ヤマドンガのレビュー・感想・評価
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コメディタッチのインド活劇!
いずれも傑作「RRR」「バーフバリ(シリーズ)」を制作したS・S・ラージャマウリ監督が2007年に発表した作品です。RRRに主演の一人だったN・T・R・ラオ・Jr.さんが主役とのことで期待して劇場に向かいました。
今まで見た上記S・S・ラージャマウリ監督の作品はどちらかと言うと国を背負った正義のヒーローが縦横無尽に大活躍、ストーリーは基本シリアスで、時に政治色強めでした。
しかし今作は主人公からしてコソ泥かつ詐欺師と正反対で、冒頭から軽いノリです。
また日本的倫理観からいうと健全な範疇と思いますがお色気要素もしっかり入り(笑)、コメディタッチで歌と踊りが倍盛りという終始エンタメにふった様なつくりでしたね。
閻魔様筆頭に人間臭い神様が沢山出てきますが生来、多神教に馴染みがある日本人からするとむしろ親近感がわくイメージでした。ただ、もっとインドの神々について予習をしておいたら、よりストーリーも味わい深くなったかなあと思いました。最後に明かされた最高神?も、調べないと分からないマニアックさだったし。
情熱的なインドの歌とキレッキレの踊りがフルコーラスで延々と続く長尺の作品ですが、全く飽きずに心の底から楽しめました。
ビーム若い!
S・S・ラージャマウリ監督の2007年の作品。
インド映画には普通ながら、178分という長尺。
主演は「RRR」2022でビーム を演じた N・T・ラーマ・ラオ・ジュニア!
ビーム若い!ビーム痩せてる!とニヤニヤできる。
ただ、最近の監督の作品と違って、ダンスが多めでちょっとダレ気味。
ストーリーは、
監督らしくなかなかバラエティーに富んだストーリー展開。
ただ、最近の監督作品のようなケレン味に欠けるし、
インド映画初心者には勧められないけれど、
ラージャマウリ監督の軌跡を感じるのは楽しかった♪
…ただ、歌にダンスが長くって、その度に眠くなっちゃったけどね。
閻魔大王は、日本と同じキャラ設定で、
死者を裁く設定で馴染み深い。
神様の中ではかなり高い地位っぽく描かれていたけれど、
ナラシンハ神とはどうなんでしょう?
閻魔と泥棒、メダルに勝てず
マヒの思いと神が宿ったメダルはとことんラジャに付きまとう、他にも閻魔の悪口を言う人がいそうなのに、なぜか閻魔もラジャにギャフンと言わせようと付きまとう。必ず最後に愛は勝つ~♪と言わんばかりなハッピーエンド。ダンスのバリエーションが刮目もの。ヒロインが今まで見たなかで一番可憐な印象。
ダンスが多めで楽しい
熱風!南インド映画の世界、にて。
富豪からの依頼で窃盗を仕事にしていたラジャは、悪漢に襲われていた女性マヒを助けた。マヒは幼い頃に両親を亡くし、マヒが相続した財産を狙う親族に使用人のように扱われ虐げられていた。一方、ラジャは依頼主が報酬を支払う直前に死んでしまい、閻魔大王に悪態をつき、ナイフで背中を刺され死んだ時、閻魔大王によって地獄に送られてしまった。しかしラジャは持ち前の話術で地獄の民の人気者になり、選挙で勝ち、閻魔から地獄の王の座を奪った。その後、再び現世に戻ったラジャはマヒと再会し、彼女を親族の虐待から救おうとするが、閻魔が現世まで追っかけて来て、美女に変身しラジャに近づき・・・てな話。
題のヤマドンガだが、ヤマが閻魔でドンガが泥棒の意味らしい。閻魔泥棒とはなるほど、という題だ。
ストーリーは子供の時にマヤがラジャにあげたメダルがキーで、いくら捨ててもラジャの手元に戻ってくるのが面白い。
そして、ラジャは地獄と現世を行ったり来たりして、地獄と言いながら金ピカで美しく、どっちでも楽しそうだった。
ラジャやマヤ、地獄の美女3人などの歌とダンスが多めで、観て聴いて楽しかった。
3時間近く、長いけど長さを感じない面白さだった。
閻魔盗賊
2023年劇場鑑賞249本目。
絶対パンフレットないと思っていたらちゃんと作られていてびっくり。(四本合同だけど)キラーズ・オブ・フラワームーン、お前見習えよな!
結構中の人ネタが多くて自分も知識なく、多分中の人ネタのメタ発言なんだろうなと思ったらそうでした。主演を演じている人の名前と、そのおじいちゃんがインドではめちゃくちゃ有名で首相にまでなったという知識があるといいのかな。
基本ずっと小ずるい泥棒(でもご多分に漏れずめちゃくちゃ喧嘩強い)なので、全然感情移入できませんでした。まぁまさかあんな展開になるとはさすがに思っていませんでしたが・・・。
なが でも楽しめた‼️
子供の時の出会いが、未来に繋がった恋愛ストーリー
出演女優はみんな目を見張るくらい綺麗で、目の保養に😏
インド映画では欠かせないダンス💃がなけれは二時間位で済むのだが、インドでは当たり前なんだろうな〰️
結構古い撮影と思われる場面が多々あったが楽しめました
インドの閻魔大王は、あんなイメージなんだ 閻魔大王がキントー雲に乗っているのもビックリ 孫悟空だけでないんや
閻魔相手に地獄の国取りだ。 歌・踊り・ラブコメ・ギャグ・アクション・メタネタと、なんでもありすぎて何にも覚えていられない💦
金の事しか頭にない盗人ラジャの、現世と地獄を股にかけて繰り広げられる大騒動と運命の恋を描いたファンタジー・ラブコメディ。
監督/脚本は後にインド映画界を代表する巨匠となるS・S・ラージャマウリ。
「へのつっぱりはいらんですよ」と同じくらい意味はわからんがすごい自信を感じる言葉、”ヤマドンガ”。
我々日本人には全く馴染みのないワードだが、映画を観ているとなんとなくどういう意味なのかわかってくる。
”ヤマ”=地獄の支配者、「閻魔」の語源。
”ドンガ”=盗賊。
つまり”ヤマドンガ”は「閻魔大王をカモにする盗賊」みたいな意。この不思議なタイトル、実は作品の内容をスパッと言い表しているのです。
主人公ラジャを演じるのはN・T・R・ラオ・ジュニア。世界的大ヒットを飛ばしたラージャマウリ監督作品『RRR』(2022)で、主人公の1人・ビームを演じた方ですね。
ラジャの性格はビームとは正反対で、金の事しか頭にない軽薄な泥棒である。しかし、虎から変身するという登場シーンや水の中から飛び出すアクションなど、ラジャからはビームを連想させる要素がチラホラと見受けられる。
そういえばビームの相棒・ラーマを演じたラーム・チャランが主演しているラージャマウリ監督作品『マガディーラ 勇者転生』(2009)では、チャラン兄貴は爆発を背負いながらアクションを繰り広げていた。
ラーマは火、ビームは水というキャラ属性、これは過去作品からの引用であることが、この2作品を見るとよくわかります。『RRR』脳になってしまった同士の皆様には、これらの作品は是非観ていただきたい。
”香港ジャッキー映画×『ビルとテッドの地獄旅行』(1991)”。
これが本作を最も端的に説明する言葉のように思う。
アクションとコメディの塩梅は完全にジャッキーリスペクトだし、地獄のおとぼけ具合は『ビルとテッド』を観ているかのようである。
それらアクション×ギャグ要素に加え、この映画にはザ・インド映画といった感じの娯楽要素がとにかく詰まりに詰まっている。
歌・踊り・ラブコメ・ギャグ・メタ・バトル・ファンタジー…etc。それらが3時間ぶっ通しで繰り広げられるのだから、だんだん頭がボーッとしてきて、終いにはもうなにが何やら訳がわからなくなっている💦カロリー高すぎで気絶寸前🌀🌀🌀
このサービス精神こそがインド映画スピリッツという事なのだろうが、印映画素人には正直キツいっっ!!あまりにも次から次へといろんな事が起こりすぎて、逆に見終わった後は何も覚えていない。
一見トンデモ映画な『バーフバリ』(2015〜2017)や『RRR』がいかに真っ当な劇映画なのか、本作を観ればよくわかると思う。
面白いのはラジャによる地獄の国取り描写。てっきりバトルやアクションで閻魔大王をやっつけるのかと思いきや、まさかの国民総選挙!🗳️
「私が閻魔大王になった暁には、独裁政治を廃止し身分やカーストによる差別を根絶します!!」とぶち上げるラジャの演説は中々に熱い。ちょっとチャップリンの『独裁者』(1940)を意識している感じ。
なんか既視感があるな、と思ってしばし考え込んだのだが、そういえばこう言う展開ってかなり「こち亀」っぽい。そう思って観ていると、だんだんとラジャが両さんに見えてくる。見た目も性格もそっくり。
実写版「こち亀」だと思って鑑賞すると、意外と飲み込みやすいかも。
この地獄総選挙、劣勢になったラジャの下に突然祖父が現れ、会場のテンションがぶち上がるという展開がある。
ここ、唐突すぎて何が何やらって感じなんだけど、なんだかメタネタの匂いがする…。
ということでちょっと調べてみると、N・T・R・ラオ・ジュニアのお爺さんというのは相当の大物だという事が発覚。
お爺さんのN・T・R・ラオさん(1923〜1996)は、インド映画史上最高の俳優の一人としてその名があげられるほどの名優であり、インド南東部にあるアーンドラ・プラデーシュ州(州都はIT都市として有名なハイデラバード)の州首相を3期も務めた凄いお方。
本作公開時は既に故人であったため、アーカイブとCGを駆使して作中に登場させたようです。
ラジャが初登場した時、画面にパチンコかと思うほどにデカデカと「N・T・R」と表示された事を疑問に思っていたのだが、これはJr.自身がスターであるということ以前に、NTRの名がインドにおいては特別なものであるということだったんですね🤔
N・T・R・ラオ・シニアのことを知っていれば、あの場面で唐突にエルヴィス・プレスリーみたいな爺さんが登場してきた意味がわかる。
というか、ラオ・Jr.が選挙に出馬するという展開自体がメタネタであることに気づける。
この辺りのことはインド国内以外ではなかなか通用しないネタでしょうね。今みたいにインド映画が国際的に評価されると思っていなかったからこそのドメスティックな内輪ネタ。そういう空気感が味わえる、中々貴重な一本だったように思います。
あ、そうそう。
もう一つ述べておきたいのは、登場する女性たちの美しさ✨
ラージャマウリ監督作品に出てくる女優はみんなとびきりの美女ばかりだが、今作はそのなかでも飛び抜けていたかも。
特に、金貸しの女性ラクシュミを演じていたマムタ・モハンダスさんはちょっと異次元の美しさ。作中でも絶世の美女として扱われていましたが、それにも納得の美貌の持ち主です😍
もしかしたら世界で一番美しいかも。なんでもっと有名になっていないんだ?
とまぁ事程左様に、見どころがない映画ではない…というか見どころしかない映画である。ただこれだけ見どころだらけだと、どこを見れば良いのかよくわからん。
一気に観るとしんどいので、たっぷり休憩をとりながら、2日に分けて観るくらいの感じが吉なのかも。
なにはともあれ、ラージャマウリ監督作品なんだから鑑賞はマスト。
2023年8月現在、多分どこのサブスクでも配信されていないし国内版のソフトも発売されていない。鑑賞チャンスに恵まれれば、それを絶対に逃してはいけませんよ!!
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