「ベタな泣きが足りない」碁盤斬り ゾアさんさんの映画レビュー(感想・評価)
ベタな泣きが足りない
クリックして本文を読む
草薙君のキャラ作りは素晴らしく、役にはまっている。話の全体構成も悪くない。
ただ、つらい心情を描く部分が軽く、ラストのカタルシスが弱くなった。
1番弱いのは、後半の敵を求めてさすらう部分。ここで格之進(草薙)がどんどんボロボロになっていく姿、敵がなかなか見つからない焦り、一方で吉原で待つ娘(清原果耶)が遊女に妬まれていびられるとか、ヒヒ親父に目をつけられて胸もまれたり、店に出るのを舌なめずりで待ちかまえられるとか、二人の苦境をもっとベタにしつこく描かないと、けりがついての感動が弱くなる。
碁盤切りのシーンでも、源兵衛(國村隼)や弥吉(中川大志)が格之進が盗んだと思った時の落胆やそれゆえの心ない言葉などが軽いので、格之進の二人を許す悲哀が迫ってこない。
泣きの話は、ベタな悲しみをしっかり描くことが大切です。
コメントする