「日本が失いかけている、品性と清貧をあらためて考えさせられる良作」碁盤斬り ヤナコさんの映画レビュー(感想・評価)
日本が失いかけている、品性と清貧をあらためて考えさせられる良作
「仮面ライダーBLACK SUN」を見てファンになった白石監督作品であること。落語を少し聞き始めたので「元ネタが柳田格之進」ということも合わさって、劇場へ。
若かりし頃の役所広司、または高倉健などだったら・・・とも思うのですが、いやいや草彅剛お見事!お金に困って満足に食べられない物理的な「線の細さ」「間違いなく生活に困った」空気感と、それでも武士としての誇りに加え個人的「真っ直ぐに生きる」哲学をもった空気感を醸し出しているなぁと感じました。
「品の良さ」も感じましたね。 佇まい、それと所作が自然と流れるように。
今、日本が失いかけている「品性と清貧」の哲学がこの作品には込められていると感じました。
「仮面ライダーBLACK SUN」「孤狼の血シリーズ」を見ていたので、過激な映像や展開を少し期待していたのですが、それはほぼ無し。人によって「淡々として退屈」と感じる要素が多いような作品ですが、十分見応えがあって、草彅剛さんの「静と動」の演技は実に素晴しかったです。
個人的にキョンキョンも素晴しい演技でしたね。
先にYoutubeで落語を見て予習をしたので、おおまかなストーリーを知ったうえで、映画を見るという体験はいいですね。判っていても「あぁ!お絹ちゃん!デビューしなくて良かった」とか、ドキドキするのは役者さんの演技、演出が素晴しいのと、江戸の町並みやら長屋のセットなどが出来る限り検証して再現をしてくれているのだろうなと。
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