劇場公開日 2024年5月17日

「義と情の時代劇をリブート」碁盤斬り AMacleanさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0義と情の時代劇をリブート

2024年5月23日
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鑑賞方法:映画館

智に働けば角が立ち…。「草枕」の冒頭が思い起こされた。とかく住みにくいこの世は今も昔も変わりませんね。落語が原典とのことで、義理人情の世界にどっぷり浸かれた2時間でした。
全体的に暗いトーンではあるものの、時代劇と意識しなくて良いくらい観やすく仕上がっていて、まったく飽きなかった。一昔前の劇を設定を変えずに現代風に作り直したら、確かにこうなるかなと、納得感があった。
草彅剛演じる実直な浪人柳田格之進は、普段のそこはかとなく優しい雰囲気と、激情ほとばしる怒りの感情との両面がよく出ていた。剛直というより、しなやかな強さを持った人物という感じで、この辺も現代風のアレンジだろうか。娘のお絹である清原果椰が、父娘の良い関係をうまく醸し出していた。父譲りの一本芯の通った実直さがあり、最後まで義を通すところが清々しく、最近公開の「青春18」とはまた違った感じ。映える見映えだが悪目立ちせず、画面に馴染むところが良い。商家萬屋の主人 國村肇や、遊郭の女将 小泉今日子、敵役の斎藤工も、変に時代がかってなくて、物語に馴染んでいた。

そうそう、タイトルの「碁盤斬り」てっきり剣の技の名前かと思っていたら全然違いましたね。

AMaclean