碁盤斬りのレビュー・感想・評価
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良い意味で時代劇らしくない時代劇
江戸時代の部屋の「暗さ」
古典落語の「柳田格之進」を基に、新しい部分を加え、映画化したものです。しかし、先に書きますが、この「新しい部分」が、それまでの色や雰囲気と違って、全く別の作品のようにも見えます。この部分が気に入らなかったのですが、清原果耶効果で★4つってことに(笑)
あのね、監督が「孤狼の血」や「死刑にいたる病」の白石和彌監督ってことで、彼の作風が時代劇や草彅くん、果耶ちゃんのキャラに合うかどうか心配でしたが、さすがの名監督でした。私が一番感心したのは、江戸時代の夜の部屋の暗さをちゃんと見せてくれたこと。映画館ではもちろんちゃんと見えますが、この作品はソフト化されTVなどで観ても、部屋の中を暗くしないと見えないと思います。もちろん照明にこだわっているのでしょうが、部屋の中で灯されているロウソクのみで撮影したんじゃ?と思わせてくれるくらいの暗さでした。
落語の人情噺が基なので、話の前半と後半は落語の世界をすごく感じますが、真ん中の部分がそれこそ「とってつけた」ような感じになり、草彅くんが演じた柳田格之進が別人に見えてしまいます。ましてや掛け軸をくれろって?(笑)
でもまぁ・・・最大の「ネタバレ」はタイトルかもしれませんね(笑)そこはそれほど重要じゃないのかもしれません。だとしたら「柳田格之進」でもいいと思うのだけど。
今や邦画は世界へ
本日2回目。
オマケのステッカーは百両に😁
落語の「柳田格之進」と言う話が元となったみたいで、何人もの咄家の話も聞いた。
落語は30分~40分の物が多く、咄家によって少し、話が変わったり、話し方で好みが変わったりするもので、聞いてみると面白いものである。
こちらは映画なので、話が足されて、落語では、ん?って思う所も、上手く繋がって、完成された話になってる感じだ。
落語。碁。と言えば、ご年配向けと思うだろうが、、いやいや!今や邦画の対象は世界へですよ‼️
侍の美学!日本の心!は世界に響くであろう‼️
つまり、俳優 草彅剛は日本が誇る 素晴らしい俳優だと思います。
ジェンダーも演じて、侍の佇まいも演じれる、そして あの普段とのギャップは、他に例のない新しい俳優さんですね✨
素晴らしい‼️
武士のプライドと信念
許すというのがこの作品のテーマかも?
色々な事実が少しずつ明らかになってくるので、ある意味どんでん返しの応酬のようなところがある作品でした。私は武士の生き方については不勉強ですが、一度抜いた刀は決着をつけなければ鞘に戻せないとか、一度約束したことは覆すことができないというその堅苦しさに、すごい不自由さを感じていました。草彅剛は1つの藩の中で、中堅どころの侍ですから、武士の掟を守らなければならない立場です。その掟のようなものを、最後の題名にある碁盤切りというシーン(題名の意味がそこで分かります)で、二人の商人を許します。そこに到達するまでハラハラドキドキでした。また、吉原の遊郭を営む鬼の女将の小泉今日子が、清原伽耶が遊女になる約束を許すシーンも、まるでサプライズのようで、泣けてしまいました。そしてさらにもう1つ。藩に持ち帰るべき高価な掛け軸を、同僚が目をつぶって草彅剛に渡すシーンも、1つの許しでした。この3っつの許しは、まさに宇宙(神)の許しのようで、ガツンと心に迫ってくるものがありました。元々草彅剛は真っ正直すぎる上に、何事も正義でなければ行ってはならないという堅物でした(武士の生き方の見本)。その堅物のせいで、多くの藩士に迷惑をかけてしまったという過去も持っています。その贖罪のために、掛け軸を売って、藩士のために尽くそうと最後に一人で旅に出ますが、その行為も堅物ゆえかもしれませんが、観ている方はホッと心が癒されたような気がして安堵しました。
追記 あと3っつの私の感じたものは次の通り。1吉原も舞台になっていて興味深い2囲碁の世界にハマりそう3清原伽耶が娘としてあまりにもできすぎていて好きになりそう笑。
逆説的ですが白石和彌らしからぬ人情噺が実に沁みます
面白い! 初の時代劇だと言うのに白石和彌監督、江戸情緒たっぷりな上に縦横無尽のカメラワークで、品格すら漂う仕上がりに驚きました。ちょいと落語の小噺風と思ったら、古典落語をベースに本懐遂げを絡めた創作とのこと。人情が根底にあり、安心して観ていられるのも、ある意味で白石らしくないのが吉と出た。
囲碁が物語の核にあり、将棋の駒同様に碁石を指す指のアップが美しい。将棋もそうですが、私にとって囲碁も縁遠くルールはさっぱり、言葉通り囲まれれば相手に碁石を取られる事で十分でしょうけれど。中川大志扮する弥吉が囲碁を習う話となり、それを通して軽く要点を観客にもと一瞬思いましたが。詳しく説明していたらキリがありませんからね。それにしても囲碁道場のようなものが江戸の昔に各地にあったとは驚きました。
それにしても、草彅剛扮する武士である柳田格之進に二言はなく、清廉潔白を旨とするプライドを押し通すところが本作の縦軸で、嫌疑をかけられた時点で切腹ものとは呆れる程。浪人に甘んずるのも、囲碁に負けたら10両貰え家賃も払えるにも関わらず真剣勝負で買ってしまうのも、復讐を遂げるのも、50両の約束事も、ひたすら武士のプライドゆえ。こんな武士の鏡の対極にあるのが斎藤工扮する武士・柴田兵庫であって、柳田を陥れ平気で嘘もつく存在を打倒するベクトルが映画を牽引する。
大店・萬屋を営むのが國村準扮する萬屋源兵衛のドケチ商売ぶり、その奉公人・弥吉と清原果耶扮する柳田の娘との淡い恋心などの横軸が絡み合い、50両の行方とお絹の身請けがサスペンスを熟成する。吉原の桜の春で始まり、お盆を経て十五夜のお月見、そして秋祭りから年末へ繋ぎ、クライマックスの大晦日へ、丁寧な描写が心地よい。
主演に草彅剛を据えた時点で、普段の白石調とは異なる予感は出来てました。ましてやイケメンそのまんまの軽い感じで中川大志が登場したら確信しました、その視線の先に清原果耶がいるのですから、ある意味安心して楽しめました。肝心の草彅剛ってのは不思議な役者ですねぇ。この春までのNHK朝ドラでの素っ頓狂な作曲家役といい、本作の浪人風情から一転しての復讐の鬼と化す変幻自在には驚くばかり。清原果耶もこれまでの暗く思いつめたような役から解き放たれたような明るさがいい。
無論、國村準や音尾琢真の安定の泰然ぶりがしっかり支えてますが、吉原の女主人に扮した小泉今日子のド迫力は流石です。同じ彦根藩の梶木左門に扮した奥野瑛太が実にいい味を滲ませてました。本当に多くの作品でほとんど悪役の印象が強く、一転して本作では忠義に人情を挟む頃合いが絶妙の芝居で観客の心を鷲づかみ。調べたら今公開中の「バジーノイズ」にも「湖の女たち」にも出ているのですね。
塩尻から一足飛びに江戸に舞い戻り、やたら長い大晦日もタイムリミットで吉原の門も閉じられたのに、柴田兵庫の杖に刀が仕込んであったなんて、さらに兵庫の恨みの度合いも見えず、ましてや妻の心中も、あれやこれや端折り過ぎの感もなくはない。大傑作の一歩手前がちょいと惜しい。しかし、まさかタイトル通りの「碁盤斬り」とは、オチが効きすぎてござりまする。
最高でした
碁盤の表も裏も謀だね
死神になってしまう草彅剛
白石和彌+草彅剛in時代劇、であれば面白いに決まっているという期待だけで特に何も調べずに見に行ってきましたが、その期待にばっちり応えてくれる映画でした。
日の光や蝋燭の灯りのみの当時の雰囲気を意識した画の暗さが映画館で観ると没入感を感じさせてとても良かったです。
劇中の回想シーンのあの違和感ある明るさ、揺れも主人公の頭の中に入ったかのようで印象的でした。
そして何より草彅剛の劇中での変化が観客の心を揺さぶり続けてきました。
世捨て人→心を許せる人たちとの交流→怒りに身を落とす→死神→今までの自分を捨てて自分でなくなる→どこへ行くのか。
あれだけ大事にしていたイノセントな囲碁を指せる人間ではもうなくなってしまったと自覚する草彅剛の佇まいがとにかく凄かった。
あそこまでやっといてねぇ・・・
2024年劇場鑑賞108本目。
舞台挨拶中継付き。本編前。ああ、センスない映画かも。
ネタバレは避けながらの割にはうまく映画の内容に触れていました(本当はそれも知らないで観たかったですが)し、結構楽しい話が聞けて、よくあるくだらないゲームや事前に集めた質問コーナーもなく中身のある舞台挨拶でしたが、市村正親がはしゃぎすぎで、本編後ならいいけどやっぱり本編前にかもくでなく月水金なキャラはちょっと・・・。後出番的に市村正親と小泉今日子呼ぶ前に清原果耶呼んでよ!
本編前舞台挨拶するセンスない配給会社とはうらはらに内容は結構良かったです。ただ前半の草彅剛と國村隼の関係がよく見えれば見えるほど後半の展開にちょっと無理がありすぎると思いました。侍は信じてもらえないと怒っていましたが、お前も主人がそんな疑いを持つはずがないとどうして信じてやれなかったのかが最後まで引っかかりました。
そして迎えるエンディング、あんなやり取りしてこんな結末迎えられる?って不思議でした。
劇場で見て、正解かも
身分を囚われず行われた囲碁勝負、面白かった
さまざまな美しさが心に染みる
碁盤斬りの舞台挨拶
みんな楽しそうだった
草彅さんは相変わらず天真爛漫で自然体なトークを繰り広げていたが
最後は「覚悟」をもって生きていきたいと
これまた柔らかな表情で心に染みることを言っていた
豪華俳優陣の
お互いへのリスペクトが伝わってきた
その後の本編を拝見して
草彅さんが格之進の人生を生き、格之進として存在している姿を目の当たりにして
深く感動を覚えた
國村さんの繊細で人間味あふれる演技に引き込まれた
中川さんと國村さんがお互いをかばい合う場面は涙が出た
その場面を説得力のある物にしているのは
格之進のえも言われぬ青い業火のような迫力
俳優陣の表現力の奥深さ
脚本の秀逸さ
映像の美しさ
演出の品の良さすべてに魅了された
様式美、心の美学、人情がすべて美しさとして心に染みた
素晴らしい作品を創りたいという職人たちの熱が伝わってくる上質な映画でした
格調高く正統派の時代劇
キョンキョンの圧倒的存在感
【追記しました】
・狐狼の血を見たのでさぞかしと思いきや、序盤から中盤にかけては意外とあっさりしてました。
・ラストの殺陣も、ご時世なのか人がバッタバッタと斬られる感じではなかったものの、本懐を遂げるくだりで若干の白石監督っぽさを感じ取れたかな?
・清貧を体現する柳田と元悪徳商人源兵衛が、碁盤を挟んで季節の移ろいの中で交流を深めるところは良いシーンでしたね。碁盤と対峙する源兵衛の心情の変遷を表情で演じわける國村隼人さん、流石の貫禄。
・時代劇には明るくないため考証はわかりませんが、蚊遣や風鈴等の小物にもこだわってるところが良かったです。刀の柄も細かい拘りがありそうです。音響にも注目?です(大きなシアター推奨)回想シーンの映像は、ひと昔の時代劇のようでしたが、技術的な違いをうまく説明できません(^_^;)
・ストーリーについては、それほど捻った脚本構成でもなく、ラストも想定内で着地。特に刺さるところもなしでした。てか人生で二度も窃盗の嫌疑をかけられる柳田の持ってなさよ…
・個人的に、疑いが晴れて、怒りのまま弥吉と源兵衛を斬り捨てようとしたその瞬間「ちょっと待ちな‼︎」と、キョンキョンがスパーーーンと障子を開けて割って入って来て欲しかった。
それを期待させるほどの圧倒的存在感。さすがキョンキョン昭和世代のスーパーアイドル!!女郎屋の女将キャラもピッタリ!
でも娘の身売りと言う最大の危機で、この物語のクライマックスなのに、結局女将キョンキョンの漢気ひとつでチャラになるんかーい!って裏拳が空を切った人も多かったはず。
そもそも除夜の鐘鳴り終わっても翌日の営業開始まで時間あるんやん、そんな悲壮感出して走らんでもええんやん。って言うか清原かやの花魁姿見せて欲しかったわ。
最後は娘の幸せを見届けたあと、兵庫の巻き物をお金に変えて、自分のせいで苦境に陥った人々への贖罪の旅エンド。
昨今、碁のルールを知ってる人はそれほど多くないはずなので、石の下とか何とかのクダリについて、ナレーションなり説明セリフなりで弥吉とか源兵衛に解説させればもう少し興味持てたかもしれません。ここは観客置いてけぼりでした。
それと、日本刀で碁盤をあんな綺麗に真っ二つにできるものなのか、疑問に思った人も多いと思います。
久々の傑作時代劇
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