劇場公開日 2023年10月6日

「やはり二宮和也はすごいなぁ」アナログ ONIさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0やはり二宮和也はすごいなぁ

2023年10月10日
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北野武の映画がしばらくなかったので、原作が出たばかりに読んだ時は頭の中で北野武演出になっていて、「あの夏いちばん静かな海」がアップデートされた感があったけれど、それがこんなデート映画っぽくなるのは凄い。思えば原作はスタンス自体がアナログで、それはたぶん自分の創作姿勢踏まえてのものだったろうからこの映画は根本的に別物ではある。

振り返ってもいいストーリーというか、よくできた男のファンタジーで、そんな人いるかよ、というお姫様の設定がタケシならでは。原作は男の側面から描かれていたような気がしたので、最初から姉が出てきた時は余計なことを、と思ったが、しっかり観れる。ただ演出は冒頭からバタくさい。いくらシネコン映画だからといってそこまで軽薄にやらなくてもといっていいくらい軽く、喫茶店の佇まいも惹かれるものはない。本当はこの喫茶店がもっとアナログ感が必要な気がする。時代から取り残されたような。そこがデート映画には不用だったのだろう。
手がなかったのか狙いかわからない長回しのアドリブのジャンプカットを多様しての展開は雑な感じなんだけど、しかし、全編を通して、それが二宮和也なら違う、というのを見せつけられる。思っていてもリアクションが素晴らしく、完全に惹き込まれる。

という男のお伽話なのだけど、二宮和也の芝居と純愛を観る映画としてハマっているが一般の女性からしたらどんな感想を持つのか知りたい。

ONI
すのめめさんのコメント
2023年10月10日

たった今見終わって帰宅しました。男性目線のおとぎ話でしたね。ヒロインがステレオタイプで、失笑してしまいました。昭和生まれの男性の理想像なのでしょう。お通夜のシーンで、当たり前のように女性だけが洗い物をして、男達はビールを飲んでいるなど、突っ込みたくなりました。ただ全編を通して、二宮君の演技が素晴らしくて、どんどん引き込まれました。後半は理屈などどうでも良くなって涙腺崩壊…おとぎ話だと思えば納得です。

すのめめ