「期待に応えない凄さ」ジョーカー フォリ・ア・ドゥ yutes79さんの映画レビュー(感想・評価)
期待に応えない凄さ
待望の『ジョーカー』続編、賛否両論(むしろ「否」の方が多い?)のようですね。
確かに自分にとっても期待した内容ではなかったですし、前作より面白いかと問われれば “Yes”とは言えなさそうです。しかし「期待通り」というのはある意味、観客が想定できる範囲内に映画が収まってしまっている、とも言えるわけで、本作のようにファンであればファンであるほど、その期待を裏切るかのような展開は、むしろ観客の想定を超えてきた制作者の勝利とも言えそうです。
そう、本当にラストは意外でした。むしろこの後ってどうなるの?という疑問だらけになります。それと同時に人それぞれに解釈が生まれてくると、期待外れの本作がファン心理を手玉に取るように巧妙に仕組まれた傑作のようにも思えてきます。
冒頭でなぜか流れるアニメーション、ミュージカルのように歌でつなぐ演出とその歌詞(これは最初はレディ・ガ・ガがキャスティングされているからかなぁと思いましたが、もちろんそんな理由ではなさそうです)、劇中で熱狂する者たちへのジョーカーの裏切り、ジョーカー脱走のきっかけとなる爆破犯の正体、そしてラストシーン。とにかく「?」も多いのですが、その答えを求めることでこの映画は完成するのではないでしょうか?
もちろんこのままではずっとモヤモヤしますので、その答えが得られる続編が早くくることを切に願います。
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