのかと思ったら、後半再登場。いい奴なのか悪い奴なのか、よく分からないまま囲碁の勝負に。えっ!突然?何だか分からなかったが、自分を殺す為にやったのかな。
最後は萬屋が真実を思い出す。真実を明かして殺されようとする。ま、爺さんだからありえるな。あれ?ラストシーンは何だろう。いろんな事がモヤモヤしっぱなしで、ソコソコ楽しかったです。
センスが無い
なかなかの仕上がりの時代劇でしたが……
白石和彌さんが撮る時代劇ということでとても期待してましたが、その期待を裏切らず重厚かつしっかりと楽しめる一作でした。
ただ、少し違和感を覚える部分もありました。「講談や落語を原作とする以上、しょうがないのかな」と思っていましたが、調べてみると実は映画オリジナルであることがわかり、ちょっと残念さを感じています。
弥吉周りの展開のお粗末さは、まあ許容範囲内なのですが、仇討ち部分に関しては、50両の顛末とリンクしておらず、そちらを優先してお絹を見捨てかねない展開は、現代的な価値観とは相容れぬところがあり残念です。時代劇にそれを求めるのは野暮だと思いますが、今作られる劇場オリジナル部分なのであれば、少し話は別です。
同様にお庚が大晦の期限を都合よく忘れれたことにするのを粋と捉えるか、遊女に対する鬼の顔を物語の都合で変えたダブルスタンダードと取るかは、なかなか難しいところでしょう。
すべてが丸く収まる人情噺なのであれば、最後、格之進が旅立つのもやや違和感があります。
キャスト陣の素晴らしさ(國村隼さんが最高でした!)やこのご時世に原作付きとはいえ新作時代劇に挑んだこたはものすごく評価しますが、もう少し脚本をしっかりして欲しかったです。
正しき碁を打ち、真っ当に生きる
ようやく見れました、話題沸騰「碁盤斬り」。剛くんがやって来たというのに1日1回しか上映しない映画館があるせいで、1週間遅れての鑑賞になってしまった。(結局そこで見てないんだけど、)
白石和彌監督×時代劇、そして草なぎ剛を初めとした錚々たるメンツ。上がりすぎていたハードル、むしろ不安だったのだけど、見事に超越してくれました。時代劇の良さ、そして白石和彌らしさ。時代劇好きも、そうでない人も、映像と音楽の上品さ、監督特有の演出の巧妙さに虜になること間違いなし。白石監督が時代劇を撮る上で考えつく、最高のテーマとキャストじゃないだろうか。いやぁ、面白いっ!シンプルながらに、綺麗な脚本だなぁ。
古典落語の演目の映画化ということで、"刀"を使った戦闘は少なく、リアリティよりもアイデア、エンタメに特化した作品であるため、「鬼平犯科帳」のような重厚感ある本格的なドラマは本作では見受けられない。ただ、単に時代劇ではなく、落語原作だからこその面白さだってたんまり。なんで気づかなかったのかと、始まって早々自分を恥じたのだけど、タイトル通り、この映画は〈囲碁〉がメインテーマ。碁を打つことで人生が大きく左右されていく人々が濃密に描かれており、いかにも落語っぽいストーリー構成になっている。
さほど影響は無いかもしれないけど、碁のルールはきちんと抑えていた方が、心を通わせていく格之助と源兵衛の間柄、柴田兵庫との緊張感が伝わってくるはず。これっぽちも知らないのは、この映画を100%楽しめていない気がして悔しかった。これは、ちゃんと勉強して見直さなければ。
にしても、こんなにキャストだけで楽しい映画も久々だな。清原果耶の美しさは健在。中川大志もハマり役だったし、小泉今日子も何だかんだで好演。奥野瑛太と音尾琢真の安定感、最近優しい國村隼。なんたって、斎藤工演じるゲス野郎はたまらなく良かった。もっとクズ演じてくれ。
竜頭蛇尾な作品で完全な期待はずれ!
極めひと・白石和彌の“新たなる代表作“
ラストに向かい潮のような感動が堰を超えて押し寄せて来る。
そんな稀有な体験をした。
時代劇を初監督した白石和彌。
やはり只者ではない。
初時代劇でも到達した頂きは高く、
望むか望まぬか知らぬが高みを極めてしまう孤高の人である。
主役を演じる草彅剛の貧乏長屋の浪人・柳田各乃進。
この映画の原作は古典落語の人情劇だという。
その格乃進だが、
はじめ、中盤、そしてラスト、
顔も表情も佇まいも一変する草彅剛。
世を拗ねた貧乏浪人が、自分を嵌め、妻を死に追いやった男
・・・つまり宿敵・柴田兵庫(斎藤工)を各地の祭りで賭け碁を
する宿場を訪ね歩く。
各乃進は無精髭がボウボウと伸び、眼は落ち窪み、
復讐の篝火に荒む姿は鬼・・・三船の用心棒・・・黒澤明の世界にも
足を踏み入れる。
また一方で各乃進は囲碁を通して懇意になった質屋の店主・
萬屋源兵衛(國村隼)の碁の師匠であり、思われ人となる。
しかしとんでもないとばっちりから、50両を盗んだ嫌疑を
掛けられてしまうのだ。
金に窮した娘のお絹(清原伽耶)は自分の身体をかたに、
女郎屋の女将(小泉今日子)の店の手伝い女になるのだ。
ここでややこしい話しを単純明晰にする脚本。
3年を費やした脚本の加藤正人の無駄のない引き締まった仕事。
この映画の主人公・柳田各乃進は囲碁と同じに白と黒を
ハッキリと付けるのを好む。
曲がったことが嫌いで妥協をしない。
その性格は軋轢をもまた産むのだ。
各乃進は祭りや人の集まる場所で開かれる碁会所を兵庫めあてで訪ね歩く。
身長184センチの偉丈夫・斎藤工に対して、
身長170センチの草彅剛は如何にもみすぼらしい。
しかし偉丈夫・柴田兵庫を遥かに超える大音声と熱量を
草彅は秘めていたのだ。
白石和彌の熱量。
草彅剛の熱量。
首を介錯するシーンのリアル。
題名の「碁盤斬り」その文字通りの意味するシーン。
そのシーンの凄みある美しさ。
この映画は正義を通して復讐を果たしても、
飽き足らぬもの。
復讐を果たした男は「用心棒」の桑畑三十郎のように、
安住の地を去っていくのだ。
草彅×時代劇 最高
元は古典落語の演目で、江戸の頑固者と人格者、おっちょこちょいの人物が出てくる話だが、白石和彌監督らの手により、過去に濡れ衣を着せられた因縁と碁をめぐる復讐劇に様変わりしている。これぞエンターテイメント!映画として単純に面白かったです。
吉原の演出や碁所のお庭の演出は少し異世界風の演出。
大河ドラマ「青天を衝け」で徳川慶喜を演じた草彅剛さんが凄まじかったので、またあの時のような格別の時代劇を観ることが出来て大変満足。
それにしてもお絹は弥吉のどこがよかったんだろうか。こっちはまだ許せてないぞ!笑 というくらいラストの結納のタイミングが早すぎた。
また、50両を盗んだという疑いをかけられた格之進が、激昂しながらも娘のお絹の計らいで50両を工面するシーンは、落語の演目では大金が消えた事実があるため奉行所の取り調べを受けなくてはならないことが不名誉だという理由で一旦は50両を戻し盗難自体をなかったことにするのだが、ここら辺の描写が省かれていたので何で返しちゃうの!?と前半は色々と気になることがあった。
後は50両(現代だとおよそ500万)もどこに置いたか忘れるなよ!笑
草彅剛のミッドナイトスワンを、劇場で観なかったのを後悔したから 今...
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