「アナログというよりアナクロ感」アナログ ジョンスペさんの映画レビュー(感想・評価)
アナログというよりアナクロ感
ビートたけしの恋愛小説が原作ということと大スクリーンでの波瑠を観たくて鑑賞。波瑠が生成AI画像か?とビビるほどツルピカの美しさ。ジャニーズ案件の中では相変わらず演技がうまいニノ。素レベルのナチュラル感の桐谷健太。たけし原作らしさが出た浜野謙太を交えたボケシーン。よかった点は以上で、正直感動どころか展開が進むほどに鼻白らんでしまった。
陳腐な恋愛話は設定以上のおもしろみがなく、話の表面をなぞるだけで具体的な細部の作り込みがまるでない。ニノも模型作ってるだけで売れっ子建築家らしい教養や知識の幅広さがあるように見えないし(本人のキャラ問題かも…)、市民会館的なとこでの貧乏くさいコンサートは眼をつぶるとしても、クラシックをネタにしながらクラシック音楽というイメージしか描かれない。
波瑠もかわいいだけのお人形さんで人間的な魅力を感じられず、ずっと敬語を使われ続けて2人の距離が近づいてるようには思えなかった。そもそも今どきいい大人がこんだけデートしてキスもしない、でもプロポーズを考えるってどんな精神年齢なんだよ? 10年前に高校生の波瑠は濱田岳に胸まで揉ませてたってのに。
単純にオレ自身の好みの問題なのかもしらんけど、とりあえず中村義洋監督のみなさん、さようならは必見(濱田の役名は偶然にもおんなじ悟!)。
共感、コメントありがとうございます。おっしゃる通り今の時代、こんなヒロイン像ないですよね。未読ながら原作を忠実になぞっているのかもですが、原作に描かれていない細部を演出で積み上げて、嘘くさい話にいかに映画としてのリアリティと納得感をもたせるかが重要だと思うんですけど、そういったこだわりが感じられず観ていて白けてしまったのでした。会う日が木曜である意味とかも考えられてない感じですし。
ほぼ同意見です。とにかくヒロインが、ステレオタイプというか、昭和の男性の理想像なのだと感じました。クラシック音楽イコール深窓の令嬢?(笑)そして普通の男を演じたら、二宮君は上手いと思いましたが、確かにできる建築デザイナーには見えませんでしたね。それと男3人の友情も高校生か?と思うぐらい、大人の友情には見えませんでした。ラストもメルヘンチックで、驚きました。ただ脳については解明されていない事があるので、ああいったケースもあるのかもしれませんが…現代のお伽噺だと思えば。納得しますが、大人の恋愛物語だとは、到底思えませんでした。