「草彅剛さんの演技は素晴らしいと思ったのですが‥」碁盤斬り komagire23さんの映画レビュー(感想・評価)
草彅剛さんの演技は素晴らしいと思ったのですが‥
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(完全ネタバレですので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
主人公・柳田格之進を演じた草彅剛さんの演技は素晴らしいと思われました。
草彅剛さんは数々の映画やドラマで、その作品に一貫性の背骨をもたらせているいつも素晴らしい演技をしている役者だと思われて来ました。
今作の映画『碁盤斬り』での草彅剛さんの演技も、やはり素晴らしく、草彅さんの演技を見るだけで満足感はある映画だと思われました。
ただ、映画としては落語を題材にしているからか、やや善悪がはっきり分かれた物語になっていて、白石和彌監督作品としては物足りない感想を持ちました。
特に、濡れ衣の五十両を、萬屋源兵衛(國村隼さん)との関係性がある中で、背負い、娘のお絹(清原果耶さん)を吉原に売って立て替えるという流れは、(大晦日まで猶予が設けられたとはいえ)さすがについて行けないとは私的には思われました。
この関係性のやり取りが乏しい、きっぱりと白黒分かれた価値観は、この映画の基調に流れる善悪がはっきり分かれた価値観と共に、自分には(というより現在には)合わない物語だなと思われました。
ただ一方でこの映画がダメだと思われないのは、特に主人公・柳田格之進を演じた草彅剛さんの演技の素晴らしさがあったからだとも思われています。
他の俳優陣の演技も素晴らしく、出来ればもう少し現在に通じる多面的な価値観の作品を、同じ座組で作って欲しいとは僭越ながら思われました。
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