「柳田格之進に文七元結風味をプラス」碁盤斬り お菊の皿さんの映画レビュー(感想・評価)
柳田格之進に文七元結風味をプラス
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落語の柳田格之進が好きなので、公開翌日に見に行きました。最初は、萬屋源兵衛が落語での人物像と違いすぎだので戸惑いましたが、格之進との出会いで変わっていったのでひと安心。お絹役の清原果耶は、清らかなイメージの女優さんで昔から好きでしたが、この映画ではそれがより出ていてぴったりでした。
この映画を見て、草彅剛という役者のすごさが今まで以上に実感できます。最初の、どこかあきらめたような寂しい空気を漂わせていたのに、萬屋源兵衛との友情が生まれるところは感動します。でも、その後の彼が浪人となった真相が判明したときの、憤怒の表情と殺気を噴出する場面は、思わずこちらも身がすくみました。
ラストに関しては、どのサゲを使うのかなと思っていたら、割と古いサゲを使っていましたね。でも、現代の観客も納得する伏線があって素直にお絹さんの幸せを喜べます。柳田の今後の身の振り方も彼らしい結末だと思いました。
キョンキョンが貫録の女将を演じていますが、情があって優しいが冷徹な経営者の一面を見せる場面もあり、落語の文七元結の角海老(だったかな)の女将さんをほうふつとさせますね。それと、貫録と言えば市村正親!地元の親分を演じていますが、こちらも貫録でさすがの一言でした。ひとつ、不満を言えばなぜあんなに柳田を憎むのかもう少し納得できるエピソードがあればよかったかなと、個人的には思いました。
ひさしぶりに、時代劇を映画で見ましたがとても良かったです。感動しました。
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