碁盤斬りのレビュー・感想・評価
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殺陣の練習たいへんそぅ。
たくみくん悪役、きっちりうまし草なぎくん、舞台オヤジ市村パパ、若手うまし青年中川くん、老舗ベテラン國村さん、歳そぅ応に成長キョンキョン、これからガンバレ清原果耶ちゃん。ラスト辺の中川くんと國村さんの感動演技に涙涙。ここらへんで碁盤斬りの意味が解る。良かったですねぇ。
登場人物の行動原理がよくわからない。
期待していたが、あまり良くなかった。
基本的に主人公の行動に一貫性が感じられない。
清廉潔白な生き方をしていると自ら言うわりには、生活のために稼いだ金を賭け碁に使って失ったり、家賃を滞納し取立屋への言い訳のため娘に嘘をつかせたり、金を盗んだ嫌疑をかけられた際になぜかその金を払おうとして娘を遊郭に売りに出したり、碁会所で果たし合いを勝手に始めそのせいで死人まで出し周囲に迷惑をかけたにも関わらず詫び一ついれずにその場から去ったり、苦労して奪還した軸を盗んだり、そして最後は失踪(?)したりすると挙げればキリがない。どれも心理描写がないので行き当たりばったりの行動にしか見えないのである。基本的に自分にしかベクトルが向いていない感じ。
その上、急にキレだすきらいがあり、情緒にも問題があるようにも見える。
武士は恥を晒して生きるよりも自ら腹を斬るか、雪辱を果たすしかないといった精神性を描きたかったのかもしれないが、町人相手に情けもなく首を取ろうとするのは武士の行動なのだろうか?そもそも武士らしい人格を持っているようには見えず説得力がないので、やはり情緒が不安定な人にしか見えなかった。
小説が原作のようだがそちらではそれらの行動の変化について心理的な描写があるのだろうか?少なくともこの映像からはそれがまったく感じられなかったのが残念。
主人公の周りの人間も不器用な人が多すぎる。もっと上手くやれば大事にならなかったような出来事ばかりで見ていてストレスを感じた。娘もあれほどひどい目に会ったにもかかわらずその元凶となった家に嫁ぐのは無理があるのでは?碁盤斬ったから全部水に流すってそんな理屈は理解できない。
あと例の碁盤斬りのシーン、斬ったあと何も起こらずに少し立ってから碁盤が割れるみたいな演出はさすがに寒いからやめて欲しい。普通に斬って二つになった様子だけ見せてくれれば良い。劇場では観客から失笑が起こっていた。てっきり昔修めた剣術流派の奥義が「碁盤斬り」で、相手を碁の目のように十文字に斬るとか、必死の状況で逆転する剣みたいなものを想像していたが全然違った。
藤沢周平の隠し剣シリーズのような浪漫を期待していたが、タイトルの回収方法があまりにも安っぽく本格時代劇には到底なりえないと思う。
と思っていたが、これ落語が元なのか。
どうりでリアリティのない展開が続くわけだ。
これは武士道なのか?
草彅剛、清原果耶、國村隼ら俳優陣の演技はよかったと思うし、中盤までは楽しめたのですが、途中からの展開に納得できなくてちょっと冷めた目で見ていたので、ラストもあまり感動しませんでした。近くの席でスマートウォッチを何度も光らせて、うっとうしかったおばさんが泣いていたのでよけい白けてしまいました・・・
まず最初で、滞納していた家賃を払うためのなけなしのお金を、一時の感情のまま失うダメさ加減にイラっとしましたが、それは一本気な武士のありさまとして受け入れはしました。しかし中盤のある場面からはあまりにも展開がバカバカしくて脚本家に腹が立っていました。いくつかを列挙すると、
①50両のことを確認するために番頭に言われるまま中川大志が草彅に話をしに行くけど、あれだけ一本気の武士に疑いをかけたらどうなるかは火を見るより明らかなのに、大旦那の了承も得ずにノコノコ言いに行くなんてありえないです。しかも街中で。脳みそないんじゃないですか?
②草彅も疑いをかけられただけで、なぜそれを弁償しようとするのか意味が分かりません。しかも愛する娘を女郎屋に預けてまで。そもそも50両返したら、盗んだことを認めることになりませんか?
③草彅が50両を持って行ったときに、中川に冤罪の時は命をもらう約束をしましたが、その時大旦那の命ももらうといい、それを勝手に中川がOKを出したのでずっこけました。いや他人の、それも命の恩人の大旦那の命を何だと思っているのでしょうか?
④女郎屋の小泉今日子は、足抜けしようとした女郎には鬼の扱いをしたのに、自分が気に入っている清原には甘いんですね。てっきり期日を過ぎたのでそこは約束通り女郎にすると思ったのに、あっさり帰すなんて拍子抜けしました。草彅も武士なのに、都合のいい時は約束をたがえてもあっさり受け入れるんですね。
⑤最後に國村と中川がお互いにかばい合う場面も結果が見えちゃってるので、茶番にしか見えませんでした。だってあの状況で映画のタイトルが「碁盤切り」ですよ。誰だってオチは見え見えですよ。見ていて「あー、はいはい予定調和ですよね」と思っちゃいました。
⑥一番腹が立つのは性悪説の塊の番頭ですが、こいつのせいでトラブルが発生しているのに、大旦那はなぜかクビにせずにそばに置いているのが不思議です。ラストの祝言でも音頭を取っているし・・・
⑦あとは碁会所での殺陣の場面ですが、なかなか草彅に刀を渡さないのは、ハラハラさせるためなんでしょうか。ほかのサンピンたちの一人が渡せば簡単なんですがね。
⑧最後に草彅が清廉潔白なだけではだめだと悟り、お金を藩にいた人たちに渡すために旅立つのだと思いますが、そもそもその人たちは草彅のせいで不幸になったのではないのに、なぜか責任を感じているのがよくわからないです。斎藤工が「お前が藩主に直訴したからだ」とか言っていましたが、いや、お前が草彅を陥れるために画策したことが原因だろうと突っ込みを入れてしまいました。
と、いろいろ書いてしまいました。脚本さえちゃんとしていたらもっといい話になったと思うので残念です。
見応えあり!ただし、囲碁・落語・江戸時代に関心がない人は辛い作品か
映画で時代劇を観るのは初めて。
今回の作品は草彅剛が、映画の時代劇初めてであることと、白石和彌監督作品、落語の演目をベースにした作品が気になったので鑑賞した。
草彅剛の時代劇はパンフレットによると舞台蒲田行進曲以来とのこと。
作品は見応えがあった。後半は時代劇でもおなじみの設定だったが、草彅剛をはじめ出演者の演技に説得力があった。囲碁のシーンは素晴らしかった。
白石監督さすが。
ただ、囲碁や吉原、落語や時代劇に詳しくない人には辛いかもしれない。
見事な作品でした。
囲碁、時代劇、落語、江戸時代に関心がある方はおすすめしたい作品です。
ちなみに囲碁の日本棋院も撮影に協力していて囲碁ファンなら御馴染みの井山三冠と藤沢女流二冠がエキストラで出演していたとの事ですが、全然見つかりませんでした。
良質の時代劇。画竜点睛を欠く
貪れば勝ちを得ず
身に覚えのない罪を着せられ、彦根藩をおわれ浪人となり、
娘お絹と二人、江戸の貧乏長屋で暮らしていた、柳田格之進。
実直な性格、そして武士としてのプライドを併せ持っている。
趣味の囲碁においては人柄が表れ、嘘偽りない勝負を心掛けていた。
そんなある日、訪ねてきたかつての同僚、旧藩士より冤罪の真相を聞き、
復讐を決意。ところが時同じくして、新たな冤罪、嫌疑がかけられる。。。
予備知識なかったけど、評判がよかったので、観に行ったが、
もっと時代劇かと思ったら、ちょっと違った。
おまけに囲碁はわからないし・・・
ただ、冤罪の真相を聞いてからの格之進の変貌には驚き。
そして、復習、仇討ちのため、旅に出るわ、娘は吉原に行くわ。
ラストでは碁盤が・・・タイトル回収~
でも、あの掛け軸はどうしたのよ、まさかエンディングの資金?
そして、ハッピーエンドかと思いきや、彼はいずこへ?笑
主人公格之進役の草なぎ剛さん、性格や表情の変化、
前半は静寂、後半は熱いものを前面に出しての仇討ち、まさに復習の鬼、
さすがでした。
娘お絹さん役の清原果耶さん、可愛らしいですね。
先日の青春18に続けての映画でしたが、すっかりファンです笑
萬屋源兵衛役の國村準さん、さすがの渋さ。ちはやふるの先生だもんな。
でも、お金をちゃんと・・・
それに、柳田さん信じているのなら、もう少し対応の仕方があったのでは。
弥吉役は中川大志さん、こういう弱々しい役もとても合うよね。
番頭さんの言いなり、そしてあらぬ疑い、ダメっぷりがばっちり。
お庚役は小泉今日子さん、久しぶりに観たよキョンキョン。
お絹さんだけひいきしてるし。
敵である柴田兵庫役の斎藤工さん、かっこいいのに、嫌な役でした。
六尺の大男、やっぱり仕込んでいたか、って。
役者さんの芝居はさすがの一言だったのだが、
ストーリーがいまいち入ってこなかった。
貪れば勝ちを得ずという言葉だけが頭に残り、
映画を観終わった後、スマホでメモに書き留めた。
・・・映画終わってから、ネットで見て知ったのだが、
柳田格之進というのは、古典落語の演目らしい。
別名として「柳田の堪忍袋」「碁盤割」とか。
なるほど。。。笑
現代にはもう無い真っ直ぐ過ぎる生き方
草彅くん、良かった!…⭐︎
前評判も良く、草彅くんと白石和彌監督ということで鑑賞。
いやいや、なかなか本格的な時代劇でした。
無実の罪で彦根藩を追われ、娘と二人(最初、清原果耶が娘なのか妻なのか迷ったのは自分だけ?)で江戸で
暮らすが碁会所で國村隼演じる萬屋原兵衛と出逢ったところからいろいろな意味で運命が動き出す。
草彅くんが清廉潔白な武士にピッタリ。
岡村隼はもちろん、中川大志はいかにもと言う役どころ、小泉今日子も良い感じ。
でも、個人的には悪役の斎藤工が面白かった。
でも、何よりも白石監督のカメラワークと照明が素晴らしい!
月見の会のろうそくや終盤の賭け碁の明かり、吉原の雰囲気などなど…すっかりと江戸の街に
いる雰囲気に浸れる。
ただ、物語は一応「敵討ち」の話しなのだか、予想通りの展開で中弛みも感じてしまい若干の
物足りなさもあるかなぁ…。
それでも見る価値あり。
「虎狼の血」を撮った監督とは思えない美しい映像。
良かった。
こんな王道の時代劇を、バイオレンス過ぎて敬遠気味だった白石監督が撮るなんて驚きだし、感動でもう胸いっぱいです。
古典落語『柳田格之進』をベースにした時代劇映画。「孤狼の血」シリーズなどの白石和彌監督にとっては初の時代劇監督作品となります。草彅は『ミッドナイトスワン』以来4年ぶりの主演映画となり、時代劇映画としては2009年の『BALLAD 名もなき恋のうた』以来15年ぶりの出演となりました。
時代劇が苦境と言われて久しい今日。主題となる義理人情や忠義、互譲の精神は、個人の幸せを求める競争社会では 「弱さ」にも感じられます。本作は型やケレン味を強調した古典的な作品とも、セリフ回しや所作を今風に崩した試行錯誤の作品とも異なります。時代劇の文法に即しながら、現代人の心情にもかなう、いい塩梅に仕上げられた作品です。
●ストーリー
とある事件のぬれぎぬを着せられ、妻を亡くし故郷の彦根藩を追われた浪人の格之進(草彅剛)は、娘のお絹(清原果耶)と江戸の貧乏長屋で2人暮らしを余儀なくされていました。実直な格之進は、かねてたしなむ囲碁にもその人柄が表れ、嘘偽りない勝負を心がけていたのです。
ある日いつもの碁会所に立ち寄った格之進は、無類の囲碁好きな商人、源兵衛(國村隼)と出会います。しかし彼の打つ囲碁に表れる誠実な人柄に惚れ込んだ、源兵衛は格之進を度々呼んでは碁に興じ、酒を酌み交わす関係となるのでした。
しかし源兵衛の家で50両が紛失する事件が起こり、格之進は番頭から窃盗の容疑をかけられてしまいます。激した格之進は武士の誇りにかけて、「金が見つかったあかつきには源兵衛と番頭の頭を貰い受ける」と言ってのけるのでした。
番頭の徳次郎(音尾琢真)から報告を受けた源兵衛は、無礼を詫びようと格之進の長屋に急ぐものの、家はもぬけのからになっていました。
実は旧知の藩士梶木左門(奥野瑛太)からかつての冤罪事件の真相を知らされた格之進は、同時に妻を拐かし、死にも追いやった両方にからむ柴田兵庫(斎藤工)を討つために旅に出たのでした。お絹は仇討ちの足かせとなったを盗んだという父の不名誉を晴らすため、格之進の知り合いの吉原の遊郭の女将お庚から、50両用立ててもらい、その身代わりとして店に身請けされてしまっていたのです。
●解説
落語の人情話を下敷きにした、あだ討ち時代劇。誇り高く激しさを秘めた武士の格之進を、草彅が風格たっぷりに抑制した演技で好演。新境地を見せてくれます。
碁会所で2人で碁に興じている中、大金盗難の疑いをかけられる。娘と長屋暮らしという身の上もほぼ落語通ですが、過去の遺恨と、それに伴うあだ討ちを絡めたところが新機軸です。
映画ではここに、格之進が藩を離れる理由となった、柴田兵庫という新たな人物を登場させています。彼も囲碁の達人でありますが、やはり碁に人柄が表れて、彼の対局は自己主張が激しく荒々しいのです。でも序盤の布石は「三連星」という、辺の星に石を3つ並べて打つシンプルな形なのがアンバランスです。
嫉妬深い兵庫は逆恨みで同僚たちを落とし込んだあげく、それが諸々の仇となって、兵庫は追われる身に追い込んだのでした。この人物像は、三隅研次監督の「座頭市地獄旅」(1965年)で、侍としては優秀だが、将棋の対局では激して我を忘れる十文字純(成田三樹夫)という、とても魅力的なキャラクターを思い出させました。
また囲碁が重要な要素となっているのも好感。実はわたしも高校時代は囲碁部。なので物語の主軸に対局シーンがからむ展開を楽しめました。特に詰碁でしかお目にかかれない奇手が伏線となり、クライマックスの圧巻を飾ることには感動しました。
近年の将棋人気と比べると、囲碁の存在感はもう一つ。勝負の展開が分かりにくく映像映えしないせいか、囲碁を題材とした映画もとんと見かけません。しかし本作では、囲碁の奥深さと格之進の複雑な内面を重ね、碁を知らなくても盤上の緊迫感が伝わる作りなのです。折しも本因坊戦五番勝負の真っ最中。本格時代劇としても囲碁映画としても、見応え十分。皆さんもこれを機会に碁会所の門を叩かれてはいかがでしょうか。
斬新な作品を撮って評価され続けてきた白石監督だけに、白石組の実力も確かなものです。精緻で緩みのない加藤正人の脚本を土台に、美術の今村力、録音の浦田和治らベテランの力量が支えました。とりわけ、歳時記を思わせる撮影が素晴らしいです。山笑う春を起点に、薫風の夏、すすきの秋、小雪舞う冬、そして、春を告げる梅の季節へ。格之進の歩みと日本の四季が響き合います。特に吉原に満開の桜を咲かせた映像は秀逸。遊郭ならではの爛漫な春を再現していました。
但し、全体的な色調が暗めなのは、当時の街や室内の明るさを意識したからでしょうか。ろうそくなどの光による室内のリアルに近い暗さと、張り詰めた演出は秀逸です。そんな障子越しの柔らかな光が、父娘のつましい暮らしを際立たせます。
さらに灯火がゆらめく月見の夜。名所を望む晴れた日の水辺、格之進と源兵衛が様々な趣向で楽しむ対局シーンも風情がありました。
演技面では草彅ばかりでなく、吉原遊郭の女将お庚役の小泉今日子、賭場を仕切る親分役の市村正親ら助演級も時代劇のイメージはないが、限られた登場シーンで存在感がたっぷりありました。
●感想
やはりなんといっても注目は、タイトルの所以となった50両が見つかったことを話し詫びるシーンです。無口な格之進が激高し、約束通りその首頂戴するとなったとき、映画ではどうなるのかご注目ください。あの緊迫感は、名シーンだと思います。
ところで窃盗の濡れ衣を着せられた格之進は、武士の体面を重んじるあまり、断腸の思いで娘を犠牲にしようとします。果たしてそれは、正しく汚れのない道だったのでしょうか。実直な囲碁に表れていたものは、格之進の融通の利かなさという負の面ではなかったのでしょうか。そんな自問をにおわせ格之進の悔恨に思い馳せるラストでした。大団円とは異なる幕切れには、白石監督ならではの鋭利さを残していると思います。
また実直な格之進の影響か、金にうるさかった源兵衛が次第に温厚に変わっていく変化も見どころです。源兵衛は後半で、壁に掛ける家訓を「不得貪勝」(則れば勝利は得られない)に改めます。これは碁の心得「囲碁十訣」のひとつです。囲碁愛好者なら、戦術が絡んだシーンが要所にちりばめられているので注目してください。
さらに殺陣や立ち回りといった派手な場面もありますが、最後は武力ではなく、頭脳戦の囲碁で仇敵に向かい、勝敗を決するところに新味を感じました。そこにドラマチックな妙手がからむとなるとなおさらです。
●最後にひと言
まな娘絹の縁談といった小津映画的なモチーフを、裏稼業の人々、アンチヒーローを得意とする白石監督が描くところが味わい深いと思いました。恥、情けといった徳が健在でホツとします。とにかくこんな王道の時代劇を、バイオレンス過ぎて敬遠気味だった白石監督が撮るなんて驚きだし、感動でもう胸いっぱいです。
新たな風が吹き込むことで、時代劇も再び活気づいてほしいものですね。
さすが白石和彌
さすが白石和彌監督、初時代劇とは思えない手堅さでこぅパーツが思ってたところにビシビシっとハマるような見事な作り。
基本的にはリアリティ重視の演出ながら、終盤のクライマックスには鈴木清順すら思わせるような画面造りもあり、やっぱり油断できない白石和彌。殺陣も劇伴も良かったよね。
ストーリーも、落語みたいに綺麗にまとまった話だなぁ、と思ってたらやっぱり落語だったのね…
落語の演目だからみんな知ってるだろうし構わない、って判断なのかもしれないけど、予告のシーンはちょっとネタバ… まぁタイトルもと言えばそうなんだけど…
キャストの芝居も素晴らしい。草彅剛の矜持、清原果耶の清麗、奥野瑛太の直実。仏と鬼の顔を使い分けられるキョンキョンも、人生を悟って変わる國村隼も良いが、一分の理があるとも思わせられる斎藤工もナイス。
久々の時代劇!
私には草彅剛という不思議な俳優で『上手い!』では無く、『良いな〜』と感じさせる役者です。そんな草彅君を観るために『碁盤切り』観に行って来ました!
脇を固める俳優も良く楽しめました。
帰ってから古今亭志ん朝の『柳田格之進』を観ましたが、万屋源兵衛の番頭が話を回す側なのですね…
監督がインスパイアされたのは『水清ければ魚棲まず』の部分だと思われますが、映画では斎藤工のセリフと万屋との碁の下りくらいでしか表現されないので、最後も格之進が変わったという所が今一つ響かない。 相も変わらず、信じた道を進んでいる様に見えるラストでした。
やっぱり草彅君は自然体の役者なのか? 私の中ではノンと菅田将暉がこの分類に入ると思うのですが…
トムクルーズは別、あれはスター分類です!
リピート確定
素晴らしかった
まず初めに、音尾さん疑ってすみませんでした。
白石監督作品は凪待ち以来二作品目。お金の紛失事件をきっかけに、あの人が怪しいとかあの人は裏切りそうだとか、いろいろ勘繰ってしまって格之進様に一刀浴びるべきだったのは自分だった。時代劇は剣戟も好きだけど、やはりドラマ部分がしっかりしてこそ秀逸な作品になるのだなと思った。
そして今回も主演の草彅剛さんを始め、清原果耶さん、國村隼さん、斎藤工さんたちの名演に心が動かされました。商人の源兵衛と格之進が打ち解けて囲碁仲間になったときのあの國村隼さんの笑顔はどこでも見たことがないほど優しくて、まるで素のようなお顔に、こちらも一緒に微笑んでしまった。中川大志さんや奥野瑛太さんも今回はとてもいい役どころでしたね。若い人が泣いたり迷ったりする姿は、けして滑稽ではなくそのキャラ自身の成長や真摯なる決意を導き出すきっかけにもなって、思い入れが強くなります。前半は格之進と源兵衛の友情シーンが主なので、このまま囲碁を打ちながら、こんな平和が続けばいいのにと思ってしまった。まぁ物語上そうはいかず。
碁盤を挟んだ戦い、ヒリヒリするような駒運びの一挙手一投足に固唾をのんで見守りました。剣戟は少なかったものの、その分静と動の緩急が見事で、緊張感もあってよかったです。囲碁のことをもっと知っていたら、分かることも増えたのかな。命をかけて昼夜囲碁をする二人を囲んで、周りの人たちの顔色と空気がどんどん変わっていく。また、見守る側の観客による盤上の説明もあって、同じく一緒にのめり込んでいきました。見栄や虚ろな斎藤工さんの敵役、とてもいいですね。
最後の格之進の強行に、どうかどうかと願わずにはいられなかった。武士としての矜持に限らず格之進自身の己の行いに関して自問自答もあり、ラスト含めて家族への愛を貫いた素晴らしい作品でした。鑑賞後の晴れやかな気持ちを、そのまま友人や家族にも話したいと思います。お薦めです。
碁の道‼️
最近の時代劇は参勤交代とか、引っ越しとか、コメディ・タッチの作品が続いてゲンナリしていたのですが、今作は久しぶりの本格的な時代劇だと思います‼️核となるのは仇討ち‼️濡れ衣を着せられ、藩を追われたあげく、妻を自殺に追いやられた一人の浪人の仇討ちを描いています‼️この作品で重要になってくるのが囲碁‼️主人公・柳田格之進と碁敵である萬屋の主人、源兵衛の対局‼️序盤の時を変え、場所を変え、繰り返される二人の囲碁の対局のシーンの美しさは詩的とすら言える‼️囲碁の道が商いの道へ、武士の道へ、そして人間の道へ‼️加えて、格之進の心情を表現してるとも言える自然描写も印象的で、長屋に射し込む陽の光や、清原果耶ちゃん紛する娘のお絹に、母の死の真相を告げる土砂降りの雨のシーン、仇である斎藤工の柴田兵庫との囲碁のシーンの、山々を美しく照らす夕焼け、大晦日の雪など、ホントに素晴らしいシーンの連続‼️そして物語は、萬屋での五十両紛失事件で格之進に嫌疑がかかり、お絹が遊郭に連れられ、格之進の仇討ちと五十両紛失事件の真相、年明けまでにお絹を救い出さねばならないというカウントダウン的なサスペンスまで、怒涛の展開で息もつかせぬ面白さとなっています‼️格之進と兵庫の囲碁のシーンからの、殺気みなぎる殺陣シーンもホントに手に汗握らせます‼️主役の草彅剛もそれなりに頑張ってるし、江戸に住む健気で明るい娘役がピッタリの清原果耶ちゃんは、その所作も含めて完璧‼️また時代劇をやって欲しい‼️格之進に感化されていく源兵衛役・國村隼さんもホントに上手い‼️敵役の斎藤工はもっと殺陣を練習しなきゃダメ‼️ラスト、すべてがうまく収まり、格之進と源兵衛ののどかな囲碁のシーンでハッピーエンドかと思いきや、格之進は自分のために貧しい暮らしを強いられているかつての城中の者たちのための贖罪の旅へ‼️ウーン、映画としての格が上がるラストシーンでした‼️
柳田格之進に文七元結風味をプラス
落語の柳田格之進が好きなので、公開翌日に見に行きました。最初は、萬屋源兵衛が落語での人物像と違いすぎだので戸惑いましたが、格之進との出会いで変わっていったのでひと安心。お絹役の清原果耶は、清らかなイメージの女優さんで昔から好きでしたが、この映画ではそれがより出ていてぴったりでした。
この映画を見て、草彅剛という役者のすごさが今まで以上に実感できます。最初の、どこかあきらめたような寂しい空気を漂わせていたのに、萬屋源兵衛との友情が生まれるところは感動します。でも、その後の彼が浪人となった真相が判明したときの、憤怒の表情と殺気を噴出する場面は、思わずこちらも身がすくみました。
ラストに関しては、どのサゲを使うのかなと思っていたら、割と古いサゲを使っていましたね。でも、現代の観客も納得する伏線があって素直にお絹さんの幸せを喜べます。柳田の今後の身の振り方も彼らしい結末だと思いました。
キョンキョンが貫録の女将を演じていますが、情があって優しいが冷徹な経営者の一面を見せる場面もあり、落語の文七元結の角海老(だったかな)の女将さんをほうふつとさせますね。それと、貫録と言えば市村正親!地元の親分を演じていますが、こちらも貫録でさすがの一言でした。ひとつ、不満を言えばなぜあんなに柳田を憎むのかもう少し納得できるエピソードがあればよかったかなと、個人的には思いました。
ひさしぶりに、時代劇を映画で見ましたがとても良かったです。感動しました。
評判ほどには
日曜朝イチ上映で、中高年のご夫婦を中心に結構観客は入ってた印象。
草薙クンって、主演でドラマや映画に出る度に話題になるって印象がある。
作品が地味なものが多いので「ヒットメーカー」みたいな言われ方ではないけど、評価されてるんだろうな。
で、本作。
草薙クン演ずる柳田格之進は、クレバーでクールな浪人かと思いきや、あることをきっかけに「復讐の鬼」と化してしまう。
「時代劇」というよりは、落語の「人情噺」という感じ。
(…と思って調べたら、やっぱりモチーフは落語だったみたい)
草薙クンの変貌ぶり、飄々とした國村隼っぷり、小泉今日子の貫禄…、映画としての見応えは確かにあった。
ただなぁ。
自分に見覚えのない嫌疑がかけられて、それがもとで妻は命を落とし、娘は売りに出される。
「ねぇ、あなたはナニしてるの?」
もちろんその時代の「武士たるもの」「男たるもの」といった常識もあるだろうし、あくまで落語がモチーフ、ってこともあるんだろうけど、萬屋の源兵衛に直談判して身の潔白を伝えることもなく、娘が自ら置屋に身を投じて手に入れた金でひとまずやり過ごす。
「大晦日までに必ず…!」
じゃねーよ。
妻の仇討ちと、娘の肩代わりした金とは、まったく別の話じゃんか。
そんな男にはやはり心のどこかで同情しきれない部分が否めない。
あと、これは時代劇を見慣れない私の勉強不足かも知れないけど、草薙クンと斎藤工の「殺陣」って、あれはどうなの?
私にはそれ以外の役者の太刀筋のほうが鋭かった気がするんだけど。
草薙クンの身のこなしは良かったとは思うんだが、剣さばきは気になった。
というワケで、かなりモヤモヤが残ってしまった分、皆さんのレビューほど高い評価にはならなかったな。
あと、あの入場者特典の小判50両のアレは何だろう。あれをどうすればいいのだろう。
シールでもなくカードというワケでもなく。
…何だろう。
仇討ちに加えて落語ベースということで更なる設定が加わる。この時、清...
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