「「今日、木曜日」で泣かされた」アナログ まっしーさんの映画レビュー(感想・評価)
「今日、木曜日」で泣かされた
ニノと波瑠という、好きな役者さんが出る作品ということで、原作知らない中、公開初日に鑑賞。
実はテレビをあまり見ないので、インスパイアソングなるものがあるのを知らなかった。
もったいないことをした。。。
いくらちゃんのwithを聴いてから見るとより、楽しめると思った。
スマホでいつでも連絡できてしまう今だからこそ、「スマホを持たない彼女と木曜日だけの恋」という、新しく面白みのある設定。
起承転結を守った作品で、話が入ってきやすかった。
主人公の悟の置かれている状況、仲間や会社との関係性をじっくり理解できるシーンが多く、彼の控えめで謙虚な性格がわかる。
みゆきを好きになっていく悟の表情や惚気にはクスッと笑えるシーンが多く、面白い。
そんな中で、みゆきとの出会い。
みゆき側の解説的なシーンは少なく、謎めいたまま終盤へ。
2人が惹かれ合うのがわかる演技、表情、行動、シナリオ。さすが演技の上手い2人だ。
なのに、プロポーズ予定当日から、突然会えなくなる2人。
その後、明かされる2つの真実(みゆきの正体と、事故)に衝撃と悲しさを与えられる。
正直、この時点で悲しさはMAX近いのだが。
(この部分でみゆきが死んでいなくて良かった。安易な死が分かつ愛にならずに済んだ。きっとハッピーエンドにしてくれ!と必死で思いながら見ることになる)
控えめな悟の、運命の出会いを諦められないという強い思いのコントラスト。
障害を持つみゆきとの日々。
諦めない強さと支える友と家族。
主題は、何が人と人を引き裂くかわからない、人生の不確実性と、それに負けない人の心。でしょうか。
最後に、みゆきの障害が回復する兆しが見えて、思い出の海で語った「きょう、もくようび」という言葉に、涙が出た。
この言葉で泣くのは、この物語を見た人だけだなという印象的なシーン。
そしてそのまま閉幕。
めちゃくちゃハッピーではないが、じわっと悲しさの後に幸せを運んでくる作品。
なお、ピアノというカフェのマスター役、リリー・フランキーは、この役にピッタリで、多くは語らないがその柔らかな声と表情で鑑賞者に訴えかけてくる。
やはりこの人の演技はすごい。自然とそこにいる人になっている。