「日本の議員のような映画」おまえの罪を自白しろ サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
日本の議員のような映画
上っ面、見た目だけはいいんだよ。
完全に堤真一有りきの映画。雰囲気と堤真一だけで成り立っている。政治ドラマというのに、これっぽっちもリアリティが無いし、緊張感もない。直ぐに感情的になる秘書と警察にイライラ。大した内容じゃないのに、見た後どっと疲れてしまいました。
別に演技が下手とかそういう訳じゃないんだけど、中島健人演じる議員秘書が、全くもって好きになれない。なんでそんないちいちカッコつけるかな?もっと堂々と振舞った方が絶対カッコイイのに、やっぱりファンのこと気にしてるのかな?元ジャニーズ(この言い方嫌だけど、smile upももっと嫌いなんで)映画にはなって居ないんだけど、明らかにウケを狙っているような過度な演出に腹が立つ。いやいや、この手の映画にそんなのいらないから。単純に、深みのないキャラであるのも、そう思う理由の一つ。原作どうなんだろう。気になるな...。
本作は政界や事件、人物に真摯に向き合っていない。
私、池井戸潤作品をはじめとした銀行もの、政治ものが大好物なのだけど、その手の映画というのはテンポの良さを求めすぎず、じっくりと丁寧に物語を展開していくのが肝となると思っている。また、納得あっての伏線回収であるため、まとめ方や説得力ある説明も重要だ。だが、本作においてはスピーディな展開のせいで、内容を観客に理解させようとする気がまるでなく、しかも支離滅裂で何一つまとまっていない物語の構成に、嫌気がさしてしまう。決して難しくないのに、何故か難しくしようとして混乱させている。
役者が適材適所でないところにもすごく違和感。
池田エライザにこんな役は良さが全然引き出せていないし、中島健人はもっといい演技が出来る役者だと個人的に思っている。山崎育三郎の刑事なんてすっごく中途半端だし、中島渉なんて雑に扱われすぎて可哀想になる。せっかくいい俳優集めているんだから、もっと真剣にやりましょうよ。堤真一だけだよ、魅力爆発してんの。
前半はかろうじて楽しめたものの、後半からの失速が半端じゃなく、期待していただけに結構ショックを受けてしまった本作。水田伸生監督はコメディが本業の方なので、ちょっと違ったのかも。ん〜、ほかの監督が撮っていたらどうなっていたんだろう。気になる。