「ただ好きと言えたら」交換ウソ日記 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
ただ好きと言えたら
若くして既に多くの映像作品に出演している高橋くんと桜田さんのW主演という頼もしい作品。櫻先生の作品も全てではないですが、結構な数を読んでいるので、盤石の布陣で作られた今作は最高にときめく作品になっていました。
移動教室の机の中に「好きだ」という置き手紙を見つけた黒田。その手紙の差し出し人は学校1のモテ男の瀬戸山くん。その手紙にドギマギした黒田だったけれど、その手紙は親友宛のものだった…。という感じで始まります。
黒田と瀬戸山が仲を深めていく様子、最初は自分を出せていない黒田に苛立っていた瀬戸山だったけれど、言い過ぎだと反省してごめんなさいした後に、黒田が日記の投函を手伝ってくれてる事に気づいて嬉々としている様子がとても愛らしかったです。
遊園地で複数人で遊びにいくイベントもベタっちゃベタなんですが、チグハグな関係性から幼馴染の間柄もあるので、そのアンバランスさ、気まずさが、イベントを通じて互いを知っていく過程にマッチしていて、個人的にはこのキラキラはたまらないなと思いました。瀬戸山がこれまた自然にかっこいいセリフを決めるもんですから、あれはやられちゃいますよ笑
勉強会も、1対1という最初からクライマックスな展開でも、しっかりと勉強に向き合い、お互いの良さに気付いていくきっかけになっているのも良いなと思いました。
音楽の使い方が抜群にうまく、それぞれの時代のJ-POP、まさかのマキシマム・ザ・ホルモンの激しさを胸キュンシーンに落とし込む演出には痺れました。
この手のラブコメはどうも流してるだけって感じの強い作品が多く存在しているのですが、要所要所でシーンを際立たせる音楽を流してくれるのは、ジャンルは違えど外国のジュブナイルものと繋がっているなと勝手に思いました。
主題歌を挿入歌として使うのも良かったですし、なんたってW主人公が共にホルモン好きで、そこで生まれた縁があったり、普通ならキラキラしたBGMが流れそうなシーンにロックンロール全開なホルモンのサウンドが炸裂する相反しそうなのに何故か感動も興奮もしてしまう素晴らしいシーンに仕上がっていてとても楽しかったです。
登場人物たちが本当に良い子ばかりだったというのも良かったです。ダメだなって事をした後は反省して謝っていますし、素直に楽しいや悔しいの感情をこぼしていたり、自分よりも他人を思う気持ちを優先して、感謝の言葉も事欠かさない、そんな登場人物は最高にキラキラしていました。
告白シーンだって、壮大なものではない、放送室という2人を繋げた一つの場所での告白、奇妙な縁で生まれた恋が成就するシーンがこれまたニヤケもんでした。こんな恋の実り方なんて理想も理想だろうとは思いましたが、いざ映画として観てみるとなんで美しいんだろうなと思いました。
ここ数年のラブコメの中でも胸キュン値が超絶高い作品になっていました。原作がとても良いというのもあると思うのですが、キャストが自然体の学生を演じきり、製作陣が一つ一つのシーンを彩る演出を施してくれたおかげで傑作ラブコメが誕生したんだと思います。最高でした。
鑑賞日 7/12
鑑賞時間 15:05〜17:05
座席 E-17