「波瑠さんの衣裳だと、焼き鳥はタレより塩でないと駄目ですよ」アナログ グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)
波瑠さんの衣裳だと、焼き鳥はタレより塩でないと駄目ですよ
前日に『アンダーカレント』を見たばかりの私には、シンクロ感がありました。
というか、ほとんどリリー・フランキーさんの卓越した存在感のなせる技ですね。
『アンダー』のほうでは探偵さんなのですが、こちらでもちゃんと美味しいコーヒーを淹れてくれるんです。
喫茶店のマスターは、世を忍ぶ仮の姿?と瞬間的に勘違いさせられました。
現実社会で起こり得る不幸な出来事、それに翻弄される当事者たちのやり切れない心の痛み、でも何かの偶然や誰かの思いによって生まれる希望。
リリーさん演じる役どころは、それらの時系列を優しく暖かく無条件に見届け受け入れる神さまのような存在。
そして、奇跡を起こすのは、その神さまではなくて、誰かを思う人間自身の心なのですよ、そう無言で語りかけてくれるのです。
だから、リリーさんの淹れてくれるコーヒーは、アイスでは供されません。いつでも人を温めてくれるホットコーヒー。
ラストの冬の海岸、神さまの淹れてくれたコーヒーがふたりの上に奇跡をもたらしてくれました。
(余談)
『アンダーカレント』のレビューでは、泣かせの演出について言及しましたが、テーマが違うこちらの映画だと、もっと泣かせてくれてもいいですよ、と言いたくなるほど、泣かせていただきました。
そういう比較ができることもまた、シンクロ感の要因のひとつです。
(余談2)
東宝シネマズ日本橋で鑑賞してたら、ロケ地がまたも日本橋。
日本橋のたもとにあるオープンカフェ(筒井真理子さんのシーンです)は、橋を歩けばすぐに分かります。
散歩の好きな人はぜひ❗️
リリーさん位、似たような役どころで許容されてる人居ませんよねぇ。ご自分では役者ではないと思ってるんでしょうか、歌も上手い、畠山美由紀とのデュエットをライブで観た事があります。