「草薙の演技と背景の雰囲気はいい」碁盤斬り BUTTMANさんの映画レビュー(感想・評価)
草薙の演技と背景の雰囲気はいい
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古典落語を基にしたストーリーだが、この噺はどうしても志ん朝の挙措が目に浮かんでしまう。高潔な武士を草薙が演じているが、なかなか鬼気迫る良い演技をしている。背景、音楽も日本映画らしさが出ていて楽しめるが、残念ながら脚本が少し甘い。終盤に娘を向かいに行った草薙が借りた50両はいつ返されたものなのか。いつの間にか草薙の手中にある。
それに一度は父に嫌疑をかけた男と夫婦になる娘も腑に落ちない。それほどまで心に想っていたのか、その描写もなく、ストーリーを落とすために夫婦に結びつけてエンディング、というやっつけ仕事感がある。そのあたりをもっと踏み込んだ脚本にしたら完成度は格段に上がったであろう。
このままだと志ん朝の噺の方がより響くだけである。
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