「じんわりくるのです。」アナログ Qooさんの映画レビュー(感想・評価)
じんわりくるのです。
はぁ。
素敵な映画でした。
たけしさんの頭ん中はどうなってるんでしょう。
俳優陣が皆、なんとも素晴らし過ぎました。
私は俳優としての二宮さんをスクリーンで見ると、なぜかうっすら涙が浮かぶのです。顔を見ただけで、もうその先の切なさが伝わってくる。そんな感じがして、目がじんわりしてくるのです。
本日も悟を演じる仔犬のような瞳をした二宮さんを、没頭からじんわりしながら鑑賞しておりました。
みゆき役の波瑠さん。美しく素敵でした。素敵すぎました。とても素敵で慎まやかで、それでいて儚げだけれども、優しく海のような女性を演じてました。
そんな悟とみゆきのやりとりもとても微笑ましく、楽しい。悟の友達ふたりも漫才かと言うくらい面白く、すごく良い奴ら。
ピアノのマスターのリリーフランキーさんも、セリフは少なくとも表情だけで重要な役どころを果たしていてさすがでした。
携帯を使わないアナログなデートを重ね、悟はプロポーズを決意するが、どうしてかみゆきは姿を消してしまう。
どうしたんだろう。
会えないまま月日は過ぎてしまい、悟はある時事実を知る。
この辺りから じんわりどころではなくなってまいりました。
ラブストーリーにはありそうなお話しでもありましたが、この俳優陣だからこそ深く突き刺さったのです。
みゆきの姉役の板谷さん。みゆきを大切に思う気持ち、そして、悟の未来をも気遣う優しさがより心に染みました。
どこまで行っても 2人にとって幸せと思える結末であって欲しいと私は思います。
はぁ。
素敵な映画でした。
たけしは多才な人で、バイオレンス、時代劇など様々なジャンルの映画を撮っていますが、耳の聞こえない若い二人がサーフィンで知り合うという「あの夏、いちばん静かな海。」という映画なども作っていて、「アナログ」を書いたのも不思議ではありません。
ただし、昔、たけしが監督で映画を撮っている現場に遭遇したことがあり、その時のスタッフの異様なピリピリ感などを目にしたこともあり、たけしは好きではないのですが。