「Dark Rainbow」おまえの罪を自白しろ ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Dark Rainbow
予告編のみの情報だけで鑑賞。原作は未読です。
んーなんだか薄っぺらくてつまらないわけでは無いんですが、面白くも無いという中途半端な出来だなと思いました。
国会議員の孫娘が誘拐され、その孫娘を探すために政治一家や警察が奔走するというのがざっくりとしたあらすじです。
政治ドラマとしては上のものが下のものを抑圧する汚い人間模様を濁さず描き切っていたのは好感を持てました。ダメダメっぷりがこれでもかと滲み出ていましたし、なすりつけ合いってこんなに嫌なもんなんだなと再確認させていただきました。
全体的に主人公が存在しなかったのも乗れなかった理由だと思います。晄司が主人公という立ち位置なんですが、そこまでフォーカスが当たるわけでもありませんし、事件解決に大いに役立ったはずなのにそこも目立たずじまいというのは助演の立ち回りのはずなので首を傾げながら見ていました。
清次郎の立ち位置も自白するまでの流れをトントントンと見せていきつつも、予想の範疇くらいの事しか起こらないので意外性の無いキャラになっていました。
一家総出で事件に立ち向かっていくのかと思いきや、基本は晄司と清次郎の部下が足で稼いできたものを提示して会見しての繰り返しなので、兄貴や義兄は完全に置き物になっていました。これは役者の無駄遣いだなぁと思いました。
真由美はなんでずっと血まみれシャツを着てるのかってのも疑問に残りました。「シック・オブ・マイセルフ」の主人公も血まみれシャツ着て街中を歩いていましたが、もしかして注目を集めたかったのか?と直近の作品が謎にリンクしていました。
犯人サイドの描き方もなんだか雑だなと感じました。どう考えても尾野さんがあそこにいたら1発で怪しいの感じてしまいますし、案の定犯人でしたし。
動機も殺してしまった父親を埋めた土地が掘り返されてしまうからそれを阻止しなきゃ!という感じで工事を伸ばそうとなんやかんや動き回るというのを後半ドドっと明かされるので、そうですかというくらいの感想しか出てきませんでした。
河原で掘り返そうとしているところを見つかるところなんて間抜けすぎない?ってくらい煩雑でした。
会見を開いて犯人を誘き出すという珍しい手法を使ってきたなと思いはしましたが、長々とした茶番のように後半は思えてしまって萎えました。それでホイホイ出てくる犯人も犯人なんですが笑
終わりも次世代への繋ぎみたいな感じで晄司が議員になっていたのも色々とすっ飛ばしててうーんってなりました。もう少しカタルシスが欲しいなぁと思いました。
役者陣は若干引っかかる人はいたものの、基本的には安心して見れましたし、主要キャストは難しい役どころを演じ切っていたなと思いました。
期待という期待はしていませんでしたが、それを若干下回るというなんとも言えない結果になってしまいました。短ければ良いって訳ではなかったです。これは2時間欲しかったです。
鑑賞日 10/23
鑑賞時間 17:40〜18:35
座席 H-12