劇場公開日 2024年10月11日

「一言で言うなら「懺悔映画」」ジョーカー フォリ・ア・ドゥ keytonさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0一言で言うなら「懺悔映画」

2024年10月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

難しい

 前作『ジョーカー』の影響でアメリカのみならず、日本でも社会現象を引き起こした凶作の続編。鑑賞前は酷評の多いとは知っていましたが、「個人的に楽しめれば良い」という視点で述べさせていただきます。
 脚本は正直イマイチ。ほとんど刑務所のシーンばかりで物語が前に進まない。
そこを補っているのがアーサーの妄想の世界で、華々しいシーンが多く、退屈させないように気を配っている印象でした。
歌が多いのもストレスに感じてしまってもったいない。台詞で気持ちを表現すればいいのに歌で遠回しに伝えようとしていて、正直じれったいと感じました。
前作で社会風刺に振った分、エンタメ性と現実性に特化した作品でした。
 この映画を観て良かったと思えたのは、「カメラワーク」と「レディー・ガガ」でした。アーサーの心情をカメラで表現していて、自意識過剰の部分をピントで表現していて被写体の周りをぼかすことで、自分の事しか見えていない人間を演出していてわかりやすかった。
そして今作はレディー・ガガの演技と歌唱力が素晴らしい。力強い歌声と演技力は一見の価値あり。中でも「ジョーカーとハーレイ」というアーサーの妄想の世界では、ホアキンとデュエットするシーンがありますが、ホアキンが緊張しているのか声がこわばっているしているように見えました。
 個人的にはトッド・フィリップス監督による前作からの反省文的懺悔映画。もしくはジョーカー0号の物語とも観れる映画でした。

keyton