「ノリと雰囲気で「ほら泣けよ」って感じの映画」アナログ かやのさんの映画レビュー(感想・評価)
ノリと雰囲気で「ほら泣けよ」って感じの映画
結論から言うと、時間の無駄。
何かを伝えているようで何も伝えてない、その場のノリだけで「ほら泣けよ」って感じの映画。
映画館で予告編を観て、ケータイを持たないという新しいコンセプトの恋愛映画に惹かれて楽しみにして観たのだが、思いっきり期待外れだった。
中身は全く新しくなくむしろベタベタ。しかも話が無理矢理でクオリティが低い。
映画館でお金払ったわけじゃないのでまだよかったかもだが、それでも2時間返して欲しいと思った。
・顔がニノで、大手デザイン会社に勤めていて仕事もできる主人公がなぜあの歳で独身なのか説明がなく不明(何歳とは言ってないがどう見てもアラフォーだよね)
・ニノが波留を好きになった経緯が不明。
会話や振る舞いは特に女性として魅力的には思えず、「顔」意外に思い当たるポイントがなくのめり込めなかった
・ニノがジャニーズであるがゆえの規制、これに尽きると思う。
恋人として当たり前のキスシーンや塗れ場が徹底排除されているせいで、恋人としてどこまで進んだのかが分かりづらい。そもそもいつから恋人関係だったのかすら不明。
これのせいで、色々な過程をすっ飛ばして突然プロポーズするヤバい男にしか見えず感情移入できなかった。
・波留の事故が突拍子なさすぎ。
波留の過去の素性と関係があるとか、無理矢理だがせめて高齢者ドライバーの多い地域であると描写しておくとか、何か伏線が欲しかった。
「プロポーズの日ですが、たまたま大事故に遭いました。理由は特にありません」って、描写が投げやりすぎでしょ…。
桐谷健太の迫真の演技でなんとか感動シーンっぽく見せていたが、観客は置いてけぼりだったと思う。
・お母さんの死の意味が不明。
かなり尺使ってお母さんの闘病、葬式のシーンを入れていたが、なんの意味があったのか不明。その後の波留との関係性においても特に意味なし。
強いて言えば結婚を決意したのと、落ち込んでるニノを波留が抱きしめてさらに好きになった(?)ことくらいか?
その後の突拍子のない波留の事故の件とも一切関係ないので、あんなに尺使うことか?と思った。
・事故以降の話がベタすぎる。
そもそもニノが波留を好きになった経緯が不明なので、「会社辞めてまで介護するほどの相手か?」という思いがずっと拭えず全く感情移入できなかった。
ラストは予想通り波留の意識が戻ってハッピーエンド。はいはいそりゃそうだよね。
良いところを挙げると絵面は総じて綺麗だった。特に海の後電話のシーン。
細かい整合性とかは気にせず、その場の雰囲気とノリで感動できる人はそこそこ楽しめると思う。
でも、大人は普通楽しめないと思うな…大学生までじゃないかな。