「まったり進行で浸れたが、終盤は微妙に感じた!!」碁盤斬り *.꒰ঌ𝙰𝚗𝚐𝚎𝚕𝚘໒꒱.*さんの映画レビュー(感想・評価)
まったり進行で浸れたが、終盤は微妙に感じた!!
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まったり進行ですが、構成が良いのか退屈にはならず、劇場で集中できました。碁のシーンを入れる事で、各人の性格や心理状態を表していたように思います。50両と仇討ちをどう解決するのかを考えながら観るのが小説のようで楽しかったですが、終盤で柴田に会ってからの展開は微妙に感じました。序盤はケチ兵衛と交流を深めてストーリーが動き出すのかとワクワクしましたが、中盤からのケチ兵衛のすっとぼけ具合が頂けず、特に悪役でも無かったので微妙なキャラに感じました。今は政治が悪く勧善懲悪ものは作りにくいと思いますが、敵が巨悪ではないのも物足りず、例えば市村正親さんが殿役で、黒幕が殿(50両も)だと難易度も上がって良かったです。主人公が私刑をしてお咎め無しなのはおかしいし、ラストは金が欲しいから狩野探幽をくれとか言って、他人の金を盗まず受け取らないキャラがぶれていました。篆刻(てんこく)が仕事らしいですが、元々生活感も無かったです。また、お絹を吉原から救い出した訳でもなく黙っていた弥吉が、最後お絹と結婚して意味不明でした。中盤で拷問されている女性の悲鳴が上手かったです。劇場でゆったりとした時間を過ごせて途中まで良かったですが、各人のエピローグも無理にやる必要はないし、終盤は色々とおかしかったです。寝ても覚めても囲碁が好きで目利きの主人公が、貴重な碁盤に八つ当たりをするのはアウトだし、タイトル回収は柴田との勝負の事で良かったと思います。遣り手婆も話が分かるし、柴田への恨みも観客が追体験する程では全くないので、白石監督にしてはあまり悪い奴がいない気がします。音楽とキャストは良かったです。
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