「少し物足りない」おまえの罪を自白しろ 大将さんの映画レビュー(感想・評価)
少し物足りない
予告を観て面白そうだと思ったけれど本編を観ると政治的要素はそこまで強くなく派閥争いによる駆引きも浅いやり取りが少しある程度で思っていた映画と違った。サスペンス要素もそれほどなく動機も弱い。子供を攫われた母親が最初に連絡したのが兄弟というのも違和感がある。普通なら子供の父親である夫にかけるのがまず第一のはず。物語上、主人公または議員の父親に子供が誘拐されたことを知らせなければ話が進まないので理解はできるが現実味がない。主人公が真相に迫る場面もなぜその発想に至ったかの過程が雑である。全体的に予告やポスターから受ける印象とはかなり違って内容は薄いが、出演俳優がベテランの実力派揃いで見応えがある。主人公も若さ溢れる真っ直ぐな青年の役がよく似合っていて、緩急のつけ方などまだまだ力み過ぎ感があるもののこれからが楽しみになる。ただ、歌舞伎の人か分からないけれど若い刑事役の人が随分と大袈裟なお芝居をしていて1人浮いていたのが気になった。全体的に展開は早く飽きずに観られて悪くないが、もっとしっかりとした内容を求めている人には物足りなく若い人に向いている映画かもしれない。
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