「落語では語られない場面も観られます」碁盤斬り 蜷川吝塀さんの映画レビュー(感想・評価)
落語では語られない場面も観られます
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先日(2024/09/21〜9/22)、2回に分けて観ました。
序盤に落語家の立川談慶さんが登場したのは、嬉しいサプライズでした。柳田格之進役の草彅剛は実直な浪人を演じていましたが、やはり草彅剛が浪人を演じているに過ぎず、悪い意味で予想通りでした。振る舞いはそれっぽかったですが、凄味を感じるには至りませんでした。
やはり本作での功労者は、萬屋源兵衛を見事に演じ切った國村隼に他なりません。丁寧な言葉遣いに見え隠れする“嫌味なあるじ像”を見事に体現してくれました。その嫌味なあるじは、人を見る目に長けており、柳田格之進の実直さに碁を介して気づき、少しずつ立ち振る舞いが変わっていきます。その移り変わりに國村隼の演技力の底深さを感じました。
落語でいうところのサゲ間近、柳田格之進が約束を果たしに萬屋へ赴き、刀を振り下ろした場面。柳田格之進の台詞がなかったのが残念でした。仇に介錯するシーンを前に観せ、緊張感を与える所までは良かったですが😕
落語の一席では語り尽くせない部分を、映像で観られたのは良かったです。落語は人の業の肯定といいますが、『柳田格之進』の一席もまさにその通りで、誰にも起こりうる失念や偶然による間違いや不運を考えさせられ、とても意義があると思います。
本作を気に入った方は、是非落語の方もご覧になってみて下さい‼️
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