劇場公開日 2024年5月17日

碁盤斬りのレビュー・感想・評価

全361件中、261~280件目を表示

3.0貪れば勝ちを得ず

2024年5月19日
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鑑賞方法:映画館

笑える

難しい

身に覚えのない罪を着せられ、彦根藩をおわれ浪人となり、
娘お絹と二人、江戸の貧乏長屋で暮らしていた、柳田格之進。
実直な性格、そして武士としてのプライドを併せ持っている。
趣味の囲碁においては人柄が表れ、嘘偽りない勝負を心掛けていた。
そんなある日、訪ねてきたかつての同僚、旧藩士より冤罪の真相を聞き、
復讐を決意。ところが時同じくして、新たな冤罪、嫌疑がかけられる。。。

予備知識なかったけど、評判がよかったので、観に行ったが、
もっと時代劇かと思ったら、ちょっと違った。
おまけに囲碁はわからないし・・・

ただ、冤罪の真相を聞いてからの格之進の変貌には驚き。
そして、復習、仇討ちのため、旅に出るわ、娘は吉原に行くわ。
ラストでは碁盤が・・・タイトル回収~
でも、あの掛け軸はどうしたのよ、まさかエンディングの資金?
そして、ハッピーエンドかと思いきや、彼はいずこへ?笑

主人公格之進役の草なぎ剛さん、性格や表情の変化、
前半は静寂、後半は熱いものを前面に出しての仇討ち、まさに復習の鬼、
さすがでした。

娘お絹さん役の清原果耶さん、可愛らしいですね。
先日の青春18に続けての映画でしたが、すっかりファンです笑

萬屋源兵衛役の國村準さん、さすがの渋さ。ちはやふるの先生だもんな。
でも、お金をちゃんと・・・
それに、柳田さん信じているのなら、もう少し対応の仕方があったのでは。

弥吉役は中川大志さん、こういう弱々しい役もとても合うよね。
番頭さんの言いなり、そしてあらぬ疑い、ダメっぷりがばっちり。

お庚役は小泉今日子さん、久しぶりに観たよキョンキョン。
お絹さんだけひいきしてるし。

敵である柴田兵庫役の斎藤工さん、かっこいいのに、嫌な役でした。
六尺の大男、やっぱり仕込んでいたか、って。

役者さんの芝居はさすがの一言だったのだが、
ストーリーがいまいち入ってこなかった。
貪れば勝ちを得ずという言葉だけが頭に残り、
映画を観終わった後、スマホでメモに書き留めた。

・・・映画終わってから、ネットで見て知ったのだが、
柳田格之進というのは、古典落語の演目らしい。
別名として「柳田の堪忍袋」「碁盤割」とか。

なるほど。。。笑

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あさやん

4.0現代にはもう無い真っ直ぐ過ぎる生き方

2024年5月19日
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とにかく真っ直ぐな生き方をする主人公。
多くの人に影響を与えているが、今を生きている自分からすると、それは多くの人に迷惑をかけた生き方になってしまっているのではとも思い、価値観の違いと価値観は変化していくことなのだと考えさせられた。
役者陣の演技はさすがで特に草彅剛の演技には真っ直ぐ過ぎることによる恐怖を感じることができとても楽しめた。

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モトコ

3.5草彅くん、良かった!…⭐︎

2024年5月19日
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前評判も良く、草彅くんと白石和彌監督ということで鑑賞。
いやいや、なかなか本格的な時代劇でした。
無実の罪で彦根藩を追われ、娘と二人(最初、清原果耶が娘なのか妻なのか迷ったのは自分だけ?)で江戸で
暮らすが碁会所で國村隼演じる萬屋原兵衛と出逢ったところからいろいろな意味で運命が動き出す。

草彅くんが清廉潔白な武士にピッタリ。
岡村隼はもちろん、中川大志はいかにもと言う役どころ、小泉今日子も良い感じ。
でも、個人的には悪役の斎藤工が面白かった。

でも、何よりも白石監督のカメラワークと照明が素晴らしい!
月見の会のろうそくや終盤の賭け碁の明かり、吉原の雰囲気などなど…すっかりと江戸の街に
いる雰囲気に浸れる。

ただ、物語は一応「敵討ち」の話しなのだか、予想通りの展開で中弛みも感じてしまい若干の
物足りなさもあるかなぁ…。
それでも見る価値あり。
「虎狼の血」を撮った監督とは思えない美しい映像。
良かった。

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☆ムーミン

1.0主人公の性格

2024年5月19日
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主人公が実直な性格ということだけど、だったら家賃を先に払ってから碁を打てよ。全然実直じゃない。この時点で萎えた。

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jimjim

5.0こんな王道の時代劇を、バイオレンス過ぎて敬遠気味だった白石監督が撮るなんて驚きだし、感動でもう胸いっぱいです。

2024年5月19日
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鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

幸せ

古典落語『柳田格之進』をベースにした時代劇映画。「孤狼の血」シリーズなどの白石和彌監督にとっては初の時代劇監督作品となります。草彅は『ミッドナイトスワン』以来4年ぶりの主演映画となり、時代劇映画としては2009年の『BALLAD 名もなき恋のうた』以来15年ぶりの出演となりました。

 時代劇が苦境と言われて久しい今日。主題となる義理人情や忠義、互譲の精神は、個人の幸せを求める競争社会では 「弱さ」にも感じられます。本作は型やケレン味を強調した古典的な作品とも、セリフ回しや所作を今風に崩した試行錯誤の作品とも異なります。時代劇の文法に即しながら、現代人の心情にもかなう、いい塩梅に仕上げられた作品です。

●ストーリー
 とある事件のぬれぎぬを着せられ、妻を亡くし故郷の彦根藩を追われた浪人の格之進(草彅剛)は、娘のお絹(清原果耶)と江戸の貧乏長屋で2人暮らしを余儀なくされていました。実直な格之進は、かねてたしなむ囲碁にもその人柄が表れ、嘘偽りない勝負を心がけていたのです。
 ある日いつもの碁会所に立ち寄った格之進は、無類の囲碁好きな商人、源兵衛(國村隼)と出会います。しかし彼の打つ囲碁に表れる誠実な人柄に惚れ込んだ、源兵衛は格之進を度々呼んでは碁に興じ、酒を酌み交わす関係となるのでした。
 しかし源兵衛の家で50両が紛失する事件が起こり、格之進は番頭から窃盗の容疑をかけられてしまいます。激した格之進は武士の誇りにかけて、「金が見つかったあかつきには源兵衛と番頭の頭を貰い受ける」と言ってのけるのでした。
 番頭の徳次郎(音尾琢真)から報告を受けた源兵衛は、無礼を詫びようと格之進の長屋に急ぐものの、家はもぬけのからになっていました。
 実は旧知の藩士梶木左門(奥野瑛太)からかつての冤罪事件の真相を知らされた格之進は、同時に妻を拐かし、死にも追いやった両方にからむ柴田兵庫(斎藤工)を討つために旅に出たのでした。お絹は仇討ちの足かせとなったを盗んだという父の不名誉を晴らすため、格之進の知り合いの吉原の遊郭の女将お庚から、50両用立ててもらい、その身代わりとして店に身請けされてしまっていたのです。

●解説
 落語の人情話を下敷きにした、あだ討ち時代劇。誇り高く激しさを秘めた武士の格之進を、草彅が風格たっぷりに抑制した演技で好演。新境地を見せてくれます。
 碁会所で2人で碁に興じている中、大金盗難の疑いをかけられる。娘と長屋暮らしという身の上もほぼ落語通ですが、過去の遺恨と、それに伴うあだ討ちを絡めたところが新機軸です。
 映画ではここに、格之進が藩を離れる理由となった、柴田兵庫という新たな人物を登場させています。彼も囲碁の達人でありますが、やはり碁に人柄が表れて、彼の対局は自己主張が激しく荒々しいのです。でも序盤の布石は「三連星」という、辺の星に石を3つ並べて打つシンプルな形なのがアンバランスです。
 嫉妬深い兵庫は逆恨みで同僚たちを落とし込んだあげく、それが諸々の仇となって、兵庫は追われる身に追い込んだのでした。この人物像は、三隅研次監督の「座頭市地獄旅」(1965年)で、侍としては優秀だが、将棋の対局では激して我を忘れる十文字純(成田三樹夫)という、とても魅力的なキャラクターを思い出させました。

 また囲碁が重要な要素となっているのも好感。実はわたしも高校時代は囲碁部。なので物語の主軸に対局シーンがからむ展開を楽しめました。特に詰碁でしかお目にかかれない奇手が伏線となり、クライマックスの圧巻を飾ることには感動しました。
 近年の将棋人気と比べると、囲碁の存在感はもう一つ。勝負の展開が分かりにくく映像映えしないせいか、囲碁を題材とした映画もとんと見かけません。しかし本作では、囲碁の奥深さと格之進の複雑な内面を重ね、碁を知らなくても盤上の緊迫感が伝わる作りなのです。折しも本因坊戦五番勝負の真っ最中。本格時代劇としても囲碁映画としても、見応え十分。皆さんもこれを機会に碁会所の門を叩かれてはいかがでしょうか。

 斬新な作品を撮って評価され続けてきた白石監督だけに、白石組の実力も確かなものです。精緻で緩みのない加藤正人の脚本を土台に、美術の今村力、録音の浦田和治らベテランの力量が支えました。とりわけ、歳時記を思わせる撮影が素晴らしいです。山笑う春を起点に、薫風の夏、すすきの秋、小雪舞う冬、そして、春を告げる梅の季節へ。格之進の歩みと日本の四季が響き合います。特に吉原に満開の桜を咲かせた映像は秀逸。遊郭ならではの爛漫な春を再現していました。
 但し、全体的な色調が暗めなのは、当時の街や室内の明るさを意識したからでしょうか。ろうそくなどの光による室内のリアルに近い暗さと、張り詰めた演出は秀逸です。そんな障子越しの柔らかな光が、父娘のつましい暮らしを際立たせます。
 さらに灯火がゆらめく月見の夜。名所を望む晴れた日の水辺、格之進と源兵衛が様々な趣向で楽しむ対局シーンも風情がありました。

 演技面では草彅ばかりでなく、吉原遊郭の女将お庚役の小泉今日子、賭場を仕切る親分役の市村正親ら助演級も時代劇のイメージはないが、限られた登場シーンで存在感がたっぷりありました。

●感想
 やはりなんといっても注目は、タイトルの所以となった50両が見つかったことを話し詫びるシーンです。無口な格之進が激高し、約束通りその首頂戴するとなったとき、映画ではどうなるのかご注目ください。あの緊迫感は、名シーンだと思います。

 ところで窃盗の濡れ衣を着せられた格之進は、武士の体面を重んじるあまり、断腸の思いで娘を犠牲にしようとします。果たしてそれは、正しく汚れのない道だったのでしょうか。実直な囲碁に表れていたものは、格之進の融通の利かなさという負の面ではなかったのでしょうか。そんな自問をにおわせ格之進の悔恨に思い馳せるラストでした。大団円とは異なる幕切れには、白石監督ならではの鋭利さを残していると思います。

 また実直な格之進の影響か、金にうるさかった源兵衛が次第に温厚に変わっていく変化も見どころです。源兵衛は後半で、壁に掛ける家訓を「不得貪勝」(則れば勝利は得られない)に改めます。これは碁の心得「囲碁十訣」のひとつです。囲碁愛好者なら、戦術が絡んだシーンが要所にちりばめられているので注目してください。
 さらに殺陣や立ち回りといった派手な場面もありますが、最後は武力ではなく、頭脳戦の囲碁で仇敵に向かい、勝敗を決するところに新味を感じました。そこにドラマチックな妙手がからむとなるとなおさらです。

●最後にひと言
 まな娘絹の縁談といった小津映画的なモチーフを、裏稼業の人々、アンチヒーローを得意とする白石監督が描くところが味わい深いと思いました。恥、情けといった徳が健在でホツとします。とにかくこんな王道の時代劇を、バイオレンス過ぎて敬遠気味だった白石監督が撮るなんて驚きだし、感動でもう胸いっぱいです。
 新たな風が吹き込むことで、時代劇も再び活気づいてほしいものですね。

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流山の小地蔵

4.5さすが白石和彌

2024年5月19日
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さすが白石和彌監督、初時代劇とは思えない手堅さでこぅパーツが思ってたところにビシビシっとハマるような見事な作り。
基本的にはリアリティ重視の演出ながら、終盤のクライマックスには鈴木清順すら思わせるような画面造りもあり、やっぱり油断できない白石和彌。殺陣も劇伴も良かったよね。
ストーリーも、落語みたいに綺麗にまとまった話だなぁ、と思ってたらやっぱり落語だったのね…
落語の演目だからみんな知ってるだろうし構わない、って判断なのかもしれないけど、予告のシーンはちょっとネタバ… まぁタイトルもと言えばそうなんだけど…
キャストの芝居も素晴らしい。草彅剛の矜持、清原果耶の清麗、奥野瑛太の直実。仏と鬼の顔を使い分けられるキョンキョンも、人生を悟って変わる國村隼も良いが、一分の理があるとも思わせられる斎藤工もナイス。

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ぱんちょ

3.0格之進はどこへ

2024年5月19日
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ぽよん

3.0久々の時代劇!

2024年5月19日
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おさ〜んライダー

5.0リピート確定

2024年5月19日
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興奮

萌える

さすが白石監督。採光とカメラワーク。きちんと白石監督のエグサもある!!
草なぎさんの演技がまた素晴らしい。引き込まれる。毎日通っている。3回目のリピート。それでも新しい発見と見所が・・・ただのリベンジ作品ではない。加藤正人さんの脚本も素晴らしい。皆さんにお勧めの一本。

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あぐくま

5.0素晴らしかった

2024年5月19日
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泣ける

知的

幸せ

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ふたり映画

5.0碁の道‼️

2024年5月19日
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泣ける

興奮

幸せ

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活動写真愛好家

4.5柳田格之進に文七元結風味をプラス

2024年5月19日
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お菊の皿

3.5評判ほどには

2024年5月19日
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日曜朝イチ上映で、中高年のご夫婦を中心に結構観客は入ってた印象。

草薙クンって、主演でドラマや映画に出る度に話題になるって印象がある。
作品が地味なものが多いので「ヒットメーカー」みたいな言われ方ではないけど、評価されてるんだろうな。

で、本作。

草薙クン演ずる柳田格之進は、クレバーでクールな浪人かと思いきや、あることをきっかけに「復讐の鬼」と化してしまう。

「時代劇」というよりは、落語の「人情噺」という感じ。
(…と思って調べたら、やっぱりモチーフは落語だったみたい)

草薙クンの変貌ぶり、飄々とした國村隼っぷり、小泉今日子の貫禄…、映画としての見応えは確かにあった。

ただなぁ。
自分に見覚えのない嫌疑がかけられて、それがもとで妻は命を落とし、娘は売りに出される。

「ねぇ、あなたはナニしてるの?」

もちろんその時代の「武士たるもの」「男たるもの」といった常識もあるだろうし、あくまで落語がモチーフ、ってこともあるんだろうけど、萬屋の源兵衛に直談判して身の潔白を伝えることもなく、娘が自ら置屋に身を投じて手に入れた金でひとまずやり過ごす。

「大晦日までに必ず…!」
じゃねーよ。
妻の仇討ちと、娘の肩代わりした金とは、まったく別の話じゃんか。

そんな男にはやはり心のどこかで同情しきれない部分が否めない。

あと、これは時代劇を見慣れない私の勉強不足かも知れないけど、草薙クンと斎藤工の「殺陣」って、あれはどうなの?
私にはそれ以外の役者の太刀筋のほうが鋭かった気がするんだけど。
草薙クンの身のこなしは良かったとは思うんだが、剣さばきは気になった。

というワケで、かなりモヤモヤが残ってしまった分、皆さんのレビューほど高い評価にはならなかったな。

あと、あの入場者特典の小判50両のアレは何だろう。あれをどうすればいいのだろう。
シールでもなくカードというワケでもなく。
…何だろう。

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キレンジャー

4.5久々ハッピーエンド

2024年5月19日
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さんじ

4.5仇討ちに加えて落語ベースということで更なる設定が加わる。この時、清...

2024年5月19日
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仇討ちに加えて落語ベースということで更なる設定が加わる。この時、清廉潔白な主人公が武士の誇りをかけて仇討ちに行くが、、娘の行動は良いのかいって思っちゃう。
そこは当時の感性の違いというか…まあ、現代の人たちに分かるように過剰な説明をしないのが良い。
やはり草彅剛は存在感のある役者。前半の静寂さと中盤使命を帯びてから感情を荒げるシーンが増えて魅力が増す。

武士の矜持と人情味、両方を楽しめたし、落語っぽい滑稽さもあったりで満足。

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いたかわ

3.5誇りと驕り

2024年5月19日
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単純

興奮

幸せ

無実の罪で彦根藩を追われ江戸で娘と2人で暮らす浪人が、自身に汚名を着せると共に妻を死に追いやった相手に仇討ちをする話。

実直な碁を打ち清廉潔白な暮らしをする主人公が、碁会所で知り合った両替商と親交を深める様になる中で、彦根藩の藩士からかつての冤罪が晴れたことを聞かされる中、新たな嫌疑がかけられることになって行くストーリー。

碁の知識なんかこれっぽっちもなく碁盤斬りってなんぞや?太刀盛りならわかるけど…という状況で観賞したけれど問題なし。

萬屋との対峙とかその後の関係とか小気味良いし、お庚もそんなヤツいるか?レベルだけどいい味出しているし、実直な主人公に真摯に向き合う人たちとの人情物語がとても良い。

そして徹底的に敵役な六尺の大男…これもまたわかり易くて安心してみられる時代劇という感じ。

50両の話しと仇討ちの話しは繋がりがなくて若干チグハグな感じはあったけれど、わかりやすくてとても面白かった。

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Bacchus

3.5軽味と清潔感を感じさせる前半部分は楽しく美しい。復讐にテーマが移る後半はやや陰惨で結末は明らかに蛇足。

2024年5月19日
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五十両をなくすとか拾うとかいった噺はたくさんある。「芝浜」とか「文七元結」とか。でも本作の原典となる「碁盤斬り」ないしは「柳田格之進」は武士が主人公である点、古典落語のなかでは異色の存在である。多分、この噺は、武士の一分というか意地のために娘を女郎に売り飛ばしてしまう堅物ぶりを戯画化して、落語の主な聞き手である町民が思いきり笑い飛ばす、そういった趣きの滑稽話だったのだと思う。だって金が出てきたら首をもらい受けるだなんて真面目に取り合える話じゃありませんよ。
でも滑稽話のニュアンスを演者が伝えていたのは志ん生(五代目)、馬生ぐらいまでで、志ん朝が演じる頃にはもう自然に父と娘の人情噺に変性していたのだと思う。だから談志は、こんな深刻な噺はやんねえよ、といったのでしょう。
映画の前半部分、つまり五十両がなくなる十五夜の宴席までは、江戸世界が精緻に表現されていて楽しい。草彅剛という人は面白い俳優であって、たたずまいが美しく、でも独特の軽みがある。そして滑舌とセリフのリズムがよい。武家の娘らしい品の良さをきちんと演じている清原果耶さんと合わせて清潔感あふれる父娘の姿は実に気持ちが良いのである。
ところが、十五夜の宴席以降、柳田に萬屋の五十両を盗んだ嫌疑がかかり、同時に彦根藩を離れた時の遺恨の相手が現れて事態は緊迫化する。
柴田兵庫のくだりは映画としての創作部分であるのだが、ここがどうもいただけない。一つには狩野探幽の画を売ったとかまだ持っているとかいうなんだかよく分からない設定もあるし、斎藤工が彼だけは現代劇を演じているとしかみえないところもある。でもやっぱり復讐というものは本質的に陰惨なものであって、「碁さむらい」という落語に由来するモチーフの軽みとよく釣り合わない。だから映画としての全体のバランスが崩れてしまったのだと思う。
そして結末部分は、いわば観客サービスのようなものであって、明らかに蛇足である。碁盤を斬り捨てるところで映画としては決着はついているんだからあとは皆幸せになったんだろうなと想像させればいいんですよ。

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あんちゃん

3.5碁盤切り

2024年5月19日
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時代劇をあまり観ることがないので、この時代の人々の価値観とか考え方とかが読めないなか、物語がどう決着がつくのかハラハラドキドキしながら観ることができた。ただ、展開が急で後半詰め込み感あり。草彅剛は前半静、後半動の武士を演じるには適役だったと思う。

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tatsuya

4.5骨太の時代劇がイイ!

2024年5月19日
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泣ける

単純

このところ質の高い時代劇が続けて公開されており、先週の「鬼平犯科帳 血闘」に続き、本作も期待して公開初日に鑑賞してきました。

ストーリーは、身に覚えのない罪で妻を失い、藩を追われ、江戸の貧乏長屋で娘・お絹と二人で暮らす浪人・柳田格之進が、その実直な人柄を気に入った質屋の萬屋源兵衛と碁を通じて交流を深めるようになったある日、旧知の藩士から冤罪事件の真相を知らされ、復讐と亡き妻の仇討ちのため、出奔した柴田兵庫の行方を追うというもの。

序盤の立ち上がりは、ゆっくりではあるものの、柳田の人となりや暮らしぶりを端的に描き、優しく作品世界に誘ってくれます。あわせて柳田を取り巻く主要人物として、娘のお絹、質屋の源兵衛、手代の弥吉、吉原のお庚などを登場させますが、多くは説明せず、かといって必要にして十分な情報が得られる、心地よい導入です。

中でも柳田と出会った源兵衛の変容の描き方がすばらしいです。柳田に興味をもち、その心根に打たれ、傾倒し、心酔し、それが商売のありようまで変えていくという源兵衛の心情の変化が、名優・國村隼さんの表情や台詞回しから手に取るように伝わってきます。そして、これが柳田自身の人柄を浮き彫りしているという構図がお見事です。娘のお絹にも同じことが言え、脇がしっかりしていることで、作品がぐっと引き締まるのを感じます。

演出面では、照明に気を遣った陰影のある絵づくりが印象的です。薄暗い屋内に灯るロウソクは、当時の暮らしぶりとともに、柳田の晴れぬ胸の内と復讐への思いを表しているかのようです。碁石を強く打ちつける柳田の横で、音を立てて揺らぐロウソクの炎は、抑えられない彼の憤りを如実に表しています。また、地方の薄暗い碁会所からは、むさ苦しさやほこりっぽさが感じられ、そこで魅せる柴田との対決も、決して派手さはありませんが、鬼気迫るものがあります。

そんな装飾を取り払った、素朴で骨太の時代劇であると感じられる本作。話の展開も決して気をてらったものではなく、どんでん返し的なものもありません。むしろ予定調和の王道展開とも言えますが、時代劇にはそれが似つかわしいと感じます。公開初日にも関わらず観客の入りが少なく残念ですが、誰にでもおすすめできる良質な作品に仕上がっていますので、ぜひ多くの人に観てもらいたいです。

主演は草彅剛さんで、演技にますます磨きがかかったように思います。脇を固めるのは、清原果耶さん、國村隼さん、中川大志さん、奥野瑛太さん、音尾琢真さん、市村正親さん、斎藤工さん、小泉今日子さんら豪華な顔ぶれで、誰もが役にピタリとハマる好演で一部の隙もありません。中でも奥野瑛太さんは、いつもとは異なる役どころながら、これはこれで悪くなく、これからの演技の幅が広がりそうな気がします。

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おじゃる

3.5白石監督らしさも?

2024年5月19日
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「虎狼の血」など人間のどぎつい感情なイメージの白石監督の時代劇。どんなものかと思ったら、以外に静かな展開。草薙さんのキリッとした、強い意思がこもった演技と美しい映像がが良い。源平さんとのやりとりも渋い(國村隼の圧倒的安心感)。囲碁という設定のなせる技か。
でも、単純な勧善懲悪でなく、主人公のいきすぎた正義感や、吉原の闇の部分もしっかり描いてるのは白石監督。そして、斎藤さんは斎藤さんだった笑
以外に殺陣は少なかったな。

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mz