劇場公開日 2024年10月11日

「恋愛と裁判とエンタメをめぐる承認欲求」ジョーカー フォリ・ア・ドゥ 文字読みさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0恋愛と裁判とエンタメをめぐる承認欲求

2024年10月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

2024年。トッド・フィリップス監督。「ジョーカー」続編。承認欲求が満たされずエンタメ業界の底辺で生きることを余儀なくされた男が、社会への復讐として殺人にいたったところ、世間から祭り上げられ、また、追っかけ的に慕ってくる女性と運命の恋に落ちて、「恋愛」と「裁判」という場で「本当の自分」の模索を強制されてグラグラ揺れる話。
ジョーカーが仮面なのか(演技=責任能力あり)二重人格なのか(病気=責任能力なし)を巡って精神科医や弁護士や恋人や元友人があれこれ「診断」するわけだが、彼自身には判断がつかない。だから指摘されるたびにうろたえる。しかも、主人公は他者の意向に沿うことで(自らを笑いものにしながら)承認されたいという欲求が強いので、これはもう地獄だ。
主人公の夢想として挿入されるエンタメシーンのエンタメとしての水準が低いのではないか、主人公が煙草を吸いつつ天を見上げて手を広げるしぐさが多用されすぎではないか、運命の恋の相手の素性が無駄に怪しいのではないか、など気になるところが多々ある。

文字読み