「古典的な設定で描く丁寧に愛を紡ぐ悟とみゆき」アナログ みかずきさんの映画レビュー(感想・評価)
古典的な設定で描く丁寧に愛を紡ぐ悟とみゆき
観終わって、良い映画を観たなと感じた。出会いから着実に熟成していく愛の物語を程よいテンポで丁寧に描いている。自然に作品世界に入ることができ、心地良く観ることができる。
時代と逆行して、手作り、手書きに拘るデザイナー水島悟(二宮和也)は、自分が内装設計した喫茶店ピアノで、悟の内装センスを褒める不思議な魅力を持つ女性・美春みゆき(波瑠)に出会う。彼女は小さな商社で働いていた。悟はみゆきに惹かれ連絡先を交換しようとするが、みゆきは携帯電話を持っていなかった。二人は毎週木曜日にピアノで会う約束をする。二人は徐々に親密度を増し丁寧に愛を育んでいく。そして、悟がプロポーズを決意した木曜日に、みゆきは忽然と姿を消す・・・。
みゆきが携帯電話を持っていない、二人が会えるのは木曜日だけという設定には古臭さはあるが作品としては奏功している。会えない六日間が二人の愛の熟成を促進している。連絡が取れないことが、相手を想うことになり、二人の愛を深めている。
波瑠が品のある物静かな佇まい、落ち着いた台詞回しで、謎めいた雰囲気のみゆきを好演している。二宮和也は、仕事はできるが上司に手柄を横取りされてしまう人の良い悟を流石の演技で熟している。終盤のみゆきへの想いを語るシーンが感動的であり涙を誘う。
二人を取り巻く豪華俳優陣も役どころを心得た演技で作品を支えている。特に、悟の入院中の母親役・高橋惠子の人生経験豊富なアドバイス、悟の親友役・桐谷健太、浜野謙太の悟との熱い友情、ピアノのマスター役・リリーフランキーの二人を見守る暖かな眼差しが印象に強く残る。
終盤。突然消えたみゆきの行方は、この手の作品の定番であるが、観客の感情を煽るような劇的展開にはせず、淡々と進行していく。その方が現実的であり、却って感情は動く。泣ける。
ラスト。漸く希望の光が二人に差し込む。二人の愛の物語の第二章が始まる。粘り強くみゆきを支える悟の姿に時代を越えて普遍的な愛の強さを感じた作品だった。
おはようございます。
共感ありがとうございます。
とても素敵な映画でしたね。
実はわたしごとですが、昨日3年ぶりに映画館へ行って来ました。
心境の変化?なんとなく足がむかいました。
やはり大画面の美しい映像、集中できる空間。
格別でした。
本作、みかすきさんのレビューに同感です。鑑賞したのは2週間前ですが、みかずきさんが全部書いてくださったので、もう書くことが残っていない感じで(笑)
このような素朴な感動に出会うと、普段かなり捻った鑑賞を続けていたのではないかと考えさせられました。
タイトル通り、アナログ時代の名作の感動に通じるものがあるかもしれません。
共感できて良かったです。
コメントありがとうございます。
コメ返遅くなり申し訳ありませんでした。
おっしゃる通り、波瑠もニノも良かったですね。
悟のみゆきに対する愛が希望の光でしたね。
共感です。
たくさんの共感ありがとうございます。
本作、波瑠と二宮和也の作り出す雰囲気が素晴らしかったです。
二人の持ち味を存分に発揮していました。
本作には、この二人が最適役だと思いました。
では、また共感作で。
ー以上ー
共感&ご丁寧なコメントありがとうございます。
確かにリアルでは喜怒哀楽は常に起きていますもんね。
最近は悲しいことが多い世の中なので、作り話の世界くらいは幸せだけで良いのにと思ってしまうことがあります。
本当ならそれは逆であって欲しいのですが。
共感ありがとうございます。
題名のアナログとは糸電話もそうですが、ラスト近くの手を握ったりする事も含んでるんじゃないかと思いました。お母さんとの対応も何かアナログな感じでした。