「地味な話なのに最後まで続く緊張感が見事!」碁盤斬り 星のナターシャnovaさんの映画レビュー(感想・評価)
地味な話なのに最後まで続く緊張感が見事!
囲碁が得意で生真面目な浪人、柳田格之進。
格之進の妻は亡くなっており、
美しい一人娘、絹は父を気遣いながら
縫い物などの仕事をして何とか日々を食い繋いでいる。
格之進は囲碁が趣味の豪商、万屋源兵衛と知り合い
囲碁仲間として親しく付き合ううちに
たまたま、勘違いによる金銭問題が発生し、
それを解決するために格之進の娘
絹がとんでもないことに〜〜〜。
これは原案の落語のお話。
映画版ではそこに、
そもそもなぜ格之進が浪人になってしまったのか?
なぜ、格之進の妻が死んでしまったのか?
そこのところを膨らませて映画的な盛り上がりが加味されて
映画ならではのチャンバラシーンが加えられています。
話は地味なんだけど、最後まで緊張感があって
なかなかに引き込まれる良作です。
草彅剛も好演ですが、清原伽耶の
清潔で高潔な武家娘が素敵です。
海外で最初に日本映画に注目が集まったのが時代劇。
その火を消さない為にも映画館でぜひご覧ください。
で、月に8回くらい、映画館で映画を観る
中途半端な映画好きとしては
なかなかにしっかりした時代劇。
前半は柳田格之進の生真面目さや娘の絹の健気さ
また碁仲間となる万屋源兵衛やその養子、弥吉との
四季折々の交流の様子が丁寧に描かれて
そこが染み入る。
昨年公開の「藤枝梅安」の時にも感じたが
時代劇の世界観にしっかり没入するには
その時代に普通に繰り返される四季折々の
行事や風俗、料理等の描写が丁寧であれば、
より深く物語世界に没入できる気がする。
忘れ去られつつある日本の風俗を
せめて映画の中には留めておいて欲しい。
所謂チャンバラシーンは草薙剛さんと工藤巧さんだから
正直そんなに上手くは無いですがこの映画、
剣豪の話では無いので、まあ、緊張感が続けば
良いんじゃ無いかと思います。
小泉今日子さんが、美味しい役です。(笑)
今後のこの手の役が増えるかも〜〜
なかなか楽しめる娯楽作品です。