「観たかったのはこれじゃないガッカリ感」ジョーカー フォリ・ア・ドゥ しんさんさんの映画レビュー(感想・評価)
観たかったのはこれじゃないガッカリ感
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裁判とミュージカルが大半を占める2時間18分。ジョーカーのさらなる暴走を期待して劇場に足を運んだので、盛大な肩透かしにがっかりした。
マッドマッククスフュリオサが全編クライマックスで期待以上の興奮をもたらしてくれたのと、つい比べてしまう。
ジョーカーは精神異常なのか正常なのか? この評価で量刑が大きく変わる。本作の主軸はここ。ただ、裁判だけで一本の映画はもたないから、ジョーカーとレディーガガの妄想ミュージカルで隙間を埋めたように感じた。
そして結論は、ジョーカーは悪のカリスマじゃなくて、どこにでもいる小心なおやじだった。失望したハーレクイン(レディーガガ)に愛想を尽かされ、ジョーカーに憧れていた受刑者から滅多刺しにされて死んでしまう。
クライマックスの前に、とってつけたような裁判所爆破シーンがあるが、そこに至る伏線もなく唐突すぎるし、結局、ジョーカーは再び捕まり収監される。
現実はそうだとしても、エンタメを期待して見に来た客に「妄想はやめて現実に目を向けろ」と言わんばかりの展開に唖然とした。
考察好きな映画ファンにはしばらく味がする作品だろうけど、単にエンタメを楽しみたい僕のような客層には不向き。
ただし、ジョーカーの続編じゃなくて、いち連続猟奇殺人鬼の妄想と現実という映画だとしたら、それなりに楽しめたと思う。
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